八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

2/23八ッ場ダム抗議集会の集会アピール

 昨日の八ッ場ダム抗議集会の集会アピールを全文掲載します。
 なお、集会の案内はこちらに掲載しています。
 https://yamba-net.org/wp/modules/news/index.php?page=article&storyid=1559

~~~~~~~~~~~~~~~
 集会宣言

 政府は、昨年12月末にムダな公共事業の象徴である「八ッ場ダム建設再開」を決定し、その他のダム、高速道路、リニアなどの予算や計画も次々と復活・承認してきました。「コンクリートから人へ」など多くの公約を無視して増税を目指す政府に、国民の怒りは頂点に達しています。

 事業復活や原発再稼働の動きの背景には、河川ムラ・原子力ムラに象徴される利権構造があります。その一翼をにない、事業にお墨付きを与えてきたのが、いわゆる御用学者から成る諮問機関です。原発やダム等の現地・予定地では、反対勢力を押しつぶすために、国家権力が長年、アメとムチを駆使し、地域経済、地縁・血縁の中で反対の声を容易に上げられない抑圧的な社会をつくってきました。

 私たちは、国民の血税を一部の人々の利益のために吸い上げるこうした仕組みを根本から改革することが不可欠であると考えます。事業の妥当性を厳しくチェックすべき体制を整えない限り、有害無益な事業を止めることはできません。

 八ッ場ダム本体工事の予算執行については、二つの前提条件が付けられました。利根川水系河川整備計画の策定とその目標流量の検証、及び「ダム中止後の生活再建支援法」の今通常国会への提出です。河川整備計画策定に関わる有識者会議が公正に設置・運営され、住民の意見を反映することが、ダムによらない治水計画の策定につながります。また、生活再建支援法は、政策転換による地元住民への影響を軽減させる重要な法律です。
そのような問題認識に基づき、私たちは次の事項の実現を求めます。

1  大型公共事業の予算削除等
(1) 八ッ場ダム本体工事の予算削除、長崎県・石木ダム、山形県・最上小国川ダムなどの問題ダム事業の予算削除
(2)泡瀬干潟など湿地干潟埋め立て事業の予算削除、諫早湾常時開門の早期実施
(3)40年間建設しなかった東京外環道路、国定公園高尾山を破壊する圏央道、その他都市計画道路など大型道路建設の予算削除
(4)原発の再稼働中止および核燃料サイクルからの撤退

2  事業検証等のあり方の抜本的な改善
(1) 公共事業の是非を、結論ありきではなく、ゼロベースで検証すること。
(2) 事業に批判的な専門家・住民が半数参加した検証委員会を設置し、利益相反委員を排除すること。
(3) 検証委員会の会議はすべて公開し、傍聴者に発言の機会を保証すること。
(4) 検証委員会の事務局は事業者ではなく第三者とし、検証委員会の指示に基づいて運営すること。
(5) 検証が完了するまで、検証対象事業の工事を凍結すること。

3 利根川水系河川整備計画の策定における、先駆的事例「淀川水系流域委員会方式」を基本にした専門家と住民混成の有識者会議の開催。

4 八ッ場ダムをはじめ、地元住民の生活再建に真に資する「ダム中止後の生活再建支援法」の早期成立。

 以上、本日の集会に賛同するすべての団体の総意としてここに宣言する。

 2012年2月23日
「八ッ場ダム建設再開は許さない!! Part2 ~原発・ダム・道路・干拓・・利権集団(ムラ)を肥やす予算にSTOPだ!~」参加者一同

 緊急抗議集会「八ッ場ダム建設再開は許さない!!」実行委員会
  構成団体:八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会、八ッ場あしたの会、ダム検証のあり方を問う科学者の会、
       全国自然保護連合、ラムサール・ネットワーク日本、道路住民運動全国連絡会
       水源開発問題全国連絡会、外環道7区市ネットワーク(外環ネット)、原子力資料情報室

 賛同団体108団体