前田大臣の八ッ場ダム予定地視察

2011年10月9日
 9月に就任した前田武志国交大臣が昨日、八ッ場ダム予定地を視察しました。
 右翼の街宣車が「八ッ場ダム中止反対」を掲げる中、現地視察はわずか10分で終わり、現地の会場が別件でふさがっていることを理由に大臣と知事、町長との会談は、前橋の県庁で行われました。
 視察地点は川原湯地区の打越代替地と不動大橋(湖面2号橋)で、大臣視察の間、群馬県知事と長野原町長が「ダム湖観光による生活再建」を力説。本当に現地の人々の「生活再建」を真剣に考えるのであれば、知事と町長は生活再建の障害となっている様々な問題ー現在の川原湯温泉における観光業継続の困難、代替地の安全性、温泉街再建の厳しさ、鉄道や県道の付け替え工事の難航などを大臣に訴える筈ですが、案内をした国交省八ッ場ダム工事事務所も群馬県知事も長野原町長もダム事業推進にとって都合の悪い事実は伏せたままでした。
 一方、前田大臣は八ッ場ダム検証に、東日本大震災を踏まえた検証が必要とし、火山噴火がダム予定地に与える影響を検討するとしています。八ッ場ダム予定地は上流に浅間山、草津白根山という我が国有数の活火山を抱えています。浅間山の泥流は過去何度もダム予定地の吾妻川を流れ下っており、現地の地質、地形はこれら火山の影響を大きく受けています。

◆2011年10月9日 東京新聞群馬版
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20111009/CK2011100902000060.html

 -八ッ場ダム 国交相視察 長野原町長「早期判断を」ー

 八日に長野原町の八ッ場(やんば)ダム建設予定地を視察した前田武志国土交通相。県庁で開かれた大沢正明知事や地元首長らとの会談では、ダム建設の是非を検証する際、東日本大震災の教訓を生かす必要性を再三強調した。一方、同町の高山欣也町長らは検証を早急に済ませ、ダム本体工事に着手することを求めた。 (伊藤弘喜)

 会談には、県や長野原町、東吾妻町、国交省の関係者計約五十人が出席した。

 前田氏は「現地で特に温泉街が翻弄(ほんろう)されてきたのをつぶさに見た。本当にご迷惑をかけている」と陳謝。国交省の社会資本整備審議会が七月、震災を踏まえ「災害に上限はない」と提言したことを挙げ、「(震災の)教訓を受け止めなければならない」と述べた。

 これに対し、大沢知事は「秋までに最終判断するのか。東日本大震災を踏まえる検証には何が新たに加わるのか」などと質問。前田氏は「検証結果がどうであれ、平成二十四年度予算に反映させる。次官をトップとするタスクフォース(チーム)をつくった。これまでの枠組みの中で予断なき検証を進める」と応じた。

 高山町長は「この二年、苦渋の中で生活してきた。早急の判断を」と要請。東吾妻町の中沢恒喜町長は「政治家のメンツで国民を困らせてはならない」と強調した。

 会談後、前田氏は、地元住民を交えた座談会については「できればそういう機会が得られればいい」と前向きな姿勢を見せた。

 大沢知事は「非常に紳士的な対応だった。検証が延びる心配をしていたが、安心した。大臣を信じたい」と話した。

◆2011年10月9日 読売新聞群馬版
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20111008-OYT8T00957.htm

 -八ッ場 国交相「目標守りたい」ー

 八ッ場ダム(長野原町)の再検証を巡り、前田国土交通相は8日、初めて現地入りし、大沢知事らとの会談で「検証結果を来年度予算に反映させるため、最大限の努力をする」と確約した。これまでの発言から、建設継続か中止かの最終判断時期を、歴代国交相が約束した今秋から先延ばしするのではないかとの疑念を地元に抱かせていたが、払拭する姿勢を見せ、大沢知事らは一定の評価を示した。

