八ツ場ダムに227億円計上 6都県の11年度予算案

 八ッ場ダムはこのまま事業を続けた場合、現在の計画よりさらに事業費が増額になると国交省関東地方整備局が公表していますが、共同通信のアンケート調査によれば、八ッ場ダム推進を叫んでいる関係六都県は、増額される事業費の負担には応じない、とのことです。

 事業費が増額になるのは、民主党政権の検証に伴う事業の遅延のせいだから、都県が負担する必要はない、という理由ですが、この理屈は事実を歪曲しています。事業の遅延は、ダム検証のせいではなく、ダムの関連事業の遅延によるもので、ダムの関連事業は政権交代後もそれ以前と同様に実施され、関連工事の事業費も執行されているからです。

 事業費のさらなる増額は、2008年の三度目の計画変更(工期を2010年度から2015年度に延長)の時点で、事業の進ちょく状況や事業費の執行状況を見れば、当然予想されたことでした。この三度目の計画変更では、工期が2010年度から2015年度に5年も延長されたにも関わらず、事業費が増額されなかったからです。関係都県の議会では、野党議員らが国交省の説明を鵜呑みにして計画変更を受け入れる都県を追及しましたが、当局は何ら問題はない、という言い逃れを繰り返すばかりでした。
 東京都などは、これ以後の事業費増額は認められない、と言い切ったのですから、それ以後の計画変更に当たっては大義名分が必要でした。このところの国交省や関係都県の説明によれば、すべての責任は民主党政権にあるということになります。まるで政権が交代しなければ、工期の延長も事業費の増額もなかったかのようです。これほど都合のよい責任転嫁に国民が騙されるのであれば、官僚は笑いが止まらないでしょう。
 いずれにしても、ダム事業が継続すれば、矛盾がますます噴き出してくることは予想に難くありません。矛盾のツケを払わされるのは、ダムを推進する政官財ではなく、いつも地元や流域の住民です。

◆2011年2月19日 共同通信47ニュースより転載
http://www.47news.jp/CN/201102/CN2011021901000484.html

 -八ツ場ダム、建設費増額は拒否 流域6都県、遅延は国の責任―

 八ツ場ダム(群馬県長野原町)の建設を続けた場合に増額が見込まれる事業費について、流域6都県が増額分の負担を拒否する方針であることが19日、共同通信の調査で分かった。国土交通省は1月、建設の是非を検証する「検討の場」の幹事会で、建設中断や工期延長の影響で今後、事業費が人件費を中心に55億3千万円増えるとの試算を公表している。

 同ダムは、建設中止を掲げた民主党による政権発足に伴い、本体工事が凍結されている。国交省は今秋までに結論を出す方針だが、建設続行になった場合は増額分の費用負担が新たな問題として浮上しそうだ。

 共同通信が2月上旬、6都県の八ツ場ダム担当課を対象に行ったアンケートによると、茨城、栃木、埼玉、千葉、東京の5都県はいずれも増額分の負担を明確に拒否。群馬県は検証中を理由に「現時点で判断できない」としながらも「検証に伴う増加分は国が負担すべきだ」と答えた。

 拒否の理由として、東京は「国による建設中止方針の表明後、検証に伴う遅延で事業費が増えるなら、全て国の責任」と強調。埼玉も「ダム事業の再検証が原因で生じる事業費増額分について、都県が負担する必要性は認められない」とした。

◆2011年2月21日 共同通信47ニュースより転載
http://www.47news.jp/CN/201102/CN2011022101000417.html

 -八ツ場ダムに227億円計上 6都県の11年度予算案―

 八ツ場ダム(群馬県)の事業費を負担する6都県の2011年度予算案が21日までに出そろい、ダム関連予算として総額約227億円が計上された。10年度当初予算約229億円とほぼ同額。

 国はダム本体工事を凍結、事業内容を検証して今秋にも建設の是非を判断する考えだが、本体工事費を予算計上した県もあり、6都県側として建設続行を求める姿勢をアピールした形だ。

 都県別では群馬の97億円が最多で、埼玉55億円、東京42億円、千葉20億円、茨城13億円、栃木3500万円の順。直轄事業負担金や利水者負担金などを計上し、群馬、千葉などはダム本体の工事費も盛り込んだ。

 本体工事費の計上について群馬県の大沢正明知事は「(15年度までに完成との)基本計画は変更されておらず、予算を付けない方がおかしい」と強調。千葉県の森田健作知事も「ダムは治水、利水の両面から不可欠。生活再建事業はもとより必要な予算を計上していく」と話した。