八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

国交省、徳島県の長安口ダムで見学会

 徳島県の那賀川にある長安口ダムでは、国土交通省四国地方整備局が大改造工事(放流管の増設など)を進めており、見学会が開催されています。

 国交省四国地方整備局 那賀川河川事務所ホームページより「長安口ダムー改造工事NOW」
 http://www.skr.mlit.go.jp/nakagawa/dam/index.html

 最近、国土交通省はダム事業の宣伝のため、このようなダム工事の見学会に力を入れるようになりました。八ッ場ダム事業ではダム工事の見学会が日常的に行われており、報道関係者向けの見学会も開催されています。見学会に参加した報道関係者は、ダム事業者の説明をそのまま記事にして発信することが多く、環境への負荷や堆砂など、ダムが抱える様々な問題は今も全国各地で進行中ですが、マスコミではめったに取り上げられません。
 新聞やテレビでダムに対して批判的な報道が影を潜めるようになったのは、国土交通省のこのような広報活動が効いているのかもしれません。

◆2018年2月26日 朝日新聞徳島版
https://digital.asahi.com/articles/ASL2T554KL2TPUTB015.html?iref=pc_ss_date
ー長安口ダムで見学会 ゲート増設、規模に驚きー

  放流ゲートの増設や土砂の取り出しなど総額885億円の大改造が進む那賀川の長安口ダム(那賀町長安)で25日、制御室や工事状況の見学会があった。

 ダムは1956年に完成。台風時の洪水調節や、約5キロのトンネルで結んだ日野谷発電所での発電、下流への農業・工業用水の供給を担っている。

 見学会ではまず、管理する国交省の職員がゲートの制御室を紹介。「那賀川は降水量が多いが勾配は急なため、渇水と洪水がともに起こりやすく、管理は難しい」と話した。

 続いてダム上部(高さ約85メートル)で工事状況を説明。より多くの水が放流できるよう、2019年度の運用開始を目標に高さ30メートルのゲートを二つ建設中だ。大量のコンクリートを切り出してゲートを造っていることを聞いた阿南市の主婦森節子さん(67)は「日本の技術力はすごい」と感心した様子だった。

 見学会は3月25日にも、日野谷発電所と川口発電所と同時に開催する。予約は川口ダム自然エネルギーミュージアム(0884・62・2209)。(鈴木智之)