八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

利根川河川整備計画の策定に反対派を

 原発問題では、福島原発事故以降、行政にお墨付きを与えてきただけの御用学者の存在がクローズアップされ、反対派の識者も委員会に登用される動きが出てきました。しかし、ダム問題では、行政の御用委員会は手つかずのままです。

 昨年暮れに前田国交大臣が「八ッ場ダム再開」を表明したのも、御用学者らからなる”有識者会議”のお墨付きを得た結果でした。
 前田大臣が表明し、国交省が目指す八ッ場ダムの本体着工には、利根川の河川整備計画の策定というハードルがあります。利根川の河川整備計画に八ッ場ダム計画を位置づけるためには、”有識者会議”のお墨付きが必要です。
 八ッ場ダムの再開に反対してきた民主党の国会議員らは、利根川の河川整備計画を策定するための”有識者会議”に、ダムに反対してきた識者らを入れ、公開で会議を開くよう求めています。民主主義の国では当たり前のことを要求しているにすぎませんが、河川行政が官僚に支配されているわが国では、こうした要請すら簡単には実現しません。
 利根川の河川整備計画は、利根川流域住民の将来に大きな影響を及ぼすもので、八ッ場ダムだけでなく、流域の様々な問題が河川整備計画に関係していますから、合意形成を図るという本来の趣旨からすれば、策定作業に2~3年はかかります。けれども国交省は、八ッ場ダムの本体工事に少しでも早く着工するために、拙速に河川整備計画を策定しようとしています。このままでは、利根川流域の首都圏住民の多くが何も知らないうちに、流域の人々と川とのあり方が方向づけられてしまいます。

◆2012年2月13日 共同通信
http://www.47news.jp/CN/201202/CN2012021301002162.html

 -国交省の有識者会議は全員解任を 八ツ場ダムで民主議連ー

 八ツ場ダム(群馬県)建設の条件として、政府と民主党が策定を確認した利根川水系の河川整備計画について、ダム建設に反対する同党の議員連盟は13日、策定にかかわる国土交通省の有識者会議の委員を全員解任し、建設反対派を含めて人選し直すよう前原誠司政調会長に申し入れた。

 議連会長の川内博史衆院議員は「現在の委員はダム建設推進派ばかり。客観性や公平性を担保する必要がある」と指摘している。

 国会内で前原氏と会談した議連メンバーは、八ツ場ダムの治水・利水の効果を疑問視している京都大の今本博健名誉教授ら専門家10人の名簿を提出。委員の半数以上を名簿から選ぶよう求めた。

◆2012年2月13日 産経新聞 
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120213/plc12021318470007-n1.htm

 -八ツ場ダム存廃で民主議連が再審議要請 「国交省会議は推進派ばかり」ー

 八ツ場ダム(群馬県)建設の条件として、政府と民主党が策定を確認した利根川水系の河川整備計画について、ダム建設に反対する同党の議員連盟は13日、策定にかかわる国土交通省の有識者会議の委員を全員解任し、建設反対派を含めて人選し直すよう前原誠司政調会長に申し入れた。

 議連会長の川内博史衆院議員は「現在の委員はダム建設推進派ばかり。客観性や公平性を担保する必要がある」と指摘している。

 国会内で前原氏と会談した議連メンバーは、八ツ場ダムの治水・利水の効果を疑問視している京都大の今本博健名誉教授ら専門家10人の名簿を提出。委員の半数以上を名簿から選ぶよう求めた。前原氏は「官房長官に伝える」と応じた。

 議連側は「ダム建設が予定される利根川水系の河川整備計画を策定する際、治水の根拠となる川の最大流量などをきちんと検証すれば、不要なことが証明される」と主張している。

◆2012年2月10日 朝日新聞

 -八ッ場ダムの事前協議要請 前原氏、官房長官にー

 民主党の前原誠司政調会長は9日、八ッ場ダム(群馬県長野原町)建設再開の前提となる「利根川水系の河川整備計画の早期策定」をめぐり、会議の設置と人選で党と事前協議するよう藤村修官房長官に申し入れた。藤村氏は「国土交通相に必ず伝える」と応じた。
 申し入れでは「(八ッ場ダム)継続反対派の専門家や住民の参加を求めるとともに、議事内容を公開することが必要」とした。

◆2012年2月10日 朝日新聞群馬版

 ー「反対派も入れる」 利根川水系の整備計画会議 前原氏が明言ー

 利根川水系の河川整備計画をつくる会議には反対派の専門かも入れるー。八ッ場ダム問題について、民主党の前原誠司政調会長は9日、会見で明言した。
 政府は河川整備計画を建設再開の前提としているだけに、実現すれば賛否両派の「論戦」の場となるが、推進派からは反発も予想される。
 利根川水系の河川整備計画は、国交省関東地方整備局が2006年11月から策定作業を始めたが、09年の政権交代で作業が中断。一方で、昨年末の政府の建設再開表明直前、藤村修官房長官が示した裁定では早期策定が盛り込まれた。
 前原氏によると、9日、策定作業を進める会議について、官房長官に「継続反対派の専門家や住民の参加を求める」と要望。官房長官は「国土交通相に必ず伝える」と応じたとしている。さらに、党の国土交通部門会議でも1月下旬に見直し派の国会議員が前田武志国交相に直訴。国交相は「前向きに検討したい」と答えたという。

◆2012年2月10日 読売新聞群馬版

 -河川整備計画の策定「反対派加え議論を」 民主・前原氏申し入れー

 建設継続が決まった八ッ場ダム(長野原町)を巡り、民主党の前原誠司政調会長は9日、ダム本体着工の前提となる利根川水系の河川整備計画策定に際し、建設反対派の専門家や住民も議論の場に加えるよう藤村官房長官に文書で申し入れた。官房長官は前田国土交通相に要望を伝えると回答したという。
 昨年末、官房長官は、本体工事再開に反対していた民主党側を説得するため、河川整備計画策定と、ダム建設が中止になった場合の生活再建法案の通常国会提出を、本体工事の予算執行の条件とする裁定案を示し、党側も了承していた。
 前原政調会長はこれまで建設再開に反対してきたが、同日の定例記者会見では、申し入れの狙いについて、「河川整備計画をつくるにあたり、改正河川法は住民参加を位置付けている。多くの人々の議論に耐える計画をつくっていただきたい」と述べるにとどめた。

◆2012年2月9日 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120209/t10015915641000.html

 -前原氏 給与削減で早期合意をー

 民主党の前原政策調査会長は、記者会見で、国家公務員の給与削減を巡る自民、公明両党との協議について、政策責任者で詰めの調整を行い、来月1日からの人事院勧告の実施に向けて速やかに合意を図りたいという考えを示しました。  ~中略~

  これに先だって、前原氏は藤村官房長官と会談し、去年、群馬県の八ッ場ダムの建設継続を決めたことに関連し、藤村官房長官の裁定で示された利根川水系に関わる河川整備計画の策定に当たっては、計画を議論する会議に建設継続に反対する住民らを加えるよう求めました。
 これに対し、藤村長官は「前田国土交通大臣に必ず伝える」と述べました。