 前田国交相は建設予定地を視察した後、県庁で会談に臨み、大沢知事、高山欣也・長野原町長、中沢恒喜・東吾妻町長らと顔を合わせた。

 冒頭、前田国交相は、政権交代から2年間、ダム建設が中断し、大臣交代が続いたことについて「心からおわび申し上げる」と謝罪。大沢知事は一方的な中止表明に抗議した後、〈1〉検証終了時期の遅れに対する懸念〈2〉東日本大震災を踏まえた新たな検証の中身――などを問いただした。

 高山町長は、ダム中止を表明した前原政調会長らが入る政府・民主三役会議が、国交相の頭越しに建設の可否を決める可能性について追及。10日に県内農業の視察に訪れる野田首相が、ダム建設予定地を素通りすることに対し、「決断に入る資格がない」と批判した。

 これに対し、前田国交相はまず、震災を踏まえた検証について、「自然の猛威を謙虚に受け止めなければならない。そうでないと(震災の教訓を)学んだことにならない」と指摘。検証の枠組みをつくった「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」で、想定を超える災害の影響について評価を受けるとし、「判断を遅らせようとしているとの疑念は無理もない。反省している」と釈明した。

 さらに新たな検証に「多少の時間は要する」と前置きした上で、「『秋までに』と前任者が言っているのは、検証結果がどうであれ、来年度予算に反映させるという意味。目標はしっかり守りたい」と強調。最終判断に党側の介入が懸念されていることに関しては、国交相が決めるという現在の検証の枠組みに沿って対応する方針を示した。

 会談後、大沢知事は「検証が延びる不安もあったが、安心した。大臣を信じている」と喜び、高山町長は「ある程度、疑念は晴れた。安心はしていないが、期待したい」と話した。

 一方、地元住民と国交相の対話は、昨年1月以来、途絶えたままだ。前田国交相は会談後の記者会見で、「出来ればその(車座集会)ような機会が得られればいい」と述べたが、視察では水没予定の川原湯温泉街をバスの車窓から見るだけ。

 温泉街で食堂「旬」を営む水出耕一さん(57)は「早いスピードで通り過ぎ、誰が乗っていたかも分からなかった。2年間で国交相は4人目だが、一人ひとり言うことが違う。一体どうなっているのか」と冷ややかに語った。

◆2011年10月9日 毎日新聞群馬版
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20111009ddlk10010090000c.html

 -八ッ場ダム建設:前田国交相、踏み込んだ発言なく 予定地を初視察 /群馬ー

 前田武志国土交通相は8日、八ッ場ダム建設予定地を初視察し、県庁で大沢正明知事や高山欣也長野原町長らとの会談に臨んだ。しかし今後の方針について「12年度予算に反映できるよう目標を守る」と述べただけで踏み込んだ発言はなく、事態打開に向けた糸口は示されなかった。

 政権交代以来、現地視察した国交相は4人目。前田国交相は会談の冒頭、「責任者が次々と代わり迷惑をかけている」と謝罪し「予断のない検証を重ねて結論を得るという立場は、先代の大臣と変わることはない」と述べた。

 これに対し、大沢知事は今後の日程について「前任者を踏襲して秋までに結論を出すのか」と質問。前田国交相は馬淵澄夫元国交相の発言を踏襲して「12年度予算に反映できるよう目標を守る。だらだらとやるものではない」と述べたが、具体的な期限については明言を避けた。

 また、高山町長は焦点になっている最終決定権限が国交相にあるのか「政府・民主三役会議」にあるのかただした。前田国交相は「検証スキームでは大臣が最終決定することになっており、私もそのつもりだ」と釈明した。ただし最終決定権限を巡る政府・民主党の意思統一が図られていないことについて言及はなかった。

 一方、大沢知事と高山町長はこの日の前田国交相の発言について一定の評価をした。前田国交相は就任当初、検証作業が遅れる可能性を示唆していたが、この日は12年度予算編成までという大枠を示したため、大沢知事は会談後、「疑念は晴れた」と話し、高山町長は「唯一の朗報だ」と述べた。【鳥井真平、奥山はるな】

◆2011年10月9日 朝日新聞群馬版
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000581110110001

