八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

「利根川・江戸川河川整備計画」 関係都県会議

2012年9月26日

 「利根川・江戸川河川整備計画関係都県会議」が24日に開かれました。
 この会議は河川整備計画を早く策定しろという意見を6都県から引き出すための形式的な会議でしたから、中身は何もありませんでした。

 この会議の状況をリアルに伝える記事が、ジャーナリストのまさのさんのブログに掲載されています。
 http://seisaku-essay.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/30-792b.html

 
 関連記事を転載します。

◆上毛新聞 2012年9月25日

 -目標流量は「妥当」 利根川水系整備計画 早期の策定訴えー

 八ッ場ダム(長野原町)本体着工の条件の一つとなっている利根川水系の河川整備計画策定のため、国土交通省関東地方整備局は24日、流域6都県と協議する利根川・江戸川河川整備計画関係都県会議を設置し、第1回改造をさいたま市内で開いた。整備局が今後20~30年間で目指すとしている安全水準や治水対策の目標流量について、6都県の代表からは「妥当だ」とする意見が相次ぎ、いずれも早期の計画策定を訴えた。
 同省は今回の計画策定に当たり、利根川の基準点(伊勢崎市八斗島町)で毎秒1万7千㌧を超える流量の洪水が70~80年に1回の割合で発生すると想定。整備局側からはこの目標流量について、流域住民に意見募集した結果、「過大だ」などと批判的な意見が多かったことなどが報告された。
 本県から出席した荒井唯河川課長は、同省が従来想定していたピーク流量が毎秒2万2千㌧の目標流量について「予算や工期を考慮すればやむを得ない」と容認する意見を述べた。

◆毎日新聞群馬版 2012年09月25日
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20120925ddlk10010101000c.html

 -八ッ場ダム建設:目標流量を国が都県側に提示 スケジュール明言せず /群馬ー

 国土交通省関東地方整備局は24日、八ッ場ダム本体着工の条件である利根川水系の河川整備計画の策定に向け、1都5県の担当部長を交えた会議を開催し、治水対策の根拠となる「目標流量」について5?6月に行った意見募集(パブリックコメント)の結果を説明した。都県側は目標流量を了承し、計画の早期策定を求めたが、同整備局は「具体的なスケジュールは未定」と述べるにとどめた。

 同整備局は、25日の有識者会議で目標流量への意見を聞いた後、具体的な治水対策や計画案の全体像を示す見通し。

 同整備局は八ッ場ダム20+件の再検証結果などを踏まえ、利根川の目標流量(伊勢崎市八斗島地点)を毎秒1万7000立方メートルと提案している。流域には政治・経済の中枢が集中するため、他の河川よりも安全水準を高く設定し、70?80年に1度起こりうる洪水を想定した。

 一方、パブリックコメントで寄せられた93人の意見の中には「八ッ場ダム20+件ありきの過大な数値」「他の地域より安全水準を高くするのは不公平」などの反論もあった。【奥山はるな】

◆朝日新聞群馬版 2012年09月25日
http://www.ktr.mlit.go.jp/bousai/bousai00000056.html

 -利根川の流量、疑問出ずー

 八ツ場ダム(長野原町)本体着工の最終条件の一つ「利根川・江戸川河川整備計画」の策定をめぐり、群馬など関係6都県の会議が24日、さいたま市の国土交通省関東地方整備局で開かれた。

 6都県はそろって早期策定を要望。25日には都内で有識者会議が開かれ、手続きは最終局面に入る。

 担当部長級による会議では、治水対策の目標流量が議論された。

 河川整備計画では、河川法に基づき、今後20~30年の整備でめざす安全水準を定める。整備局は八ツ場の再検証の過程で利根川について、基準点(伊勢崎市八斗島)の目標流量を「70~80年に1度起きうる洪水を想定して毎秒1万7千トン」と示した。

 ダム見直し派の学者らには、数値の妥当性を疑問視する声がある。整備局はこの日、流域住民対象の意見募集に応じた延べ93人の中にも同様の指摘があったことを明らかにした。

 だが、整備局は6都県に対し、「人口や資産の集中から考えると、他の河川より高い安全水準にするのは妥当」「新たな流出計算方法を構築し、日本学術会議も妥当としている」と正当性を強調した。

 群馬県の荒井唯河川課長は「費用や工期を考えると1万7千トンはやむを得ない。早期に高い安全度を望む」と求めた。他の都県も「堤防のない地区もあり、整備計画の早期策定を」「適正な計算手法と確信している」との意見が続き、疑問は出なかった。

 整備局は「今後のスケジュールは未定」としているが、関係都県や地元の推進派は早期着工を求めている。目標流量に対する有識者会議の同意を早期に得て、河川整備計画の策定手続きを急ぐ姿勢だ。(牛尾梓)