福島・只見川ダム訴訟控訴審、ダム管理者に寄り添う司法

 2011年7月の新潟・福島豪雨で只見川が氾濫した水害は、発電用ダムにたまった土砂の除去を怠ったことが原因であるとして、金山町の住民らが東北電力とJパワー(電源開発)に損害賠償を求めた控訴審の第1回口頭弁論が12月20日にありました。

 1969年にほぼ同規模の洪水があって、その時は氾濫がなかったのですから、2011年の氾濫の原因が土砂堆積による河床上昇にあることは明らかなのですが、今年3月の福島地裁会津若松支部の判決はその事実を認めませんでした。
 12月20日の控訴審第1回口頭弁論が即日結審になりましたので、控訴審も期待できません。

 全国のダムで堆砂が進む中、堆砂による水害の危険性はこれからさらに増していきますが、司法の姿勢がこのままでは、堆砂問題はいつになっても先送りです。

◆2018年12月21日 毎日新聞福島版
 https://mainichi.jp/articles/20181221/ddl/k07/040/193000 
ー新潟・福島豪雨 只見川ダム損害賠償訴訟 控訴審が即日結審 仙台高裁 /福島ー

 2011年7月の新潟・福島豪雨で只見川が氾濫した水害は、発電用ダムにたまった土砂を適切に取り除かなかったのが原因として、金山町の住民らがダムを管理する東北電力とJパワー(電源開発)に約2億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審第1回口頭弁論が20日、仙台高裁(小川浩裁判長)であり、双方の準備書面を確認して即日結審した。判決は来年3月15日。

 今年3月の福島地裁会津若松支部の判決は、1969年の大水害時の河床高を維持する義務があったと東北電力の一部過失を認定したものの、「浚渫(しゅんせつ)しても被害は回避できなかった。天災の結果」と水害との因果関係を否定し、原告側の請求を棄却。Jパワーの浚渫船が流出して本名ダムの放流ゲートを塞ぎ、上流の川の水位が上がって被害を拡大させたという主張も退けた。

 控訴した原告は20人。双方が高裁に提出した控訴理由書や準備書面によると、原告側は東北電力がダム設置時の河床高まで浚渫する義務があったと主張。同社は1審判決を肯定したうえで、地裁が69年当時の河床高まで浚渫する義務を負っていたとした点は「事実誤認」と反論している。

 原告団長の黒川広志事務局長(76)は「即日結審であぜんとした」と話した。【湯浅聖一】

◆2018年12月21日 河北新報
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201812/20181221_63026.html
ー<福島・只見川ダム訴訟>判決の取り消し住民側求め結審 仙台高裁控訴審ー

 2011年7月末の新潟・福島豪雨の只見川氾濫に伴う浸水被害を巡り、福島県金山町の住民ら20人が流域の発電用ダムを管理する東北電力と電源開発(Jパワー)に約2億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審第1回口頭弁論が20日、仙台高裁であった。住民側は請求を棄却した福島地裁会津若松支部判決の取り消し、東北電とJパワーは控訴棄却をそれぞれ求め、結審した。判決は来年3月15日。
 控訴理由書などで住民側は、浸水被害はダムの設置で只見川に堆積した土砂が河床を上昇させたことが原因と指摘。11年7月29、30両日の豪雨による河川流量は想定内だったとし、「堆積土砂を除去する義務を怠った」と改めて主張した。
 東北電とJパワーは答弁書などで、ダム設置者が負う河川機能の維持義務は河川管理者の指示が前提だと強調。「只見川管理者の国土交通省から何ら指示されていない。土砂の除去や護岸新設など設計上の必要な対策はした」と反論した。
 3月の支部判決は堆積土砂を除去しなかった東北電の注意義務違反を認めたが、浸水被害との因果関係は否定した。

◆2018年12月20日 日テレニュース
http://www.news24.jp/nnn/news16271709.html
ー新潟・福島豪雨で被害 民事裁判の控訴審ー

2011年の豪雨災害で被害を受けた金山町の住民らが、ダムを管理する電力会社を訴えた民事裁判の控訴審が行われた。

この裁判は、2011年の「新潟・福島豪雨」で洪水の被害を受けた金山町の住民らが、ダムを管理する東北電力と電源開発を訴えているもの。

一審の福島地方裁判所会津支部はこの訴えを棄却していたが、原告側が判決を不服として控訴していた。

仙台高等裁判所で開かれたきょうの控訴審で、原告側は「電力会社がダムの土砂を取り除くことを怠ったため被害が拡大した」と、2億円あまりの賠價を求めた。

これに対し、被告側は「被害は自然災害によるもので、過失はない」と主張した。

判決は来年3月15日に言い渡される。