 -現地で下車15分だけ 前田国交相が視察ー

 八ツ場ダムの建設問題で、前田武志国土交通相が8日、長野原町を現地視察した。民主党政権で4人目となる国交相だが、車から降りたのはわずか15分足らず。「私が判断する」「来年度予算に反映させるとの目標は守る」。前田国交相の言葉に、地元は半信半疑だ。

 8日午前10時半過ぎ。国交省の政務三役を乗せたマイクロバスが、ダムができれば水没する住民の新居が点在する長野原町の打越代替地に到着した。

 大沢正明知事は出迎えた高山欣也町長とともに、前田国交相にこう訴えた。「地元は60年近くダム問題に苦しんできて、どんどん住民が町外に出て行った。現状は、この通りです」

 省の工事事務所長は、関連工事の進み具合をパネルを示して説明した。

 だが、前田国交相がバスから降りたのは打越代替地の約10分と、代替地間を結ぶ不動大橋(湖面2号橋)近くの約5分だけ。旅館移転が進む川原湯温泉街などはバスで通り過ぎた。住民との対話はなかった。

 県庁での午後の意見交換。大沢知事は、建設是非の判断に、民主党内で党幹部が関与を求める動きがある点を取り上げ、最終判断の時期と主体を問いただした。

 前田国交相は、省地方整備局の検証では、大地震や噴火といった自然災害を踏まえた検討がなかったとして、事務次官を長とした新態勢をつくったことを説明。「多少の時間は要しますが、来年度予算に間に合うようにする」と述べた。会談後には「私どもが判断する」と確約した。

 意見交換の場に同席した長野原、東吾妻両町の町長や議長からも、早期の再検証終了と本体工事着手を求める意見が相次いだ。

 終了後、大沢知事は「来年度の予算編成に間に合わせるとの大臣の言葉を信じたい」と語った。

 だが、長野原町の高山町長は、10日に来県する野田佳彦首相が八ツ場を視察しないことを「民主党政権の関心度のあらわれだ」と批判した。「大臣にも期待と不安が半分ずつ。これまでも、だまされてきたから」(石川瀬里、小林誠一)

 前田国交相の足早の視察に、住民は怒り心頭だ。

 午前10時ごろ、前田国交相のバスが川原湯温泉街の坂道を走り去った。政権交代直後に「中止宣言」をした前原誠司氏以来、歴代の国交相も車窓からの視察だった。

 老舗旅館「山木館」の主人、樋田洋二さん(64)は宿を飾る蔓(つる)性植物「ツルウメモドキ」の手入れをしていた。昨秋に視察した馬淵澄夫元国交相には「八ツ場を忘れないで」との思いを込めて贈ったこともあった。「もう贈るべき相手もいない。地元の声なんて全く通らない」

 隣で「やまた旅館」を営む豊田拓司さん(59)は、前原氏の中止宣言に「ダム以外に将来の選択肢があることがわかった」と歓迎した一人だ。だが、2年間、地元は放置されたと感じている。「雲の上で政治家と官僚が勝手にやっているだけ」と話す。

 用地買収が始まる前は200世帯近くあった川原湯地区。最盛期には22軒の旅館があったが、水没地区に残るのは、5軒の旅館など10世帯を切った。人口は減り続けている。

 林地区の町田いち子さん(95)はこの日、仲間約10人とゲートボール場で軽い汗を流した。転居が進み、地域コミュニティーの崩壊が懸念される地区だ。「みんなと過ごすと楽しい。住民の結束が大切なことを知って欲しかった」

 民主党の言動に不信感を募らせていた長野原町議の星河由紀子さん(69)も「一日かけて町を回っても足りない。何も見ずに、判断できるのか」と短時間の視察に怒りが倍加したという。

 歴代国交相が「今秋」としてきた決断時期が遅れる雲行きなのも許せない。「住民との約束を何だと思っているのか」

 ダム建設に慎重な住民からも不満の声が漏れた。

 川原湯地区で牛乳販売業を営む豊田武夫さん(60)は「代替地の家のような、できた場所ばかり見ても仕方ない。ダムに疑問をもつ人の意見も、大臣は吸い上げて聞くべきだ」と話す。

