西日本豪雨 肱川氾濫時、住民の6割が野村ダム緊急放流後に避難

 昨夏の西日本豪雨において、愛媛・肱川の野村ダムの下流では、住民の6割が緊急放流後に避難していたことが、愛媛大学の災害調査でわかったそうです。毎日新聞の関連記事がYahoo!ニュースに掲載されています。

 野村ダムの放流量は、緊急放流を始めてから1時間足らずで、300㎥/秒から1400㎥/秒まで急上昇しました。このように放流量を急激に増やしたので、野村ダム下流の住民は危険を察知することができませんでした。

 愛媛県の肱川では、西日本豪雨の際、野村ダムと鹿野川ダムの緊急放流後の水害で、8名の流域住民が犠牲となっています。
 両ダムを管理する国土交通省四国地方整備局は、さる2月21日、国交省の他の地方整備局と同様、「天皇陛下御在位三十年 記念ダムカード」を発行すると発表しており、記者発表を見ると野村ダムと鹿野川ダムも記念ダムカードの対象となっています。
 http://www.skr.mlit.go.jp/nakasuji/osirase/news269.pdf

 国土交通省はダムの広報に子供だましのダムカードの普及を進めていますが、以下の記事が引用している「ダムだけでは水害を完全に防げないことを理解し、災害状況に応じて避難できるように啓発や情報伝達が必要だ」という専門家の意見を踏まえるなら、流域住民の命を守るために、もっとやるべきことがあるはずです。

◆2019年2月26日 毎日新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190226-00000068-mai-soci
ー西日本豪雨 肱川氾濫時、住民の6割が野村ダム緊急放流後に避難ー

  昨年7月の西日本豪雨で、野村ダムの緊急放流後に肱川が氾濫し甚大な被害が出た愛媛県西予市野村町地区で避難した世帯のうち約6割(速報値)が緊急放流後に避難を始めていたことが愛媛大災害調査団の調査で明らかになった。26日の同調査団第4回報告会で報告された。

 調査は市や同大などが昨年12月から同地区の住民803世帯を対象に行い、316世帯から回答を得た。

 調査によると、野村ダムでは昨年7月7日午前6時20分、ダムの流入量とほぼ同量を放流する「異常洪水時防災操作」を実施。家から避難所などに避難した73世帯のうち60・8%が午前6時20分以降に避難し、緊急放流を挟んだ午前6時台の避難が最も多かった。避難世帯の約2割は浸水した場所を通っており、安全な避難ができていなかった。

 また、6割以上の世帯が「野村ダムが市民を水害から守ってくれると思っていた」と感じており、発表した同大社会共創学部の羽鳥剛史准教授は「ダムだけでは水害を完全に防げないことを理解し、災害状況に応じて避難できるように啓発や情報伝達が必要だ」としている。【中川祐一】