鬼怒川と雄物川のダムと堤防に関する国会質疑

 さる5月17日に大河原雅子衆議院議員(立憲民主党)が衆議院決算行政監視委員会で、鬼怒川と雄物川のダムと堤防に関する質問を行いました。

 議事録が国会のサイトに公開されました。
 http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/196/0058/19605170058002a.html

 利根川水系の鬼怒川では、2015年9月に洪水が発生し、下流部の茨城県では甚大な水害に見舞われました。
 鬼怒川の上流には四基のダムが建設され、最も新しい湯西川ダムは2012年度に竣工しています。

◆国土交通省関東地方整備局 湯西川ダム
 http://www.ktr.mlit.go.jp/kinudamu/kinudamu_index024.html

 この水害によって、2015年時点での鬼怒川の堤防整備率が、茨城県の区間でわずか17%しかなかったことがクローズアップされました。水害の発生を契機に、国交省関東地方整備局は事業費600億円の鬼怒川緊急対策プロジェクトを計画し、2020年度をめどに河川改修を進めています。先にこのような対策を行っていれば水害を防げたことから、巨額の費用を投じる湯西川ダム建設を優先した河川行政に疑問の声があがっています。

 ダムはダムより上流に降った雨を貯めることができますが、2015年9月の鬼怒川のように、ダム下流に降った大雨に対しては、なすすべがありません。全国には堤防が未整備であるところがまだまだありますが、鬼怒川がそうであったように、ダム建設による治水効果は過大にPRされる一方で、未整備の堤防について流域の住民はほとんど知らされていません。

 秋田県では国交省東北地方整備局が雄物川の最上流部で成瀬ダム事業を進めています。2024年度のダム完成を目指して、今年度、堤体工事が始まる予定です。ダム起業者のサイトでは、成瀬ダムの建設目的の第一に「洪水調節」が掲げられているのですが、成瀬ダムは集水面積(降水が集まる範囲の面積)は雄物川の流域面積のわずか1.4%しかありません。

◆国土交通省東北地方整備局 成瀬ダムの事業概要
 http://www.thr.mlit.go.jp/narusedam/about.html

上記国交省サイトより

 雄物川では昨年、2017年の7月と8月に水害に見舞われました。これは、雄物川の中下流域において流下能力が極めて低い状況があって、それが長年放置されてきたことによるものです。ダムは完成までに長い年月がかかり、たとえ国交省のPRするようにダムの治水効果が大きいとしても、ダムが完成するまで治水効果はゼロです。八ッ場ダムは1967年に事業が始まりましたが、50年以上事業費を投じながら、治水効果はいまだにゼロです。成瀬ダムは工期が昭和58年度から平成36年度とされており、たとえ現計画通りにダムが完成したとしても、治水効果を発揮するのに40年以上かかることになります。

 今回の質問で、大河原議員は治水対策としてのダムの限界に言及していますが、政府は従来の河川行政をこのまま継続して問題がないという趣旨の回答をしています。水害が何度繰り返されれば、河川行政の過ちが認められるのでしょうか。

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第196回国会 決算行政監視委員会 第2号
平成三十年五月十七日(木曜日)   

