凍結されていた淀川水系の大戸川ダム事業(事業主体:国土交通省近畿地方整備局、大津市)を推進に変えるため、 三日月大造・滋賀県知事が動き出しました。今夏の滋賀県知事選で、自民党の支援を取り付けるためです。
滋賀県では前知事の嘉田由紀子氏(環境社会学者)が大戸川ダムの実質的な中止を求めた淀川流域の四府県知事合意(2008年)をリードしましたが、嘉田前知事のような信念を持たない三日月知事に対して、昨年来、自民党県議団などが合意の取り消しを迫っていました。
関西では2000年代、河川行政の変革を目指す淀川方式が実践され、淀川水系流域委員会に大勢の市民が参加して、ダム中止を求める世論が盛り上がりましたが、河川行政の反動化が顕著となってきています。
◆2018年4月17日 京都新聞
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20180417000181
ー大戸川ダム調査費計上へ 滋賀県、「凍結」合意見直しー
滋賀、京都など淀川水系の4府県知事が大戸川ダム(大津市)の建設「凍結」を求めた2008年の「4府県知事合意」について、見直しの必要性を探る勉強会の発足に向け、滋賀県は17日までに、本年度一般会計補正予算案に調査費など約3400万円を盛り込む方針を固めた。25日に開会する県議会定例会の4月招集会議に提出する。
勉強会では、大戸川ダムが大戸川流域に与える治水効果と、瀬田川洗堰(同市)の操作に与える影響について独自の調査を基に検証し、合意内容を見直す必要があるかどうかを検討する。外部有識者ら6人程度で構成し、早ければ5月にも初会合を開く方針だ。
知事合意を巡っては昨年12月、県議会が大戸川ダムの早期着工と、合意の撤回を求める決議を可決した。
三日月大造知事は今年2月の県議会で、合意から10年が経過することや近年の豪雨災害の発生状況を踏まえ、「県として自発的にダムの効果や影響を検証したい。知事合意についても必要な見直しができるよう努めたい」と述べ、本年度の早い時期に勉強会を発足させる意向を示していた。