◆2011年5月12日 東京新聞群馬版より転載
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20110512/CK2011051202000077.html
-八ッ場ダム 基本高水検証を延長 有識者会議 結論は来月中旬に―
八ッ場(やんば)ダム建設の根拠となっている利根川の最大流量(基本高水)を検証する有識者会議が十一日、東京都内で開かれた。検証作業の内容評価をまとめる時期について、目標の今月末より半月ほど遅い六月中旬ごろとすることが決まった。会議委員長の小池俊雄東大教授は「基本高水の新たな計算手法の検討を慎重に行うため」と説明している。
会議では、一九四七年のカスリーン台風並みの降雨を想定した場合に毎秒二万二千立方メートルとされている治水基準点・伊勢崎市八斗(やった)島の最大流量について、新たな手法で再計算した場合の数値が、ダムの是非に直結する可能性があるとして注目を集めている。
現段階で、国土交通省から再計算の値は示されていないが、小池教授は「国交省とは別に、有識者会議でも四七年のケースを再計算して、次回以降の会議で結果を比較検討する」としている。
国交省は、従来の基本高水の計算手法について、有識者会議が詳細な計算式の開示を求めたのに対し「当時の関係資料が確認されておらず、現時点では困難」と回答。現在の最大流量の数値が算出された根拠を完全には示していない。 (中根政人)
◆2011年5月12日 上毛新聞より転載
-基本高水流量の報告、来月中旬に 計算モデル変更で遅れ―
利根川で起こりうる最大規模の洪水の流量で、八ッ場ダム建設を含む河川整備方針の基礎データとなっている「基本高水流量」の妥当性を検証する日本学術会議分科会の第7回会合が11日、都内で開かれた。当初は今月下旬を目標に報告を出すとしていたが、計算モデルの変更が生じたため、小池俊雄委員長は「6月中旬ごろになる」との見解を示した。
国交省側が用いる予定だった基本高水の計算モデルが、会議での有識者の意見を踏まえた新たなモデルに変更された。これに伴い時間が必要となり、分科会報告のとりまとめ時期も先延ばしとなった。
小池委員長は報告の後に行う公開説明の場についても、「報告をまとめてからさらに1ケ月ほどは必要になる」としている。