滋賀県営ダム中止後の補償問題

 滋賀県の嘉田知事は、昨年(平成21年)1月、県営芹谷ダムの中止を決定し、ダム予定地域の人々への説明、意見交換を行ってきました。滋賀県では、知事の陣頭指揮の下、ダム中止後の生活再建、地域振興策についての模索が続いています。

◆2010年8月10日 中日新聞滋賀版

ー「福祉支援を提案」 芹谷ダム中止の補償問題で知事ー
http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20100810/CK2010081002000182.html

 県営芹谷ダム(多賀町)の建設中止に伴う補償問題で、嘉田由紀子知事は9日の記者会見で、高齢化が進む水没予定地だった同町水谷地区の生活再建について触れ、「介護や医療まで含めた福祉支援を提案している」と述べ、地元との合意を急ぐ姿勢を示した。

 知事は補償の内容について「地元と協議中」とした上で、「高齢者の福祉はその場所で住み続けてもらうため。法にのっとった支援の仕組みをつくりたい」と話した。

 水谷地区の住民は6月19日、現地で地域振興と生活再建を行う県の方針を受け入れることを決めたが、補償内容について県と合意に至っていない。

 嘉田知事は「法にかない、理にかない、情にかなう対応を取りたい。一日も早く合意できるよう努力する」と語った。 (林勝)

~~~記事引用終わり~~~

 八ッ場ダムと相称される西の川辺川ダムも中止が決定しました。川辺川ダムは国営のダム事業ですが、ダム予定地から河口まで熊本県一県のみを流れているため、熊本県の対応がダム中止後の五木村(水没予定地)の行方に大きな影響を与えます。すでに熊本県では、ダム予定地の地域振興策への取り組みが始まっています。

 八ッ場ダムの場合は、関係するのが首都圏1都5県にまたがるだけに、問題がより複雑です。ダム推進の過程では国策に従順だった関係都県ですが、民主党政権下では、ダム中止の政策決定への影響を最大限に行使する意向を表明しています。7月27日には、ダム本体を造らないのであれば、生活再建関連事業への負担金支出を留保するとの申し入れを国に行っており、ダム中止後、ダム計画によって犠牲になってきた水没予定地域の生活再建、地域振興策に関与する見通しは立っていません。

 ダム予定地を抱える当の群馬県もダム推進一色です。群馬県議会では、人口流出、地質の危険性、雇用の場の喪失等、八ッ場ダム事業における生活再建関連事業が様々な面で行き詰まりを見せている状況が野党議員に追及されていますが、与党自民党は八ッ場ダムの完成=生活再建の完成という立場です。