八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

八ッ場検証、期限は未定

 民主党は八ッ場ダムの中止をマニフェストに掲げ、国民の多くの支持を得て政権を奪取しましたが、その後一年の八ッ場ダムを巡る騒動は、単に税金の無駄づかいという視点だけでは、八ッ場ダム問題は解決しないことを示唆するものでした。
 前世紀の負の遺産である八ッ場ダム問題は、ダム事業が本格化した1990年代以降、矛盾が次々と噴き出してきましたが、自民党政権下では問題が表面化することはありませんでした。民主党政権が官僚任せで問題を先送りにするだけであるならば、多くの国民の落胆を招くことになります。

◆2010年9月25日 読売新聞群馬版より転載
ー八ッ場検証の期限示せず 馬淵国交相、初めて認めるー
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20100925-OYT8T00195.htm

 馬淵国土交通相は24日、閣議後の記者会見で、八ッ場ダム(長野原町)建設継続の可否を判断する検証作業について、「(いつまでに終えるか)具体的な目標は、技術的検討や地域住民の意見聴取など多角的に行うので、現時点で時期を区切るものでない」と述べて、検証に要する期間をあらかじめ示すのは困難との考えを明らかにした。前任の前原外相は「一定の時間はかかる」と短期決着に否定的だったが、国交相が、検証終了の目安を示せないことを公に認めたのは初めて。

 群馬、東京など6都県は国に対し、検証日程が明確になるまでダム建設事業の今年度分負担金支払いを留保すると申し入れているが、新大臣になっても双方の主張の隔たりは大きく、解決はさらに長引きそうだ。

 一方、八ッ場ダムの建設見直しを求めている市民団体「八ッ場あしたの会」は同日、馬淵国交相にダム問題の早期解決を求める要請書を郵送した。

 同会は文書の中で、「地元住民の生活再建支援は待ったなし」と指摘した上で、〈1〉生活再建、地域振興を目的とした政策チームの設置〈2〉住民への聞き取り調査で要望把握〈3〉国の責任で生活再建支援措置の実施――などを要請。検証作業についても「すみやかに結論を出すべき」と主張している。

◆2010年9月25日 朝日新聞群馬版より転載
ー早期解決求め国交相へ要請書 八ッ場ダム見直し派団体ー

 八ッ場ダムの建設見直しを掲げる市民団体「八ッ場あしたの会」は24日、馬淵澄夫国土交通相に対し、ダム問題の早期解決を求める要請書を送った。ダム予定地の生活再建や地域振興を図るための政策チームの設置や、ダムなしの治水、利水の代替案の策定などを求めている。
 要請書は、民主党政権が打ち出した「コンクリートから人へ」という税金の使い道を変える改革が実現できていないと指摘。「ダム予定地の人々の生活や地域住民の声は踏みにじられるばかりで、問題の先送りは地元にツケを負わせる」としている。
 具体的な問題解決の方策として、地元住民への生活再建に関する聞き取り調査、生活再建を支援するための早急な法整備、移転先となる急斜面上の代替地の安全性確保、利水問題を解消するための水利権許可制度の改善ーなどを進めるよう要請した。

◆2010年9月25日 上毛新聞より転載
ー八ッ場ダム問題の早期解決へ要請書 国交相に市民団体ー
 
 八ッ場ダム建設の見直しを求めている市民団体「八ッ場あしたの会」は24日、菅改造内閣で新たに就任した馬淵澄夫国土交通相に対し、長野原町の水没予定地の生活再建促進など八ッ場ダム問題の早期解決を求める要請書を提出した。
 要請書は「生活再建の手だてが何ら講じられず、地元住民は不安な日々を余儀なくされている」と政府の取り組みを批判。その上で新大臣として①政策チームの設置や住民への聞き取り調査、法整備による生活再建の早期着手②水没予定地住民が移転する代替地の安全性の確認③八ッ場ダム以外の治水計画の立案ーなどに取り組むよう求めている。

◆2010年9月25日 東京新聞群馬版より転載
ー生活再建早期解決を 八ッ場ダム 市民団体が国交相に要請ー
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20100925/CK2010092502000088.html

 八ッ場(やんば)ダム(長野原町)の事業見直しを求める市民団体「八ッ場あしたの会」は二十四日、ダム水没対象地区の生活再建問題の早期解決などを求める要請書を、馬淵澄夫国土交通相に送付した。

 要請書では「ダム建設の是非が判断される時期が明らかにされておらず、地元住民の先行きは不透明なままだ」と指摘。専門の政策チームを設置して、住民の生活安定につながる施策や法整備を早急に進めるよう求めた。

 ダム本体建設の可否を決める再検証作業については、ダムに代わる治水・利水案の早期提示を要求。住民の移転代替地として造成された土地の耐震性についても、あらためて入念な検査が必要だとした。 (中根政人)