東の八ッ場、西の大滝

2011年9月15日

 ダム事業の関係者の間では、「東の八ッ場、西の大滝」とか、「東の八ッ場、西の川辺」という言葉があったそうです。いずれもダム事業者である建設省(今は国交省)にとって、地元の反対が激しく手こずったダム計画の東西の横綱という意味です。
 「西の大滝」ダムは、民主党が2009年マニフェストに中止を掲げた八ッ場ダムや川辺川ダムほど有名ではありませんが、その迷走ぶりはダム本体工事着工後も続き、その後の経過は八ッ場ダムの将来を暗示していると言われます。

 大滝ダムは奈良県の川上村にあります。近畿地方最大規模といわれる大滝ダムは2002年にダム本体が完成したものの、試験湛水中にダム湖周辺に地滑りが発生し、住民が移転せざるをえない状況に追い込まれました。移転住民は国を相手に、地滑りは予見できた筈だと損害賠償を求める裁判を起こしましたが、国はなかなか責任を認めず、今年7月、大阪地裁が住民逆転勝訴の判決を下し、国交省近畿地方整備局はようやく誤りを認めました。
 https://yamba-net.org/wp/modules/news/index.php?page=article&storyid=1300

 この間、地滑り対策を行ってきた大滝ダムは、ダム本体完成後すでに10年が経とうというのに未だに運用できず、税金のブラックホールと化しています。
 今回の台風12号の大雨によって、この大滝ダム周辺で深層崩壊が発生し、大量の土砂が付け替え国道を破壊し、ダム湖に流入しました。

 9月9日に衆議院の災害対策特別委員会で宮本武志議員(共産党)がこの問題を取り上げた録画が衆議院のビデオライブラリーでご覧いただけます。
 ↓
 http://www.shugiintv.go.jp/jp/wmpdyna.asx?deli_id=41270&media_type=wb&lang=j&spkid=19698&time=02:53:03.2

 宮本議員のホームページより転載
 http://www.miyamoto-net.net/column2/diary/1315542567.html
 「台風12号災害を受けて開かれた災害特閉会中審査で質問に立つ」
 
 ・・・試験たん水から既に8年、ダム計画発表から50年、いまだにダムは水がためられない状況です。迫(さこ)地区では今回の土砂崩れ現場から3キロほど離れたところで地すべり対策工事が行われており、これはすでに完成しています。また大滝地区で行われてきた地すべり対策工事もほぼ9割がた終了していると聞きました。

 当初230億円だったダムの建設費は計画変更を繰り返すたびに膨れ上がり、ついにいまや3600億円を超えました。そして今回の台風で、これまでノーマークだったところが大規模に土砂崩れを起こしたのです。

 今日の私の質問に、国土交通省は、今回の迫地区の土砂崩れが、単なる表層崩れではなく、「深層崩壊」であることを認めました。そうなれば、このダムは引き続き徹底した調査と安全対策が必要だということになります。この先いったいどれだけの税金が必要になるのかわからない、このようなダムを建設してしまった責任は、いったい誰がとるのでしょうか。

—転載終わり—

 深層崩壊による大規模な土砂崩れの写真が掲載されている地方版
 http://mytown.asahi.com/nara/news.php?k_id=30000001109060002
 2011年9月6日 朝日新聞奈良県版 救助・避難 阻む土砂」

 台風12号による土砂災害は記録的な豪雨が引き金となっていますが、戦後の治山、治水が近年増えている集中豪雨に対応できていないという、より根深い問題も指摘されています。
 http://www.mituko-imai.com/page012.html
 今井光子県会議員(共産党)のホームページ