2012年10月26日
昨日、利根川・江戸川の関係都県会議が開かれました。国交省が招集し、利根川流域の一都五県が出席した会議は、行政同士が形式的なやり取りをしただけで、30分ほどで終わりました。
国交省関東地方整備局のホームページに資料が掲載されています。
http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000208.html
掲載資料のうち、資料1-1,1-2は有識者会議ですでに配布された資料と同じものです。資料2は、国交省案について関係都県の意見を求める照会文で、22日付となっています。 http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000068206.pdf
この会議は、開催中の利根川・江戸川有識者会議と同様、利根川の河川整備計画策定に当たり、国交省が提示している治水の目標流量をテーマとしています。有識者会議では、八ッ場ダム事業を正当化するために過大に設定された目標流量を巡って異論が噴出しています。科学的な根拠のない目標流量を押し通したい国交省としては、いくら御用学者を動員しても、有識者会議での議論は守勢に回らざるをえません。そこで、次回の有識者会議では、関係都県の同意を得ていることを前面に打ち出して、有識者会議の議論を打ち切りたい、ということでしょう。昨日は、利根川の有識者会議も開催される予定でしたが、急遽、開催が取り消されました。
関係都県は八ッ場ダム事業の共同事業者であり、八ッ場ダム事業の歴史において国交省に異を唱えたことは一度もありません。八ッ場ダム事業は工期延長と事業費増額を繰り返してきましたが、これらの計画変更にあたっても、関係都県は国交省の方針を常に了承してきました。
ことに、昨日、突然辞任を表明した石原都知事は八ッ場ダム推進論者として知られています。今朝の上毛新聞は、大沢群馬県知事が石原都知事の辞任会見に当たって、「「八ッ場ダム建設継続では強力な支援をいただいた。」 とコメントを発表したことを一面で伝えています。
今朝の朝日新聞群馬版は、群馬県の県土整備部長が国交省の提案を支持する意向を示したことを伝えています。県土整備部長は国交省から出向しています。国交省の職員が国交省の提案を支持するのは当然のことです。
関連記事を転載します。
◆朝日新聞群馬版 2012年10月26日
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000581210260001
-治水対策の流量目標値に異論出ずー
国土交通省関東地方整備局は25日、八ツ場ダム(長野原町)本体着工の最終条件の一つ「利根川・江戸川河川整備計画」の策定をめぐり、群馬など関係6都県の会議をさいたま市内で開いた。毎秒1万7千トンという治水対策の目標流量への異論は出なかった。
整備局は22日付で、八ツ場ダムの再検証で「70~80年に1度起きうる洪水を想定して毎秒1万7千トン」としてきた基準点(伊勢崎市八斗島)の目標流量について、改めて6都県に照会。
6都県とも未回答だが、会議では、群馬県の笹森秀樹・県土整備部長が「これまでと同様の意見になるのではないか」と支持を強調した。
◆上毛新聞 2012年10月26日
-早期計画策定をあらためて要望 河川整備計画 6都県会議ー
八ッ場ダム(長野原町)本体着工の条件の一つとなっている利根川水系の河川整備計画策定のため、国土交通省関東地方整備局は25日、流域6都県と協議する利根川・江戸川河川整備計画関係都県会議の第2回会合をさいたま市内で開いた。国交省側が、計画策定に向けて行われている有識者会議の進捗状況などを報告した。
会合で6都県の代表はいずれも、早期の計画策定をあらためて要望。本県の笹森秀樹県土整備部長は「河川整備計画策定にあたっては、内容についてぜひご相談いただきたい」などと述べた。