〈西日本豪雨〉広島県の椋梨ダム放流、住民に周知せず…下流自治体に義務なく

 7月の西日本豪雨で、広島県の沼田川下流の三原市で大きな氾濫が起き、本郷地区を中心に約3800棟が浸水し、3人が死亡しました。その上流に広島県営の椋梨(むくなし)ダム(東広島市)があり、その放流が問題になっています。

★広島県公式サイトより 「椋梨ダム」
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/99/1171421166565.html

 椋梨ダムは,沼田川水系椋梨川の広島県東広島市河内町小田に多目的ダムとして建設したもので,沼田川総合開発の一環をなすものです。当ダムは,洪水調節,水道用水,工業用水の供給並びに発電を目的としています。ダム周辺は自然環境を保護しながら,河川敷を含めた基盤整備が行われており,「白竜湖」として親しまれ,ダム湖を中心としたレクリエーションが展開されています。

型式 重力式コンクリートダム
総貯水容量(千m3) 7,540千m3
洪水調節容量(千m3) 3,650千m3

◆2018年8月22日 読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20180822-OYO1T50000.html
ーダム放流住民に周知せず…下流自治体に義務なくー

  西日本豪雨による川の氾濫で3人の死者を出した広島県三原市が、上流にある県営ダムで大規模な放流が実施されたことを把握しながら、住民に伝えていなかったことがわかった。放流に関する情報提供は、法律ではダム設置者の県が行う決まりで、市に義務がないためだ。国営ダムの緊急放流が問題となった愛媛県でも、自治体が同様の理由で周知しておらず、専門家からは改善を求める声が上がる。

 三原市によると、市内では7月6日、沼田ぬた川や支流で決壊や越水が起き、本郷地区を中心に約3800棟が浸水し、3人が死亡。浸水面積は約700ヘクタールで、8人が死亡した愛媛県・肱ひじ川の氾濫に迫る規模という。

 沼田川の浸水エリアの約10キロ上流には、広島県営椋梨むくなしダム(東広島市、有効貯水容量627万トン)がある。

 県は5日午後6時に放流を開始。住民に放流を知らせるサイレンを鳴らすとともに広報車でも呼びかけ、三原市にはファクスで通知した。雨が強くなった翌6日午後6時頃、県は放流量を通常の約50倍にあたる毎秒157トンに増やし、再度、市にファクスで放流量や今後も増やす方針であることを連絡。ただ、サイレンによる周知は行わなかった。

 沼田川は1時間半後の6日午後7時半、氾濫危険水位に達した。その10分後、気象庁による大雨特別警報(浸水害)を受けて、市が市全域に避難指示を発令した。最初の氾濫は午後10時10分に発生。その後も放流量は増え続け、7日午前0~10時には過去最大の毎秒400トン前後に達した。

 市は県から伝えられた2度の放流情報を、住民には知らせなかった。2度目のファクスで放流量の大幅増加を把握したが、発令していた避難勧告を避難指示に切り替えるかどうかの検討材料にもしていなかった。