八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

2月24日衆議院予算委員会における佐田議員

 本欄では、2月4日、群馬選出の佐田玄一郎議員(自民党)による衆議院予算委員会の質疑を取り上げましたが、
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https://yamba-net.org/wp/modules/news/index.php?page=article&storyid=1151
「八ッ場ダム受益者による国会質問(衆院予算委員会)」

 2月24日、佐田議員が再び衆議院予算委員会で八ッ場ダムを取り上げ、大畠大臣に八ッ場ダム中止の撤回を迫りました。
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http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php
衆議院TV→画面左の2月のカレンダーで24日をクリック→佐田玄一郎(自由民主党・無所属の会)をクリック

 この質疑で佐田議員が手に掲げ、何度も言及したのが、有識者会議による「中間取りまとめ」です。これにのっとって八ッ場ダムを検証することを前提に追及していますが、八ッ場ダムの検証は、「中間取りまとめ」ではなく、「ダム事業の検証に係る検討に関する再評価実施要領細目」という長々しいタイトルを冠した文書にのっとって検証されることになっています。佐田議員は質疑に先立ち国交省にヒアリングを行っている筈ですが、事務方はこのことを伝えていないのでしょうか?

 「ダム事業の検証に係る検討に関する再評価実施要領細目」はこちらにアップされています。
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http://www.mlit.go.jp/common/000125234.pdf

 佐田議員は自信たっぷりに、八ッ場ダムの中止撤回を早急にすべきだと息巻き、背後では「そうだ、そうだ」という野党議員の声が飛び、佐田議員は質問時間をオーバーするほど勢いに乗りました。

 関連会社の看板がダム予定地のあちこちで見られる地元議員の質問ですから、ダム推進一色であるのは当然としても、八ッ場ダムという、多くの問題を抱えた事業についての国会での議論としては、哀しくなるほど表面的な内容でした。
 地元のためにダムを造るべきだと主張し、ダムの検証を行っている政権が地元に犠牲を強いていると批判していますが、ダム事業によって半世紀以上苦しんできた地元に対して、そしてまた、今後もダム事業が続くことによって積み重なる犠牲に対して、この議員はダム事業の受益者としてどう責任を負うのでしょうか?