 前田国交相は、住民の声を聞かないのかとの報道陣の質問に、「できれば、そういう機会が得られればいい」とのみ答えた。(泉野尚彦、木村浩之)

◆2011年10月9日 上毛新聞
http://www.jomo-news.co.jp/news/a/2011/10/09/news01.htm

 -八ツ場ダム結論、来年度予算に反映 国交相が視察ー 

 前田武志国土交通相は8日、長野原町の八ツ場ダム建設予定地を視察した後、県庁で大沢正明知事や高山欣也・長野原町長らと会談し、来年度政府予算案に反映できるようにダム建設の是非を決める検証の結論を出すと表明した。最終判断についても、従来の検証手順通りに国交相が決めることを強調。大沢知事らはダム建設を「最も有利」とした国交省関東地方整備局の総合評価を根拠に、早期のダム本体着工と地元の生活再建事業の完成を求めた。

◎早期着工求める 大沢知事

 前田氏は会談の冒頭、「地元の皆さんに多大な苦労とご迷惑をかけている。誠に申し訳なく、心からおわび申し上げる」と陳謝し、「なるべく早い時期に結論を出したい」と述べた。

 大沢知事は歴代国交相が結論を出す時期の目標に掲げてきた「今秋」について、前田氏が記者団に「前任者(前国交相)までの話」と遅れを示唆した点について真意を確認。前田氏は「(歴代国交相の)秋までにというのは来年度予算に反映させるという意味であり、その目標はしっかり守ってやっていきたい」と説明した。

 ただ、政府の来年度予算案は例年、年末に閣議決定されているが、前田氏は「何月までにという言い方はしない」と述べ、具体的な期日は示さなかった。

 高山町長は、国交相時代に中止表明した前原誠司・民主党政調会長らが入る「政府・民主三役会議」が最終判断に関与する可能性が浮上していることを「不安だ」と述べ、誰が最終判断するのか質問した。

 前田氏は国交省の有識者会議が定めたダム検証手順で国交相が最終判断するように規定されている点を強調し、「私もそのつもりでやる」と自分自身が判断する考えを示した。

 東日本大震災を受けて検証作業に追加した新工程については、「激烈な大災害、自然の猛威を検証に反映させる必要がある」と説明。大災害時にダムがもたらす影響などに関する資料や調査結果を集め、検証作業の中で有識者会議に評価してもらう方針を明らかにした。

 大沢知事は会談後、「来年度予算に間に合わせるとの返事に安心している」と記者団に話した。

 前田氏の建設予定地視察は就任後初めてで、奥田建副大臣、津川祥吾政務官らと川原湯地区の打越代替地と不動大橋(湖面2号橋)を訪れた。会談には東吾妻町の中沢恒喜町長や長野原、東吾妻両議会議長らも出席した。

 地元、期待と不安 「結論一日も早く」「翻弄しないで」 八ッ場、国交相が知事らと会談

 八ッ場ダム建設の是非を決める検証作業が大詰めを迎える中、前田武志国土交通相が8日、長野原町の建設予定地を視察、大沢正明知事や地元町長らと県庁で会談した。前田氏が会談で、来年度政府予算案に反映できるように結論を出すと表明したことに対し、地元住民からは「一日も早く結論を出して」と早期決断を求める声が上がった。

 高山欣也・長野原町長は会談後、ダムの早期着工・早期完成を求め要望書を前田氏に直接手渡した。高山町長は会談を振り返り「早く結論を出したいという前田大臣の気持ちは確認できた。いい結果を出してほしい」と大臣の決断による早期着工に期待を込めた。

 水没予定地の川原湯温泉で飲食店を経営する水出耕一さん(57)は「(民主党政権が)中止と言って、2年間ほったらかしにされてきた。秋に結論を出すといっていたのだから、来年度予算案に間に合わせるのは当然。これ以上翻弄しないでほしい」と切実な胸のうちを語った。八ッ場ダム水没関係五地区連合対策委員会の篠原憲一事務局長は「(ダム案を最も有利とした)総合評価の結果を尊重して、一日も早く結論を出してほしい」と注文をつけた。
 休業中の柏屋旅館社長、豊田幹雄さん(45)=同町川原湯=は、「これだけ(工事が)進んでいる状況を見れば、中止できないことが理解してもらえると思う」とけん制。地震で最終判断するとした前田氏の発言について「民主党に左右されないで、自分の意思で英断してほしい」と語った。

