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長良川河口堰 開門調査を要望 岐阜県に市民団体

 さる5月31日、市民団体が導水路計画の中止や長良川河口堰の開門調査の実現を求める要請書を岐阜県に提出しました。
 木曽川水系連絡導水路は、2008年に竣工した徳山ダムの水を揖斐川から長良川を経由して、愛知県と名古屋市の取水口がある木曽川まで送水するためのトンネルです。徳山ダムは総貯水容量6億6,000万立方メートルと日本最大規模の多目的ダムですが、導水路がなければ開発水が使われることはありません。導水路計画の総事業費は約890億円です。
 長良川河口堰は大きな反対運動がありながら建設が強行され、1995年に運用が開始されましたが、河川環境の悪化は深刻です。
 徳山ダムも長良川河口堰も、時間がたつにつれて負の遺産であることがますます明らかです。

◆2018年6月1日 毎日新聞岐阜版
 https://mainichi.jp/articles/20180601/ddl/k21/040/196000c
ー長良川河口堰 開門調査を要望 県に市民団体 /岐阜ー

 市民団体「よみがえれ長良川実行委員会」は31日、導水路計画中止や長良川河口堰(ぜき)(三重県桑名市)の開門調査の実現などを求める要請書を県に提出した。

 同実行委員会は、揖斐川上流の徳山ダム(揖斐川町)の水を長良川と木曽川に流す導水路計画などに反対する「長良川市民学習会」など28の市民団体からなる。同会は河口堰周辺に積もったヘドロを持参。共同代表の粕谷志郎・岐阜大名誉教授は「徳山ダムからの水は冷たく、生態系を破壊する」として、導水路事業の中止などを要請した。

 対応した井上清敬・県土整備部河川課長は、導水路事業は東濃地域の渇水被害に対して効果がある▽河口堰は弾力的なゲートの運用で水質が改善されている--などと回答。井上課長は「県として、河川・地域を良くしていくためにもリスクに備えなければならない」と理解を求めた。【横田伸治】