滋賀県知事選、大戸川ダムと治水対策が焦点に

 6月24日投開票が行われる滋賀県知事選では、淀川水系・大戸川ダムへの賛否が焦点となっています。
 毎日新聞が二人の候補者へのアンケート結果を紙面に掲載しました。

 現職の三日月大造氏は、淀川水系のダム事業の見直しで大きな実績を上げた前知事の嘉田由紀子氏の後継者であった筈ですが、知事選で自民党の推薦を受けるために、大戸川ダム推進に舵を切りつつあります。毎日新聞のアンケートでも回答を避けており、対抗馬の近藤学氏がダム中止を打ち出しているのとは対照的です。

◆2018年6月15日 毎日新聞滋賀版
https://mainichi.jp/articles/20180615/ddl/k25/010/476000c
ー候補者アンケート/1 ダムと治水 /滋賀ー

 (届け出順)

 Q 嘉田由紀子前知事は「ダムだけに頼らない治水」を掲げましたが、ダムや治水対策について今後のあり方はどうすべきだと思いますか。

 大戸川ダム中止を 近藤学氏(68)=無新
A 「4府県知事合意」の「大戸川ダム凍結」を一歩すすめて、大戸川ダムはきっぱり中止し、「ダムだけに頼らない治水」路線を推進します。流域治水推進条例に基づいて、堤防強化、河川改修、流域対策などを計画的にすすめるとともに、同条例は、ダムに頼らない治水方針として明確に改定します。過大な降雨確率を見直し、家屋の洪水対策などは関係地域住民に十分に説明し、合意形成をはかって、流域治水の方針を貫きます。

河川改修計画的に 三日月大造氏(47)=無現(1)
A 「どのような洪水にあっても、人命を守り、壊滅的な被害を防ぐ」ことを目標に、流域治水推進条例に基づき、ハードである川の中の対策を基幹的対策とし、川の外の対策であるソフト対策も連携させて被害を減じる取り組みを進めてきた。しかし近年、県内各地で水害による甚大な被害が出ていることをしっかりと受け止め、県内の整備水準の向上を図るため、河川改修や維持管理を今後も計画的かつ着実に進め、ソフト対策と合わせ進めていきたい。

対照的な見解
 嘉田由紀子前知事が掲げた「ダムだけに頼らない治水」の象徴とも言えるのが、国が大津市に予定する「大戸川ダム」だ。2008年には大阪、京都、三重の3府県知事と連携し、計画の凍結を求める共同見解を公表、国土交通省に事業の凍結を認めさせた。16年に国交省は事業「継続」を発表したが、ダム本体は着工していない。

 ダムに代わる治水の柱の一つが、大雨による浸水警戒区域内で建築を規制する地区を指定する、全国初の「流域治水推進条例」。嘉田氏の肝いりで14年に制定され、県は約50カ所で指定を目指すが、実現したのは米原市村居田地区の一部のみ。それも条例の制定から3年を要するなど、作業は難航している。

 都道府県別で最も多い天井川を抱えるなど、県政の根幹の一つでもある治水対策について、候補者2人の見解を尋ねると、大戸川ダムを巡って対照的な内容となった。

 焦点の大戸川ダムについて、近藤氏は「凍結を一歩進めて中止する」と明言したのに対し、三日月氏は大戸川ダムのみならず「ダム」の文言にも全く触れなかった。近藤氏は流域治水推進条例を、さらに推し進める姿勢を強調。三日月氏は河川改修の計画的な実施に加え、ソフト対策との一体性も重視している。

 県は大戸川ダム建設の効果や影響を検証する勉強会を設置し、先月30日には初会合が開かれた。嘉田氏が敷いたレールから外れるのか、外れないのか、有権者が注目している。【成松秋穂】

 毎日新聞は24日投開票の知事選に立候補した2人に、県政に関わる課題への考え方を200字以内で回答する記述式のアンケートを実施した。5回に分けて紹介する。(原則、原文のまま掲載)