基本高水再検証の有識者会議発足

2011年1月15日

 国交省関東地方整備局は昨日、基本高水の再検証を行う有識者会議のメンバーを公表しました。

 国交省関東地方整備局のホームページより転載
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000018899.pdf
「八ッ場ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場」第三回幹事会 配布資料より

河川流出モデル・基本高水評価検討等分科会委員名簿
氏名 所属・職名
池田 駿介 東京工業大学名誉教授
小松 利光 九州大学教授
小池 俊雄 東京大学教授
寶 馨 京都大学教授
沖 大幹 東京大学教授
椎葉 充晴 京都大学教授
守田 優 芝浦工業大学教授
鬼頭 昭雄 気象庁気象研究所部長
窪田 順平 大学共同利用機関法人人間文化研究機構准教授
立川 康人 京都大学准教授
田中丸 治哉 神戸大学教授
谷 誠 京都大学教授

 基本高水の再検証を行う有識者会議の発足に当たって、馬淵前大臣は1月5日の会見で以下のように述べています。

☆国土交通省ホームページより転載
http://www.mlit.go.jp/report/interview/daijin110105.html

「様々な関係各方面、これはダムの建設反対、あるいは推進、それぞれの論点に立つ有識者の方々にも公正に御判断いただけるような枠組みを考えてまいりたいと思っております。
間違っても、国土交通省が自前で御用学者を集めたなどと言われることが無いようにしっかりと皆様方に公正性、透明性、客観性を持って御判断を頂ける材料を提示してまいりたいと、このように思っております。」

 馬淵前大臣の発言は、新たな有識者会議にダム反対の有識者も加えるものと受けとめられ、マスコミもそのように報じました。けれども、実際にはそうはなりませんでした。

 ダム検証の有識者会議は、一昨年に前原大臣の私的諮問機関として発足した「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」がありますが、この有識者会議は、河川官僚の抵抗によりダムに反対する有識者が選ばれなかったといわれます。ダム推進の有識者によって密室でダム推進に有利な結論を導き出したこの有識者会議は、大きな批判を浴びてきました。
 こうした経緯から、八ッ場あしたの会などの市民団体は、これまで利根川の基本高水の科学性に問題があるとしてきた有識者を新たに発足する有識者会議に加えるよう要請しました。

https://yamba-net.org/wp/modules/news/index.php?page=article&storyid=1117
「基本高水流量の再検証に関する要請書」(馬淵大臣宛 2011年1月11日)
 
 しかし、残念ながら、今回公表された有識者のメンバーには、私たちが推薦した有識者は入りませんでした。これまで利根川の基本高水の再検証を必要だと指摘してきた学者も見当たらないようです。
 今回も国交大臣は、河川官僚の要求に抗しきれなかったのでしょうか? 

 国交省は今回の人選を次のように説明しています。(上記ホームページより転載)

 国土交通省は、利根川水系の基本高水の検証を行うに当たり、客観性と中立性を確保するため、第三者的で独立性の高い学術的な機関として日本学術会議に河川流出モデル・基本高水の検証に関する学術的な評価を行っていただくよう、依頼しました。
 なお、同会議における審議に当たっては、透明性の確保に最大限努めていただくとともに、河川流出モデル・基本高水に関して知見を有する研究者等から広く意見を聴く措置を講じていただきますように、あわせてお願いしています。

—引用終わり

 国交省は権威のある団体に人選を依頼すれば、世論の批判をかわせると思ったのでしょうか? 問題は形式ではなく、発足する有識者会議の検証の中身であることは言うまでもありません。利根川の基本高水の検証は、利根川流域の首都圏住民にとって、また、今後の河川行政にとって重要な意味を持ちます。果たして本当に科学的、客観的な検証が行われるのか、注意深く見守る必要があります。

 日本学術会議のホームページには、有識者会議開催のお知らせが掲載されています。傍聴可能です。

 日本学術会議ホームページより転載
http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/bunya/doboku/giji-kihontakamizu.html

土木工学・建築学委員会 河川流出モデル・基本高水評価検討等分科会

1.日時 平成23 年1 月19 日(水)13:00~15:00
2.場所 日本学術会議6階 6-C(1)会議室
3.議題 1. 委員紹介、分科会主旨説明
2. 委員の決定(委員長、副委員長、幹事)
3. 利根川水系の流出・基本高水等説明および質疑
4.今後の予定
5.その他

日本学術会議
〒106-8555 
東京都港区六本木 7-22-34
TEL:03-3403-3793(代表)
(アクセス)
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