国交省によるスーパー堤防の宅地利用に関する検討会(最終回)

 昨日(9月25日)、国土交通省関東地方整備局は第3回「宅地利用に供する高規格堤防の整備に関する検討会」を開催しました。
 高規格堤防とはスーパー堤防の正式名です。この検討会は8月1日に第一回、8月2日に第二回の検討会が行われ、今回が最終回でした。昨日は検討会の取りまとめ案について、最後の議論が行われました。

 検討会の配布資料が公開されましたので、お知らせします。

◆国土交通省関東地方整備局ホームページ
 「第3回 宅地利用に供する高規格堤防の整備に関する検討会(平成30年9月25日)」
 http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000366.html

 資料ー3 「宅地利用に供する高規格堤防の整備に関する検討会 とりまとめ」 【概要】
 http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000710705.pdf

 検討会の趣旨は次のようなものです。

 江戸川区北小岩一丁目のスーパー堤防整備事業において、高規格堤防が完成したので、2017年3月末に地権者(スーパー堤防建設前、建設地に居住していた住民)に引き渡そうとしたところ、宅地としての地耐力の不足が判明し、その強化工事のため、引き渡しが9月末へと半年間延期されました。高規格堤防の盛り土が、宅地としての安全基準を満たしていなかったためです。今後、このような問題が起きないようにスーパー堤防整備の手順をきめておこうというものです。

 堤防が今まで造成されたところは首都圏、近畿圏で約120カ所もあります(そのほとんどは高規格堤防の完成形である高さ1:幅30を満たしていない不完全な堤防)。そのうち、高規格堤防の上が一戸建ての住宅になっているところが何十カ所もありますが、不可解なことに今まで地耐力の不足が顕在化してきませんでした。

 江戸川区北小岩一丁目の高規格堤防は住民から中止を求める裁判が起こされていることもあって、江戸川区が念のために地耐力を確認したところ、不足している宅地が数多くあることが判明したものです。今まで造成された高規格堤防も、同様に地耐力の不足が実際にはあると考えられます。

 しかし、検討会はスーパー堤防を推進する国交省関東地方整備局が委員を先行し、同局が事務局を務めて結論を導きますので、こうした根本的な問題には触れずに終わります。昨年、関東地方整備局はスーパー堤防のスピードアップを目的とした検討会を開きました。しかし、まちづくりと一体化したスーパー堤防事業は、住民を工事期間立ち退かせるという強権的な手法を使い、巨額の費用と時間をかけながら、点でしか堤防ができないため、治水対策として何の役にも立ちません。以下の国交省資料を見れば明らかなように、事業は遅々として進んでいません。

下画像=第一回検討会配布資料「高規格堤防の概要}より




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〈参考ページ〉
◆日経BPの関連記事
https://yamba-net.org/wp/43214/

◆第二回検討会とスーパー堤防についての解説
https://yamba-net.org/wp/43339/