2011年3月21日
八ッ場ダムをストップさせる東京の会が都知事選立候補者を対象に八ッ場ダムに関するアンケートを実施しました。
同会がまとめた回答結果を以下に転載します。
八ッ場ダムをストップさせる東京の会では、4月10日投票予定の東京都知事選の立候補予定者4名に「八ッ場ダム問題に関するアンケート調査」を実施しました。その結果を表にまとめましたので、投票の際に参考にしていただければと思います。(敬称略)
アンケートへの回答の有無は、以下の通りです。
回答あり:ドクター・中松 わたなべ美樹 小池あきら
回答なし:石原慎太郎
Q1 八ッ場ダムの建設中止について
○ドクター中松 中止に賛成
○わたなべ美樹 中止に反対
○小池あきら 中止に賛成
○石原慎太郎 無回答
Q2 中止に賛成の理由
〈 回答の選択肢 〉
(1) 水需要が減っていく時代になったので、八ッ場ダムの水源は必要ない
(2) 八ッ場ダムは洪水を防ぐ役には立たない
(3) 脆弱な地盤にダムを建設すると災害の危険性がある
(4) 吾妻渓谷などの自然環境を破壊する
(5) ダム予定地の地域社会を崩壊させる
(6) 税金の無駄づかい
(7)その他(具体的に)
○ドクター中松 1?6、7その他(下記)
関東の耶馬渓、国の名勝、天然記念物/ すぐに土砂で埋まる/故郷がダムに埋まるかもしれないとの苦痛、疲弊の長い歴史/精神的経済的損失
○小池あきら 1?6
Q3 中止に反対の理由
〈 回答の選択肢 〉
(1) 水道水源確保のために八ッ場ダムが必要
(2) 利根川の氾濫防止のために八ッ場ダムが必要
(3) 地元住民の生活再建のために八ッ場ダム事業を中止すべきでない
(4) 景気対策のためには八ッ場ダム建設工事を続行すべき
(5) その他(具体的に)
○わたなべ美樹 1?3
Q4 (中止に賛成の方への質問)中止後に必要と思われることは?
〈 回答の選択肢 〉
(1) ダム中止後の生活再建・地域再生支援法の制定
(2) 地元住民を中心とした新たな地域再建計画
(3) 地域再建事業への国と6都県の費用負担
(4) 地元住民への生活再建支援金(個別補償)
(5) 地元住民への精神的補償
(6) その他(具体的に)
○ドクター中松 1?5
○小池あきら 1?5
Q5 都水道局は今年1月に行った八ッ場ダム事業再評価に際して、最新データに基づく予測を行うことなく、前回の再評価時と同じ予測(2000年度までの実績による予測)を再度使用し、「八ッ場ダム事業は妥当である」という結論を出しているが?
〈 回答の選択肢 〉
(1) 最新データに基づき、実態に即した水需要予測をただちに実施するべき
(2) 水道局の判断を尊重するべき
(3) わからない
○ドクター中松1
○わたなべ美樹 2
○小池あきら1
Q6 八ッ場ダム問題に関する意見
○ドクター・中松(完全無所属)
アメリカの裁判所には「正義」と入口に掲げられています。「正義」が裁判の勝敗を決するからです。
国交省「八斗島地点毎秒2万2000?の大洪水」と、裁判中の「準備書面」の記述で群馬県、茨城県、千葉県が認め、国土交通省関東地方整備局も認めた「毎秒1万6750?」。私は都知事として、この違いを「正義」をもって検証し、「最新データ」に基づき、実態に即した水需要予測を直ちに実施させます。
○わたなべ美樹
水源の確保は都民にとっても、近隣県にとっても命の問題。代替案なき中止には賛成できない。
○小池あきら(革新都政をつくる会 無所属)
私は八ッ場ダム計画について、自民党政権時代から、治水・利水計画に大きな問題があり、反対してきました。建設を中止することは当然ですが、政策の転換にあたっては住民の方々の理解を得るために努力を尽くすことが必要です。
石原知事は“八ッ場ダムありき”で2011年度も42億円もの予算を盛り込んでいますが、私が都知事になりましたら、この予算の執行を停止し、徹底した治水・利水計画の総点検を国に求め、東京都としても独自に総点検と見直しを行います。
中止に伴う地域住民の皆さんの生活再建と地域再生に関する国の法律の制定を強く求めるとともに、八ッ場ダム事業の転換を実現するために、首都東京の知事にふさわしい役割をはたしていく決意です。
<候補者が発言してきたこと>
八ッ場ダムをストップさせる東京の会代表 深澤洋子
石原知事は、上記のとおりアンケートに回答しませんでしたが、一都五県知事の先頭に立って八ッ場ダム事業を推進してきたことから、立場は明白です。都議会で「水需要予測の実施を求める請願」が採択されたことも知らず、検証のために予測のやり直しをすればいい、と言いながら、すぐに前言を翻し、「請願に振り回されるわけにはいかない」などと議会軽視の発言をしています(2010年8月6日 知事会見)。また現地に対しても「土地収用法でやればよかった。心遣いで時間がかかりぎた」と非情な発言(2010年6月18日 朝日新聞)。東北大地震について「天罰」と表現したことを始め、差別と偏見に満ちた暴言の数々は、もっと広く知られるべきです。
下記のサイトをご活用下さい。
石原慎太郎暴言失言集 そのまとめ
http://matome.naver.jp/m/odai/2129161684892120001
一方、わたなべ美樹氏は、2010年12月6日付けのご本人のオフィシャルブログで「経営の現場で、ある程度までプロジェクトが進んでいるから最後まで突き進むといった判断は、ありえない。(中略)朝令暮改を恥じる必要はない。過去に縛られるのではなく、未来に生まれるであろう不利益を避けることこそ、重要なのだ。(中略)株主の視点として、私は前原さんの「八ッ場ダム建設中止」という判断を支持する。」(株主の視点から賛成する「八ッ場ダム中止」の判断)と書いていました 今回、その方針を180度変えたのは、なぜでしょうか?
↓
http://ameblo.jp/watanabemiki/entry-10412347910.html
地震と津波の恐るべき自然災害に加え、原発事故による放射能汚染という愚かしい人災に見舞われた私たちは、再び戦後を生きる、というほどの覚悟が求められています。八ッ場ダムのような無駄な公共事業に税金をつぎ込む余裕はない、そういう賢明な判断のできる都知事を選ばなくてはなりません。