   午後一時一分開議

出席委員・・・・・・・・・  大河原雅子君
国土交通大臣政務官    秋本 真利君
政府参考人  (国土交通省水管理・国土保全局長)  山田 邦博君

○荒井委員長 次に、大河原雅子さん。
大河原委員 立憲民主党の大河原雅子でございます。
 決算行政監視委員会、初めて質問させていただきます。
 決算の報告書などを見ておりましても、私の目が行きますのは、どうしても河川とかそういった問題になります。
 実は、小さいときに横浜で水害に遭ったことがありまして、そのときの体験が非常に、近くの鶴見川が堤防が切れて氾濫をしたというところで、夜になってから救援の舟が、家の畳を上げたところにボートが入ってくる、それに乗せてもらって助けられたということがあります。
 非常にそうした小さいときの体験はなかなか消えないものでございまして、水というのは本当に怖いものだなと。近くにある川については親しみを覚えますが、一度、その川が牙をむくといいますか、大きな抗しがたい力になってくるという、本当にひどい被害に遭われた方がこの日本じゅうにたくさんおられるということを思いまして、質問をさせていただきます。
 二〇一五年九月、台風十八号の影響で鬼怒川の堤防が決壊いたしました。甚大な被害が発生したわけです。
 鬼怒川の堤防といっても、現場は常総市ですから、すぐ近くということで、しかも平野、こんなところで水害が起こるのかと私も本当にびっくりしたわけですけれども、決壊で鬼怒川からあふれた洪水が次々と家々を襲っていくすさまじい光景がテレビでも放映され、そして堤防決壊がもたらす被害の恐ろしさというものを多くの方たちが息をのむ思いでごらんになったんじゃないかと思います。私も現地に行かせていただきましたけれども、この鬼怒川、近くに流れている鬼怒川はそんなに牙をむくような川には見えなかったんですけれども。
 実は、鬼怒川の上流には、国土交通省が建設した四つの大規模ダムがあります。五十里ダム、川俣ダム、川治ダム、湯西川ダムです。
 二〇一二年ですから、つい最近という感じがするんですけれども、湯西川ダムが完成したばかりであって、そして、私は、洪水は確かに怖いけれども、水を大事にするという意味で、川に幾つものダムをつくるということについても疑問を持ってきました。この湯西川ダム、ダムの上流に更にまたダムをつくるという、屋上屋を架すようなダム建設だという印象を持っております。
 この四つのダムの治水量というのは実に一億二千五百三十万立米ということで、しかも、鬼怒川のこの四つのダムの集水面積は全流域の三分の一を占めている。ダムで洪水調節がきちんとできれば、ほとんどの洪水は、氾濫を防止することができると言われている河川なんですね。そこで洪水が起こった。洪水のために堤防が決壊して、すさまじい被害をもたらしたわけです。ダムでは洪水の氾濫を抑止できないということが明らかにもなったんじゃないかと思うんです。
 このことに関して質問をしていきたいと思います。
 湯西川ダムのございます鬼怒川では、今回の水害の前年、二〇一四年度までに、河川改修にどのぐらいの予算が使われてきたんでしょうか。二〇一四年度までの十年間の予算額をお示しいただき、そしてまた、同じ期間に湯西川ダム建設事業に投じた予算額をお示しください。
山田政府参考人 お答えをいたします。
 治水事業の実施に当たりましては、頻度は少ないけれども壊滅的な被害となるような水害ですとか、あるいは被害は少ないんですけれども毎年のように被害が出るような水害といったように、予測が難しい自然現象に対しましてさまざまな事態への備えを進めていく必要がございます。
 そのような考えのもとで、予算制約もある中で、堤防の整備や補強、河道の掘削といったようなものと、それからダムや遊水地の整備など、さまざまな治水手段を各河川の特性や流域の状況に応じて講じてきているところでございます。
 鬼怒川の直轄河川改修事業は、昭和元年より、用地買収等の制約がある中、堤防などの整備を順次進めており、御質問のございました平成十七年度から平成二十六年度までの十年間に鬼怒川の河川改修事業に投じた予算は約百三十二億円となっております。
 また、湯西川ダム建設事業は、昭和六十年に建設事業に着手をいたしまして、平成十七年度から平成二十六年度までは、用地買収もピークを越えまして、ダム本体の実施中であったため、効果を早急に発現するよう予算を重点投資している段階でございましたが、この十年間に湯西川ダム建設事業に投じた予算は、利水者の負担額も含めて約一千五十六億円となってございます。

大河原委員 そうすると、この十年間、鬼怒川の河川改修の予算額は湯西川ダムの予算額の何分の一なんですか。
山田政府参考人 お答えいたします。
 平成十七年度から平成二十六年度までの十年間、順次整備を進める河川改修費と、ダム本体実施中の利水者の負担額も含めたダム建設費でございますが、これを比較いたしますと、河川改修費は約八分の一ということになります。

