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「水はダムなくても足りる」“設楽ダム” 事業からの撤退求め住民提訴

 昨日(5月23日)、国が愛知県設楽町で建設計画を進めている設楽ダムに反対する住民162人が愛知県に対して、事業からの撤退を求める訴えを起こしました。
 設楽ダムの計画が発表されたのは1973年のことです。愛知県においても水需要は低迷しており、人口減少が顕著になる時代、設楽ダムがたとえ予定通り2026年に完成したとしても、無用の長物になることは明らかです。

 関連記事を転載します。

◆2018年5月24日 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30892110U8A520C1000000/
ー設楽ダムは「不要」と提訴 反対住民2度目、名古屋ー

 国が愛知県設楽町で建設計画を進めている多目的ダム「設楽ダム」に反対する住民162人は23日、ダムは不要として、大村秀章知事と県企業庁長を相手に国へのダム使用の申請を取り下げることなどを求める訴訟を名古屋地裁に起こした。

 同ダムを巡っては2007年にも反対派住民が知事らに建設負担金の支出差し止めを求め提訴したが、14年に最高裁で敗訴が確定した。

 訴状によると、15年度に愛知県東部の1日の最大需要が34万トンになるとした県の想定に対し、17年3月に公表された15年度分の上水道の給水実績は27万トンにとどまっており、ダムの必要性が失われたとしている。

 住民らは今年3月、県監査委員に監査請求したが「ダムなどの施設整備には時間がかかり、急に需要が増えても完成するまで供給できない」などの理由で却下された。〔共同〕

◆2018年5月24日 中日新聞
 http://www.chunichi.co.jp/s/article/2018052490013029.html
ー「設楽ダム、県は撤退を」 名古屋地裁、住民ら2度目提訴ー

  国が愛知県設楽町の豊川上流に建設中で、県も費用の一部を負担している設楽ダムを巡り、水道用水は不足していないためダムは不必要として、地元などの住民162人が23日、県知事らに負担金の支出差し止めや建設事業からの撤退を求める訴訟を名古屋地裁に起こした。

 訴状によると、ダムが造られる東三河の豊川流域の水道用水の需要量について、計画段階では2015年に1日当たり33万立方メートルとしていたが、実際は約2割下回る27万立方メートルだった。このため、水道用水は足りているとして「県がダム建設に加わる必要はない」と主張している。

 住民側の弁護団によると、県が水道用水の利用から撤退すると、関連法が定める建設の条件を満たさなくなるため、現在の計画全体を進められないという。

 愛知県土地水資源課は「訴状が届いていないためコメントできない」とした。

 設楽ダムへの支出差し止めを求める住民訴訟は2回目。住民監査請求が4月、県監査委員に却下されたため提訴した。07年に起こした前回の訴訟では一審、二審とも「計画が著しく合理性を欠くとは言えない」と棄却され、14年に敗訴が確定した。

 設楽ダムは総貯水量9800万立方メートルで、26年度に完成予定。洪水の防止やかんがいなどを目的とする。総事業費約2400億円のうち県は809億円を負担する予定で、16年度末までに周辺の道路整備などで196億円を支出した。

◆2018年5月23日 東海テレビ
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180523-00003487-tokaiv-l23
ー「水はダムなくても足りる」計画進む“設楽ダム” 事業からの撤退求め住民が提訴 愛知ー

 愛知県設楽町で計画が進む「設楽ダム」。建設に反対する住民らが愛知県を相手取り事業から撤退するよう求める訴えを起こしました。
 訴えを起こしたのは愛知県内の住民グループ162人で、上水道に使う水はダムがなくても足りるとして、県に事業から撤退するよう求めています。
 住民グループは2007年にも同様の訴えを起こし2014年に最高裁で敗訴が確定しています。
 原告は計画の前提となった2015年時点の水道の需要が想定を下回り、設楽ダムからの供給の必要性が失われたとしています。
 愛知県は「訴状が届いていないのでコメントできない」としています

◆2018年5月24日 中部日本放送
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180524-00007047-cbcv-l23
ー設楽ダム建設計画、反対住民ら提訴ー

 愛知県設楽町で進む、設楽ダム建設計画に反対する住民グループが、大村知事らに対し、国へのダム使用の申請を取り下げることなどを求め提訴しました。
 訴えを起こしたのは、設楽ダム計画に反対する地元の住民ら162人です。
 住民らは、「愛知県東部は1日の上水道の需要量が最大34万トンになる」とした県の想定に対し、去年公表された給水実績が27万トンに留まっていることから、ダムの必要性は失われたと主張。
 大村知事らに対し、国へのダム使用の申請を取り下げることなどを求めています。
 設楽ダムを巡る住民訴訟は、2007年にも起こされましたが、最高裁で敗訴が確定しています。

◆2018年5月23日 NHK東海
https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20180523/4856761.html
ー“設楽ダム建設“撤退求め提訴ー

 愛知県が費用を一部負担し、平成38年の完成を目指して工事が進められている設楽ダムについて、建設に反対する住民などが、「不要なダムのために費用を負担するのは違法だ」として、愛知県知事に建設事業から撤退するよう求める訴えを名古屋地方裁判所に起こしました。
訴えを起こしたのは愛知県の住民ら162人です。

 設楽ダムは水道用水や農業用水の供給と洪水対策を目的に、国が約2400億円かけて愛知県設楽町に建設を進めていて、3分の1の720億円は県が負担します。
 民主党政権のもとで事業の見直しの対象となり、一時、工事が凍結されましたが、現在、平成38年の完成を目指して建設が進められています。

 訴えによりますと、愛知県は平成18年に公表した計画で、ダムが必要な根拠として、平成27年に水道用水の需要が増えることをあげたのに、実際の需要は想定を下回ったとしています。

 その上で、「不要なダムの建設費を県が負担するのは違法だ」などとして、愛知県知事に建設から撤退するよう求めています。
 原告の1人で、新城市の白井倫啓さんは「新城では節水はほとんど経験したことがなく、ダム建設は百害あって一利なしだ」と話しました。
 一方、愛知県は「訴状が届いていないのでコメントできない」としています。