福島のダムによる水害

2012年1月13日

 八ッ場ダムは水害被害の軽減が主目的とされています。ダム建設が既得権益の維持として行政をあげて推進されているわが国では、原発と同様、ダムのマイナス面は殆どマスコミで取り上げられることがありません。けれども、ダムが水害被害を拡大させる事例はしばしば起こっています。

 福島県は現在、原発事故により主に海沿いで大きな犠牲を強いられていますが、山側では昨年7月の豪雨でダムによる水害で多大な被害を蒙りました。このほど被災した福島県金山町の住民らが「被災者の会」を設立することになりました。
 只見川は水力発電ダムが段々畑のように続き、”ダム銀座”ともいわれます。東日本大震災や放射能汚染という古今未曾有の災害が起こってしまった今、福島県の水害は中央メディアでは殆ど取り上げられていません。
 福島県の水害被災者の方からあしたの会のホームページへメッセージが届いていますので、記事と合わせてお伝えします。

◆2012年1月12日 河北新報
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/01/20120112t63013.htm

 -只見川水害はダム災害 被災者の会設立へ 福島・金山ー

 昨年7月の新潟・福島豪雨で被災した福島県金山町の住民が「被災者の会」を設立することが11日、分かった。

 「只見川の水害は人為的なダム災害だ」と主張し、水力発電用のダムを設置している電源開発や東北電力、国などの責任を明らかにするよう求める。豪雨では只見川流域の住民に大きな被害が出たが、被災者の会の設立は初めて。

 会の発起人によると、約100人が参加して14日に「只見川ダム災害金山町被災者の会」(仮称)を設立する。

 豪雨による只見川の氾濫などで、金山町では住宅など約250棟が浸水したり、橋が流失したりする被害を受けた。

 住民側は「洪水調整機能のない発電専用のダム群が只見川に設置されるまで、家屋浸水などは全くなかった。人為的な災害だ」と主張。河川を管理する国や県の責任も問い、家屋や農地の補償、水害防止策などを求める。

 発起人の一人で元金山町長の斎藤勇一さん(72)は「なぜ災害が起きたのか原因を究明してほしい。そうでないと、安心して暮らせない」と訴える。上流の只見町でも、被災者の会結成の準備が進められているという。

 昨年の水害について地元では以前から、水力発電所のダムの放流を疑問視する声が上がっていたが、電源開発と東北電力は「問題はなかった」との見解を示している。

 金山町には電源開発と東北電力の計5カ所の水力発電所があり、このうち3カ所にダムがある。いずれも豪雨で被災し、運転を停止している。さらに上流にも5カ所のダムがある。

◆被災者からのメッセージ(2011年9月22日付)

 私は7月29日新潟福島豪雨で被災しました。金山町に住んでおりましたが、その夜は、濁流の只見川の轟音のみが聞こえ、避難先の高台の友人宅で、停電で何も見えない中、水位を心配しながら過ごしました。近くの本名ダムが決壊の恐れもあり、橋は流され、鉄橋も流されました。
 金山町のダムは、水門が壊れて開いたまま、只見町のダムでは今も亀裂が入ったままです。私が住んでいた家も一階が全部浸水し、住めなくなりました。近所の方で、一人暮らしをしていた高齢者の方も引っ越したそうです。ダムが近くにある限りは、また水害に遭うかもしれないからということです。
 豪雨災害の後、全国から多くの方々がボランティアに来て下さいました。
被災者の殆どが高齢者だったこともあり、私達みんな感謝の気持ちで一杯でした。その中には、福島第一原発事故で避難中の方々も来て下さいました。まさに津波の爪痕と同じような光景だと、おっしゃった方もいました。それほど、ダムによる水害もひどいのです。

 台風12号、15号でも、様々な地域で大きな被害がでていますが、その度に、ダム決壊の危険性の中、地元民は過ごさなければなりません。
 数ヶ月前、東北電力の方が仕事場にいらした時、ダム決壊やダムによる大災害は想定しておりませんとおっしゃっていました。
 しかし、起こりました。

 そこに住む者が経済的に恩恵を受けられる点はダムも原発も同じでしょう。そして、一度事故が起これば、命にかかわる事故へとつながることも同じです。
 原発、大規模ダムと大規模水力発電、これを止めない限りは、日本の未来はありません。今後またどんな自然災害や人災が起こるかわかりません。今、そんなリスクを負う世界をストップする時だと思います。