大河原委員 これ、洪水に遭った方たちが聞いたら驚かれますよね。ダムをつくる予算の八分の一しか河川改修に使われていなかったわけですね、この期間。
 鬼怒川というのは、河川改修の予算が少なくて、堤防の整備が極めておくれていた。そして、水害後、鬼怒川緊急対策プロジェクトということで慌てて、慌ててというか、この緊急プロジェクトを打っているわけです。六百億円使っているということですけれども、これも、二〇二〇年までの計画で、改修工事が急ピッチで行われております。私もこの場所に行ってプロジェクトの様子も昨年見ましたけれども、遅過ぎたと言わざるを得ない洪水対策です。
 水害前の鬼怒川の堤防整備率、鬼怒川全体、それから栃木県側、茨城県側、分けて御説明をいただきたいと思います。そして、新聞報道によりますと、この茨城県側の堤防整備率というのはわずか一七%ですけれども、これは事実でしょうか。
山田政府参考人 お答えをいたします。
 鬼怒川につきましては、以前より、下流部の茨城県区間では、連続堤防の整備による流下能力の向上、それから、流れの速い上流部の栃木県区間では、護岸整備によります河岸の強化、そしてダム整備による流量の低減などを行うことによりまして、河川全体にわたって安全度を向上させてまいりました。
 このような中、昭和四十八年に、茨城県内区間の重要性等を踏まえまして、以前より更に大きな洪水を安全に流下させるために治水計画を変更したことから、茨城県区間では、計画上の堤防の断面を大きくする必要が生じたところでございます。その結果といたしまして、栃木県区間の完成堤防の整備率がほぼ変わらない一方で、茨城県区間の完成堤防としての整備率が約四二%から約九%と、数字の上では小さくなりました。したがって、それまでの堤防整備の状況に関しましては、茨城県区間が上流の栃木県区間と比較して著しくおくれていたわけではございません。
 ただ、その後、限られた予算の中ではございますが、鬼怒川の河川改修を進めて、特にここ十五年程度の間は、茨城県区間の堤防整備に重点的に予算を投入いたしまして、流下能力が大きく不足する箇所を優先して下流から整備を進め、平成二十七年三月末時点で、鬼怒川全体の完成堤防の整備率は約四三%、うち、栃木県区間で約六二%、茨城県区間で約一七%となっているところでございます。

大河原委員 一七%なんですね。各県、こんなに整備率に差があるということを、恐らく地域住民の方たちが御存じないことがあると私は思います。
 そして、先ほどの水害被害に遭った家々の地域、茨城県なども非常に人口がふえてきているということがあるんじゃないでしょうか。河川整備に長く時間がかかればかかるほど、そこの地域に住んでいる方たちの危険な状況というのは増していく、そういうことだと思うんです。

 次に伺いたいのは、秋田県の雄物川のことです。
 秋田県の一級河川、雄物川の上流には、成瀬ダムの建設が進められています。
 ここも、私、行かせていただきました。御存じの方、あるかと思いますが、「釣りキチ三平」という漫画がありますが、本当に美しい川がこの成瀬川なんですね。こんなところにダムをつくるのかなと思うような場所です。普通、ダムというのは、切り立ったV字のところをぱっとせきとめてダムができるイメージなんですけれども、そうじゃないんですよね。
 この成瀬ダムの問題にも疑問を感じてまいりましたけれども、今年度、このダムは本体の堤体工事が始まるというふうにされております。成瀬ダムは雄物川の最上流に建設されるもので、洪水調節を行っても雄物川の氾濫防止に役立つとは思えません。
 成瀬ダムの集水面積と雄物川の流域面積をお示しください。そして、それはどのぐらいの割合になるのかも含めてお答えください。
山田政府参考人 お答えをいたします。
 成瀬ダムは、秋田県雄勝郡東成瀬村に建設されます多目的ダムでございまして、ダム検証におきまして、ダムを含む案とダムを含まない案との比較、評価等を行って、ダム事業の継続が妥当と判断をして、実施しているダムでございます。
 成瀬ダムは、治水効果といたしまして、ダム直下で約九割の流量を減少させるだけではなく、基準地点であります椿川におきましても流量を低減するなど、全川にわたり効果を発揮するものでございます。
 成瀬ダムの集水面積は六十八平方キロメートルであり、雄物川の流域面積の四千七百十平方キロメートルに対し、その比率は一・四%でございますけれども、玉川ダムなどの他のダムや河川改修の効果と相まって治水安全度の向上に大きく寄与するものと考えており、特に、平成二十九年七月の洪水に対しては、雄物川上流に建設済みの玉川ダム等の効果によりまして、ダムがなければ約六十戸の浸水が見込まれる被害を解消したほか、下流部の水位を低減させるなど、被害軽減に大きく寄与しており、ダムによる治水効果は大きいものと考えているところでございます。

