産経新聞による八ッ場ダムアンケート

2011年11月14日

 前田武志国交大臣が八ッ場ダム建設の是非について今年中に結論を出すといわれる中、産経新聞がアンケート調査を11月3日~8日までの期間で行いました。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/111103/trd11110322230017-n1.htm

 アンケート結果が産経新聞のサイトに掲載されています。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111111/plc11111108070007-n1.htm

 産経新聞の読者は保守層が多いといわれます。「建設再開支持が53%」というタイトルから、半数以上が八ッ場ダムの建設を望んでいるようにも受け取れますが、「4600億円とされる総事業費は費用対効果がありますか」との問いには、過半数の54%が「NO」と答えているという矛盾した結果が出ています。
 また、このアンケートに答えた人数は2458人で、男性2278人、女性180人となっています。一般のアンケートで男女比にこれほど開きがあることはまずなく、八ッ場ダム問題への関心も、女性の方が男性より劣るということはありません。
 以下に、記事を転載します。

◆2011年11月11日 産経新聞

テーマ「八ツ場ダム」 建設再開支持が53%

「八ツ場(やんば)ダム」について、8日までに2458人(男性2278人、女性180人)から回答がありました。

「建設再開を支持するか」については「YES」が53%で不支持を上回りました。「『建設中止』とした民主党のマニフェストは適切だったと思うか」は「思わない」が55%と半数を超え、「4600億円とされる総事業費は費用対効果があるか」については「NO」が54%となりました。


(1)建設再開を支持するか

53%←YES N O→47%

(2)「建設中止」とした民主党のマニフェストは適切だったと思うか

45%←YES N O→55%

(3)4600億円とされる総事業費は費用対効果があるか

46%←YES N O→54%

○担う役割大きい

京都・男性農業(63)「農業用水の確保や災害防止上、ダムの担う役割は大きく、都市部の水源確保にとっても重要な位置を占める。東京には関係がないから(?)不必要という民主党の論理が不遜で未熟」

東京・男性会社員(35)「公共事業=悪というレッテル貼りはもう通用しない。災害大国のわが国では、公共事業の重要性をきちんと説明すべきで、それは政治だけでなくメディアも同じ」

三重・男性アルバイト(68)「政治家の思い付きで突然ストップというのは、あまりにも幼稚な政治状態。沖縄の基地問題のような国際的なことについては民意尊重、八ツ場ダムのような国内問題には政治判断で民意無視、というのは本末転倒である」

東京・女性公務員(25)「民主党には政治理念や哲学は皆無。その行動の動機は反自民。国民の利益など彼らの念頭にはない」

神奈川・男性無職(71)「第三者評価が『続行メリット大』と結論しており、これに従うべきだ。ただ、ダムが地域安全と環境に配慮したのか評価内容をもっと公に提示すべきだ」

○地域活性化は無理

群馬・女性会社員(29)「無駄に使うくらいなら復興に回せ。液状化とか地滑りし続けている土地にいる人たちの移転費とか住居費とかにすればいい」

岩手・男性自営業(58)「ダム建設により川の水温が低下する。このため、それまでに生息していた小魚などがいなくなってしまい、生態系の破壊が進行してしまう。岩手県の雫石川(しずくいしがわ)流域がそうなってしまった。地域住民への恩恵は何があるのか」

栃木・男性団体職員(64)「大震災に見られるように全ての災害を未然に防ぐ施設の建設は不可能である。ダム本体工事は中止し付帯工事のみとすべきだ。昔の景観を壊し、ダムを使って地域活性化はできない」

高知・女性アルバイト(30)「町民感情に配慮して税金を垂れ流しているだけ。ダム計画は最悪な環境破壊」

福岡・男性会社員(55)「しがらみがあって建設を押し切られているように感じる。建設に費用を使う余裕はない状況であって、税金だから自分のお金ではないようなふうに思う無駄遣いは間違いである」

【用語解説】八ツ場ダム
 利根川下流域の洪水防止や利水などを目的として群馬県長野原町に計画されている高さ116メートルのダムで、総事業費では日本一高いダムとされています。水没地区の住民が移転するための代替地造成工事は進んでいますが、平成21年に前原誠司国土交通相(当時)が建設凍結を表明し、本体工事に入る前段階でストップしています。建設を再開しても、ダムの完成は7年以上先になる見通しです。