八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

ダム予定地を走るJR高崎支社の”かぼちゃ電車”、3月運行終了

 八ッ場ダムの建設予定地を走っていたJR吾妻線は、ダム本体工事のために2014年10月、水没線(標高586m)より標高の高い山腹につくられた新線路に付け替えられました。
 吾妻線の普通列車として働いてきた115系は、”かぼちゃ電車”の愛称で親しまれてきましたが、JR高崎支社がこのほど、今年3月で運行を終了すると発表しました。ファンの多い115系の退場に伴い、スタンプラリーなどのイベントやオリジナルグッズの販売が予定されているとのことです。
 また一つ、見慣れた風景が消えていきます。関連記事、写真とともにお伝えします。

◆2018年1月15日 JR東日本高崎支社 プレスリリース
 http://www.jreast.co.jp/takasaki/news/pdf/20180115_info.pdf
ー高崎支社管内を走る115系電車が本年3月に定期運行を終了します!ー

◆2018年1月16日 上毛新聞
https://www.jomo-news.co.jp/news/gunma/society/27402
ーさよなら“かぼちゃ” JR高崎支社の115系運行 3月で終了ー

 群馬県のJR東日本高崎支社は15日、“かぼちゃ電車”や“みかん電車”の愛称で親しまれている115系の定期運行を3月中に終了させると発表した。車両が老朽化したためで、今後は211系に置き換える。同支社はさまざまな引退イベントを企画している。

◎日帰り旅行やスタンプラリー実施へ

 113系に山岳路線対応のブレーキを搭載した115系は1963年に登場し、県内での運行は64年に始まった。同支社管内では現在、上越と吾妻、両毛、信越の各線で定期運行されている。引退後の用途は決まっていないという。

 長年の感謝の気持ちを込めて、「ありがとう115系」と書かれたシールを貼った115系の車両を運行するほか、115系に乗車する日帰り旅行やJR主要駅でのスタンプラリー、イラスト募集を随時行う。問い合わせは同支社(電話027-320-7111)へ。

—転載終わり—

写真=ダム本体工事現場となった名勝・吾妻峡の左岸を走る115系。2013年12月撮影
2015年1月より、列車の背後の山に発破が掛けられ、岩盤掘削工事が始まったため、今では景観が一変している。

写真=名勝・吾妻峡の上流端にある第二吾妻川橋梁(旧)を走る115系。現在、水没予定地の鉄橋や線路には、ダム本体の骨材を運ぶベルトコンベヤーが設置されている。第二吾妻川橋梁の背後の岩山には、縄文時代の貴重な石畑Ⅰ岩陰遺跡がある。ダム湛水を控え、本格的な発掘調査が行われることになっている。2014年4月、3月撮影。

写真=川原湯温泉駅の上流側にある第三吾妻川橋梁(旧)を走る115系。背後に新千歳橋(手前)と工事用に新たに架橋された千歳橋(後ろ)が見える。2010年6月撮影。

写真=全水没予定地の川原畑地区を走る115系。扇型に広がる背後の山は金鶏山。山の裏手ではダム本体工事の原石が採掘されている。2014年9月撮影。

川原畑地区の軒先を走っていた115系。この土地は、縄文時代~江戸・天明期の遺構遺物が大量に出土している東宮遺跡の中にある。2014年8月撮影。

写真=ダム事業により付け替えられたJR吾妻線の新しい線路を走る115系。ダム予定地の線路は大半がトンネルとなっており、川原湯温泉駅とその前後だけが地上に出る。2015年7月撮影。