大河原委員 集水面積を比べると、流域の一・四%ですね。
 今、効果はあるんだというふうにおっしゃいましたけれども、ここにダムを建てる、つくるという意味では、その周辺のすばらしい自然を壊してダムに沈めるというところもありますので、そこも私は極めて問題だと思ってきました。
 この雄物川も河川改修が極めておくれているというふうに聞いています。雄物川で、河川改修にどの程度の予算が使われてきたのか、最近十年間の予算額をお示しいただき、そして同時に、同じように、成瀬ダム建設事業の予算額と比べてみたいと思います。どのぐらいの割合になっているでしょうか。
山田政府参考人 お答えをいたします。
 雄物川の整備に当たりましても、鬼怒川と同様に、予算制約がある中で、堤防の整備や補強、河道の掘削といったものと、ダムの整備など、さまざまな治水手段を河川の特性や流域の状況に応じて講じてきているところでございます。
 雄物川の河川改修の予算額は、平成二十年度から平成二十九年度までの十年間で、約四百三十六億円でございます。同期間における成瀬ダム建設事業の予算額は、利水者の負担も含めまして約二百九十六億円でございまして、雄物川の河川改修費は、利水者の負担額を含めた成瀬ダム建設事業費の一四七%となってございます。

大河原委員 雄物川では、昨年になりますね、二〇一七年の七月下旬と八月の下旬に大きな氾濫がありました。これは、雄物川の中下流域において流下能力が極めて低い状況があって、それが長年放置されてきたことによるものだと思います。
 これも、起こるべくして起こってしまったんじゃないか、そういう氾濫であるというふうに思うわけですが、雄物川の中流部及び下流部における昨年時点での堤防整備率、これはどうなっていたでしょうか。
 そしてまた、河川整備計画をつくるときの計画高水流量に対して流下能力が確保されている区間、この割合は中流、下流部についてどのようになっているのか、これについても伺いたいと思います。
山田政府参考人 お答えをいたします。
 雄物川の整備につきましては、その延長が長いこともございまして、沿川に秋田市を始め横手市や湯沢市などの市街地を抱える区間があります。これらの人口や資産状況等を考慮し、順次進める必要があるということ、二つ目に、上下流の流下能力のバランスを考慮する必要があるということ、三つ目に、堤防用地を取得する際に制約があるということ、これらの条件のもとで、なるべく効率的に改修が進むよう、例えば輪中堤などの手法をとりながら進めてきたところでございます。
 雄物川の中流部及び下流部の完成堤防の整備率についてでございますが、平成二十八年三月末時点におきまして、河口から椿川地点までの下流部区間約十三キロメートルでは約八九%、椿川地点から皆瀬川合流点までの中流部区間約八十三キロメートルでは約五一%となっております。
 次に、雄物川の中流部及び下流部における計画高水流量に対して達成することとなっている流下能力が確保されている区間の割合でございますけれども、平成二十八年三月末時点におきまして、河口から椿川地点までの下流部区間約十三キロメートルでは約七七%、椿川地点から皆瀬川合流点までの中流部区間約八十三キロでは約六〇%となっているところでございます。

大河原委員 脆弱な部分に水が来たときのことというのはもう想像にかたくないわけで、河川整備計画をつくる段階でも、私は、もうダムの効用というのは限度が見えてきてしまっていると。洪水調節というところは本当に、長年、ダム偏重で日本の河川行政が行われてきたというふうに思います。
 どうでしょうか、ダムの限界というのをどのようにお考えでしょうか。
山田政府参考人 お答えをいたします。
 先ほど申しましたように、治水事業の実施に当たりましては、堤防と河道の掘削とダムや遊水地の整備というさまざまな治水手段をそれぞれの河川の特性や流域の状況に応じて講じていかなければいけないというふうに考えているところでございます。
 河川改修やダム建設についても、それぞれ予算や用地取得上の制約がある中で計画的に進めているところでございますけれども、引き続き、河川改修とダム建設の双方の適切な役割分担のもと、着実に治水事業を進めていくことが重要であると考えているところでございます。

