八ッ場ダム本体工事と国交省のPR

 国土交通省は八ッ場ダム本体工事のPRに余念がありません。これをそのまま伝える記事が地元紙に掲載され、ヤフーニュースでも取り上げられています。
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 ◆2018年9月19日 上毛新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180919-00010001-jomo-l10
ー八ツ場ダム 工事の流れを動画で見よう 静止画像つなぎ合わせて完成 近くYouTubeで公開もー
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 マスコミは政府の広報に徹しているかのようです。

(9/16に撮影した現地の写真の下に、記事を転載しました。)

◇吾妻峡の小蓬莱(見晴らし台)より、上流側を望む。
 息を切らせて小蓬莱にやってきた少女が、「おかあさん、何にも見えないよ」と、後から坂を上ってきた家族に話している。中年の男性が「見晴らし台っていうから期待してきたのに…」と嘆息。 

◇吾妻峡と川原湯温泉を繋ぐ遊歩道は、ダム建設によってなくなった吾妻川沿いの国道に代わる観光ルートとして作られたはずだが、いまだに立入禁止。
 名勝・吾妻峡を列車で訪ねると、JR吾妻線の川原湯温泉駅、岩島駅いずれからもバスなどの公共交通はなく、徒歩で1時間かかる。ダム建設前、川原湯温泉街は吾妻峡まで徒歩20分足らず、両者はセットの観光地だった。温泉街と吾妻峡の中間地点には、上野発の特急が停車するJR川原湯温泉駅があったが、現在、徒歩で吾妻峡と川原湯温泉の両方を訪ねるのは、遊歩道が開放されない限り、ほぼ不可能。
 長野原町と東吾妻町はダム建設によって観光客が激減した川原湯温泉と吾妻峡の観光に力を入れているというが、観光客からは本気度を疑う声がよく聞かれる。国交省が遊歩道の開放に難色を示しているのか?

◇建設中のダム堤を上流側から撮影。八ッ場ダムのコンクリート打設には、ダム堤の上流側に左岸側から注ぐ八ッ場沢の沢水が使われているという。八ッ場沢はダム工事前はイワナの棲むきれいな川であったというが、今は濁っている。ダム堤の水が流れたところが汚れて見えるのはそのせいか。
 ダム堤の裏手に見える岩山が大蓬莱(左)と小蓬莱(右、見晴らし台のある岩山)。

◇ダム堤の上流側。ダム本体の骨材を運ぶ茶色いベルトコンベヤーが左岸(川原畑地区)の作業ヤードに向かって延びている。写真左端、ベルトコンベヤーの後ろの岩山の頂上は、本体工事見学用の展望台「やんば見放台」。その下の岩体は、縄文草創期から、弥生、平安、中世、近世と、各時代の遺跡が重層している石畑Ⅰ岩陰遺跡。

◇石畑Ⅰ岩陰遺跡の岩陰本体。岩体の上部には展望台「やんば見放台」があるが、足下の遺跡は見えない。遺跡は吾妻川沿いの緩斜面にも広がっており、昨年6~7月に発掘調査。群馬県埋蔵文化財調査事業団のサイトには、本体工事現場という悪条件の中で岩陰本体の発掘調査は行った今年4月の調査レポートも掲載されている。(「石畑Ⅰ岩陰 平成30年4月調査」
 岩体の手前には、吾妻川と並行してJR吾妻線と国道が走り、国道沿いに蕎麦屋「白糸の滝」と観光スポット瀧見橋への降り口があった。

◇鉄橋と並行して走っているのが旧国道の八ッ場大橋。名勝・吾妻峡はこの八ッ場大橋から下流の鴈ヶ沢までの約3.5キロを指す。両岸の岩にまたがる八ッ場大橋の優美なオレンジ色のアーチは、吾妻峡を訪れる観光客にとって、格好の被写体であった。写真手前には、こげ茶色の瀧見橋も橋桁を外された痛々しい姿で写っている。来年、予定通りにダム湛水が始まれば、すべてがダムの湖底となる。

◇上流側から見たダム堤。コンクリート打設8割超。手前の吾妻川の河床に見える四角いコンクリート構造物は、ダム建設中、吾妻川の水を迂回して流すための仮排水トンネル吞み口。ダム本体工事ではコンクリート打設完了後、水門設備の据付等を行い、仮排水トンネルを塞いでから試験湛水を開始する。巨大ダムの建設には通常、試験湛水に一年はかかるので、2019年度の工期末に向けて国交省は本体工事を急いでいる。

◆2018年9月19日 上毛新聞
ー八ツ場ダム 工事の流れを動画で見よう 静止画像つなぎ合わせて完成 近くYouTubeで公開もー

 来年度に完成予定の八ツ場ダム(長野原町)の工事の様子を知ってもらおうと、群馬県の国土交通省八ツ場ダム工事事務所は、同じ場所で工事現場を撮影し続けた写真をつなぎ合わせ、動画を完成させた。ダム本体が次第に出来上がっていく様子が分かる。近く動画サイト「ユーチューブ」で公開し、同事務所のホームページからも見られるようにする。

◎82枚を連続表示 季節の移ろいくっきり

 タイトルは「八ツ場ダムの工事【コンクリート打設】」。2016年6月のコンクリート打設開始を紹介した後、同年10月から打設が7割を超えた今年7月まで、下流側の同じ地点で撮影した写真計82枚を連続で表示している。画像の一部を切るなどして、コマごとのずれが少なくなるように調整した。

 動画ではダンプカーやブルドーザーといった重機によってコンクリートが積み重なっていく様子のほか、管理のための内部通路の穴、放水ゲート「常用洪水吐」の出口、紅葉や雪景色など周囲の景色の移り変わりも確認できる。同事務所は動画のほかに、ドローンを使用してダム周辺を空から撮影した映像、個人向けの「ぷらっと見学会」を紹介する動画も公開する予定。

 工事現場見学会「やんばツアーズ」は今年4月から個人向けを予約不要にしたこともあり、4〜8月の参加者は前年同期の約2.5倍の約2万5000人と急増している。事務所の担当者は「ダムが徐々に高くなっていく様子を見学の前後に見てもらうことで、より理解が深まる」としている。