 川原畑八ッ場ダム現地再建対策委員会の野口貞夫委員長は、検証作業にパブリックコメントなどの手続きが残っていることを踏まえ「まだ楽観視はできない」と指摘。「ダムの建設が決まったとしても、来年度予算案に本当に間に合うのか心配」と首をかしげた。

 一方、ダムの建設見直しを訴える市民団体などからは、検証が不十分なままに結論を出す怖れを指摘する声が聞かれた。建設見直しを訴える市民団体「八ッ場あしたの会」の渡辺洋子事務局長は、前田氏が東日本大震災を踏まえた検証工程を追加した点を「評価できる」とした。しかし検証結果を来年度予算案に反映させるとの発言には「浅間山噴火の影響や大地震時の周辺の地滑りなど検証には相当の時間を要するはず。なおざりな検討にならないか不安」と疑問視した。

◆2011年10月9日 産経新聞群馬版
http://sankei.jp.msn.com/region/news/111008/gnm11100820410005-n1.htm

 -「信じたい」「信じられない」八ツ場ダム国交相視察に地元複雑ー

 八ツ場ダム(長野原町)建設予定地を初視察した前田武志国土交通相は8日、東日本大震災を踏まえた検証作業を新たに実施したうえで、自身が近く建設の要否について最終判断することを改めて表明した。ただ、前田氏は年末をめどに結論を出す意向を示し、歴代国交相の方針より遅れることが必至となった。地元首長らは「(前田氏を)信じたい」と期待する一方、地元住民からは「本当に前田大臣が決めるのか、信用できない」と疑問視する声も上がった。

 前田氏はこの日、水没予定地の住民が移転を進めている代替地や、ダム湖を渡す予定の不動大橋(湖面2号橋)などを視察。その後大沢正明知事らと県庁で会談した前田氏は「政権交代以来、地元に迷惑をかけ、おわび申し上げる」と述べ、政権交代後2年にわたりダム建設が留保されていることを陳謝した。

 会談では、同省関東地方整備局が9月、ダム建設案がコスト面などで代替案より「最も有利」と評価したことを受け、地元首長からダムの早期建設を求める意見や質問が集中した。

 大沢知事は「(今秋までに検証を完了させるという)大畠(章宏前)大臣との約束は踏襲されるのか」と疑問視。また、長野原町の高山欣也町長は、前原誠司・民主党政調会長らによる政府・民主党三役会議でダム建設の要否を最終判断する可能性が浮上したことに触れ、「非常に不安になった」と訴えた。

 こうした地元首長の指摘に対し、前田氏は「今までの検証の枠組みはしっかり引き継ぐ」と強調し、自身が最終判断することを改めて表明。さらに、ダムの安全性を検討するため、国交省事務次官をトップとする専門家チームを発足させ、噴火などの大災害を想定した検証作業を新たに実施することを明らかにした。

 ただ、歴代国交相は今秋までに建設の要否について結論を出す考えを示していたのに対し、前田氏は「来年度予算に反映させるため、最大限努力する」と述べるにとどめた。会談後の記者会見では「いつまでとは申し上げないが、常識的な限度はある」と述べた。

 会談後、大沢知事は最終判断の時期について「(前田氏の発言を)信じたい」と記者団に述べた。一方、政権交代後2年で国交相が4人替わったことについては「政権自体に問題があるのではないか」と批判した。

 一方、水没予定地の川原湯温泉で老舗旅館「山木館」を営む樋田洋二さんは、前田国交相について「早くダム建設を決めてほしいが、本当に大臣が結論を出すのか疑問だ。次々と大臣が替わって、もううんざりだ」と疲れた様子で語った。