八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

群馬県議会による国交省ヒアリング

 昨日、群馬県議会が国交省関東地方整備局を訪ね、八ッ場ダムについてのヒアリングを実施しました。八ッ場ダム対策特別委員会に所属する県議らはあらかじめ質問項目を提出し、国交省は回答を準備してこのヒアリングに臨んだということです。
 このヒアリングに関する記事が今朝の地元紙の一面に掲載されています。タイトルになっている92%移転完了はすでに3月の県議会で明らかにされ、他紙で報道されていることです。その他の質問事項については、国交省の回答は曖昧であったようです。八ッ場ダムの今後の見通しが不透明であることは、起業者である国交省が最もよく認識しているはずです。
 質疑では、八ッ場ダムの安全性の問題も取り上げられたとのことです。八ッ場ダム見直し派の県議からは、一般の地元住民へ説明会を開くよう求める意見が出されたと記事にありますが、国交省の回答は歯切れの悪いものであったようです。
 ヒアリングの内容は八ッ場ダムに関する重要な情報ですので、議事録を公開するべきですが、自民党は八ッ場ダム対策特別委員会の議事録公開すら反対していますので、ヒアリングの議事録も非公開でしょうか。

◆2012年4月24日 上毛新聞一面より

 ー92%の移転完了 八ッ場ダム水没地区ー

 県議会八ッ場ダム対策特別委員会は23日、国土交通省関東地方整備局(さいたま市)を訪れ、八ッ場ダム(長野原町)建設事業の進捗状況や今後の見通しについて説明を受けた。3月末時点で用地456㌶のうち88%の402㌶の買収が済み、水没や道路の付け替えなどで移転の対象となっている470世帯のうち92%の433世帯が移転したことが報告された。
 焦点の建設再開条件の一つ、利根川水系河川整備計画の策定時期について、整備局は「本省と相談し、進め方を検討している」段階として明言しなかった。
 JR吾妻線の付け替え部分10.4㌔は100%着工したが、新駅の完成や開通の時期については明らかにしなかった。
 自民の萩原渉氏は地滑り対策や工期の遅れで約200億円の費用増加が見込まれていることから、「地元の負担増がないようにしてほしい」と要望。整備局は「工期短縮とコスト削減に最大限努力する」とした。
 リベラル群馬の角倉邦良氏は「安全対策を最優先するべきだ」と指摘した上で、地滑り対策などについて早急に地元向け説明会を開くことを求めた。