八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

八ッ場ダム院内集会で厳しい状況報告

◆2011年11月17日 毎日新聞群馬版
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20111117ddlk10010222000c.html

 -八ッ場ダム建設:中止「厳しい状況」 国会議員ら東京で集会、劣勢の認識多く /群馬 ー

 「八ッ場ダムを考える1都5県議会議員の会」などダム建設中止を求める団体は16日、東京・永田町の参院議員会館で緊急集会を開いた。

 国会議員や市民団体のメンバーなど58人が参加。民主党の八ッ場ダム生活再建議連会長を務める川内博史衆院議員(鹿児島1区)は、ダム建設中止を目指す動きについて「大変厳しい状況にある」と報告し、劣勢との認識を示した。

 国土交通省関東地方整備局が「ダム建設がもっとも有利」とする報告書素案をまとめたことを受け、川内衆院議員は「(民主党の)政務三役も必死に頑張っているが、包囲網を敷かれて、今や風前の灯火の中で何とかろうそくの火を守っている状況だ」と述べた。

 また、来週には同整備局から、ダム建設に向けた報告書が国交省に上がる可能性を指摘した。

 一方、集会に参加した三宅雪子衆院議員(比例北関東)は「八ッ場は無駄の象徴だが、野党につけいるすきを与えてしまった」と発言。宮崎岳志衆院議員(群馬1区)は「状況が思うに任せない部分もある」と述べ、いずれも現状認識は厳しいとの見方を示した。

 1都5県議会議員の会の会長を務める角倉邦良県議は「政権交代で中止が決まったと思っていたが、いつの間にか再開するという流れが作られそうだ。今までの頑張りを無にしてはならない」と述べ、今後も国会議員への働きかけなどを行う方針を確認した。【奥山はるな】

◆2011年11月17日 朝日新聞群馬版 
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000581111170001

 -「八ツ場中止厳しい」 見直し議連会長発言ー

 八ツ場ダムの再検証で、建設中止を目指す「八ツ場ダム等の地元住民の生活再建を考える議員連盟」会長の川内博史衆院議員(鹿児島1区)は16日、「諦めたら終わりだが、現状は厳しい」と発言した。

 東京・永田町で開かれた「八ツ場ダムを考える1都5県議会議員の会」と市民団体「八ツ場あしたの会」共催の緊急集会で述べた。

 川内会長は、自身が得た情報として「来週には(国土交通省)関東地方整備局の対応方針が本省にあがる。本省は有識者会議を形だけ開き、ダムを造ろうとするだろう」との見通しを紹介。「包囲網を敷かれ、ダム反対勢力は風前のともしびだ」と、都県議や市民団体メンバーら約70人に現状を報告をした。

 取材に応じた川内議員によると、党の国土交通部門会議で、八ツ場に関するワーキングチームを設ける案が浮上したが、「申請から約1カ月間たなざらしにされた」という。2009年9月に国交相として「中止宣言」した前原誠司政調会長からも協力を得られず、部門会議に八ツ場ダム問題分科会を設置することになった。「不本意だが、建設を追認する流れになっている」と話した。

 分科会は18日に初会合。検討結果は、前田武志・国土交通相の建設是非の最終判断に影響しそうだ。民主党のこうした状況に、見直し派は危機感を募らせる。

 この日の緊急集会で、民主党の宮崎岳志衆院議員(群馬1区)は「県選出の民主党国会議員は八ツ場に関して全員反対だ。浅間山の噴火、代替地の安全性が検証されていない」と主張。三宅雪子衆院議員(比例北関東)も「民主党はマニフェストを曲げることに慣れてしまったが、八ツ場は許されない」と話した。

 全国の学者100人超が賛同する「ダム検証のあり方を問う科学者の会」は18日、国交相の諮問機関「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」に公開討論を申し入れる。議員の会、あしたの会は28日、国会議員に対し、中止に向けた「最終要請」をする。(小林誠一、石川瀬里)

◆2011年11月17日 東京新聞群馬版 
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20111117/CK2011111702000068.html

 -八ッ場ダム「政権公約通り中止に」 民主国会議員ら都内で集会ー

 八ッ場(やんば)ダム(長野原町)の建設中止を求める国会議員や県議、市民らの集会が十六日、参議院議員会館(東京)で開かれた。参加した民主党議員は、党が国土交通部門会議の下に設置を決めた「八ッ場ダム問題分科会」への注目を呼び掛けた。

 集会には国会議員十人、一都五県の都県議十四人を含む約六十人が参加。県内選出では宮崎岳志、三宅雪子両衆院議員のほか角倉邦良、伊藤祐司、阿部知世の三県議が出席した。

 集会で、宮崎氏は「半世紀、こじれにこじれた問題を中途半端で終わらせたらどこかで壁にぶち当たる」と指摘。三宅氏は「(八ッ場ダム問題で)野党に付け入る隙を与えてしまったことを反省している」と語った。

 「八ッ場ダム等の地元住民の生活再建を考える議員連盟」の会長、川内博史衆院議員も駆け付け、「ダムの必要性は理論的にまったくないが包囲網が敷かれ、風前のともしび。非常に厳しい状況だ」と悲壮感を漂わせた。

 席上、八ッ場ダム問題分科会の初回が十八日に開催されることが明かされ、大河原雅子参院議員は「(前田武志)国交大臣の判断の前に党としての考えをきちんと反映させ、マニフェスト通り(中止)にさせたい」と力説した。 (伊藤弘喜)