大河原委員 近年、雨の降り方も大分変わってきているわけですね。
 ダムというのは、ダムの上流に雨が降れば効果はあります。でも、下流に降った場合は役に立ちません。そして、どうでしょうか、地域住民の方々の安心を高めていく安全度というのは。ダムができるまでは、その流域の方たちの安全は守られないわけですね、全然。
 だから、この整備率が、もちろん、高くなればなるほど、堤防が強化されるとか、河川整備がされるというのは一番求められていることですけれども、極論すれば、たとえ九十何%の整備率であっても、その整備がされていないところが襲われたとき、むしろ、その整備されていないところに水が越水していく、そういう水の性質、特質というものをやはり一番捉えなきゃいけない事業だと思うんです。ダム偏重というふうに批判もされますし、どうでしょうか、この限界というものを、変える気はないでしょうか。
 例えば、今年度のダム全体の予算、それから河川改修の予算はどうなっているのか、お答えいただけますか。
秋本大臣政務官 委員御指摘の鬼怒川や雄物川を始めまして、近年頻発している水害に対応するためには、引き続き、河川改修やダム建設等の治水事業を推進することが重要であると認識しております。
 全国の全体予算を見ますと、これまで、ダム建設よりも河川改修に予算を大きく配分してきているところがございまして、ダム偏重の予算配分とはなっておりません。
 お尋ねの金額で申しますと、平成三十年度は、河川改修費は全国で約二千百億円、ダム建設は一千八百億円でございます。
 また、過去八年間さかのぼってみまして、平成二十二年から二十九年、民主党政権から自民党政権まで見ましても、河川改修費は三千百億円、ダム建設費はその約半分の千六百億円でございます。また、これは中身を見ましても、河川改修につきましては、直轄と都道府県の激特などだけで三千百億円でございまして、ダム建設費は、都道府県までの補助金全てを入れても千六百億円ということでございます。
 堤防整備等の河川改修は、整備効果を順次発現するなどの長所がございまして、喫緊の河川改修については優先的に実施をしているものの、下流から実施しなければならないことなど、事業進捗に一定の制限がかかる場合もございます。
 一方で、ダムは、一時的に予算の集中投資が必要とはなりますけれども、下流の河川改修を待つことなく上流で貯水を始めることによりまして、長い期間にわたって効果を発揮することができる、効果の大きな施設であると認識しており、ダム建設に当たっては、ダム検証を含めた事業評価を適切に行った上で進めてきております。
 河川改修とダム建設につきましては、適切な役割分担のもとで整備を実施しているところでございますけれども、今後とも、河川ごとの特性を踏まえながら、河川改修とダム建設双方の適切な役割分担のもと、着実に治水対策を進めてまいるつもりでございますので、ダム偏重という指摘は当たらないものというふうに考えております。

大河原委員 私は、ダムを全部否定しているわけじゃないんですよ。王道はやはり河川整備だ。堤防を強化し、そして弱いところをなくしていく。なぜなら、その地域の人の命が直結しているからなんです。
 ダム事業は、小さく産んで大きく育てる、長く時間がかかるから、トータルでは物すごいお金がかかっています。ですから、単純にことしの予算は少ないとか言えないんですよ。
 何より、何のために。命を守るための河川整備をしなきゃならないわけで、国土交通省、会計検査院の決算検査報告六百六十六ページにもありますけれども、河川整備計画によって堤防整備をすることになっている区間に、一部未整備の箇所あるいは改築が必要な橋梁、そういうものが残存していて、整備済みの堤防の効果を、既にそこは整備されている場所でさえ、目標とされているそうした効果が十分に発揮できない、こんなことまで言われているわけなんです。
 この背景になっている金額も、国土交通省の予算って本当に、何億円単位というのが本当に庶民の感覚を離れて、何だ、四百億円かみたいな形で言われるときがあるんですけれども、もっときちんとしたコストと効果を考えて、私たちは、ダムが壊れないようにするんじゃなくて、堤防が壊れないことはもちろんですが、命を守れるようにする、その視点からぜひこの予算を見直していただきたいというふうに思います。
 鬼怒川の緊急対策プロジェクトはまだまだ二〇二〇年まで続きますけれども、つまり、二〇二〇年まで、これまで放置してきたところ、本当に私たち、国会にかかわる、そして行政にかかわっている国土交通省も心して、人の命を守るということをしっかりと御自覚をいただきたいというふうに思います。
 終わります。