わが国の脱ダム運動の行方ー八ッ場と川辺

 川辺川ダム(熊本県)の運動は、自然環境保護を訴える市民運動が流域住民の共感を得て実績を積んでいるのに、八ッ場ダムの運動は「治水」や「利水」の是非という、抽象的な議論が多くてわかりにくい、という批判をいただきます。
 確かに社会問題の情報があふれる中で、「わかり易い」ことはとても重要なことです。「わかり易く、しかも正確に」伝えることは、このホームページを立ち上げた目的でもありました。
 それにしても、八ッ場ダムにはあまりに多くの問題があり、このホームページの情報量でも、問題の一端を伝えているに過ぎません。ゴチャゴチャ言わずに、わかり易く簡潔に伝えられたら、と思うことがしばしばあります。
 その点、税金を資金源とした国交省の広報活動は、実にシンプルな情報を提供しています。「わかり易い」と言えなくもありませんが、知りたい情報が少なく、「正確さ」には多くの疑問符がつきます。
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 http://www.ktr.mlit.go.jp/yanba/
 国交省八ッ場ダム工事事務所のホームページ

 八ッ場ダムの流域住民は、利根川流域の一都五県の住民です。
 もちろん流域住民の中には、
 ・ダム計画によって良質で安全な水源である地下水が切られることに反対する住民運動、
 ・ダム予定地の名勝・吾妻渓谷の自然が破壊されることを残念がる声、
 ・このまま八ッ場ダム事業が進めば水没予定地住民が惨めな状況に追い込まれることを懸念する声

 などなどがあることは事実ですが、
 一般には漠然とした「利権まみれの公共事業」への批判はあるものの、漁民や農民など生活権を脅かされる住民が反対運動に立ち上がった川辺川ダムに比べれば、具体的な被害が目に見えにくいのは事実です。
 しかも、ダム事業によって生活権を脅かされているダム予定地では、国交省が実質的に地域の実権を握っているため、ダムによる地滑りの危険性、ダム湖観光による地域振興の絵空事を指摘する声は表に出ず、「このままダム事業が進まなければ住民も地域も立ち行かなくなる」というステレオタイプの脅迫が功を奏し、ダム推進ばかりが声高に叫ばれているのが現状です。
 
 八ッ場ダムに限ったことではありませんが、撮りやすい映像を流し、政局に動かされやすいマスコミの情報に接しているだけでは、コトの真相はなかなかわかりません。

 「抽象的」な議論をせざるをえない八ッ場ダムをめぐる厳しい状況について、ジャーナリストのまさのあつこさんがブログで解説しています。 ↓
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-30b2.html

 上記の(1)から(6)までの続き物です。
 八ッ場ダムの市民運動を川辺川や淀川の運動と比較することで、わが国の脱ダム運動の現状と進むべき道がわかり易く解き明かされています。