「淀川治水さらなる対策検討を」国交省会議、大戸川ダム言及せず

 4月22日、国土交通省近畿地方整備局は「淀川水系の河川改修について検証する有識者会議」を開催しました。
 淀川水系では、国直轄の大戸川ダム事業を巡り、滋賀県の三日月知事がダム推進に転じたことで、今後の行方が注目されています。

 淀川では、同じ近畿地方整備局が設けた淀川水系流域委員会がよく知られていますが、、別に「淀川水系の河川改修について検証する有識者会議」もつくられています。淀川水系流域委員会そのものもあるのですが、2000年代の委員会とは異なっています。当時は会場からも意見を言える開かれた委員会で、民主的な運営の下、ダム見直し方針を打ち出して注目されましたが、今は傍聴のみの委員会になっています。この有識者会議も傍聴のみです。

 22日に開催された「淀川水系の河川改修について検証する有識者会議」の委員長,中川博次氏(京都大学名誉教授)は昭和6年生まれの建設省OBです。80歳代後半でありながら、今も委員長を務めているのは、よほど国交省にとって都合の良い「有識者」であるからなのでしょう。

〈参照〉ダムインタビュー(60) 中川博次先生に聞く 「世の中にどれだけ自分が貢献できるかという志が大事」(日本ダム協会HP)

 中川氏は国土交通省本省の「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」の座長を2009年からずっと務めてきて、八ッ場ダムや石木ダムなど、事業推進のダム検証結果に次々とお墨付きを与えてきました。原子力村は福島原発事故によって、「有識者」の無責任ぶりが炙り出されましたが、硬直したダム行政を支える「ムラ」は温存されたままです。

◆2019年4月22日 京都新聞
https://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20190422000189
ー「淀川治水さらなる対策検討を」国交省会議、大戸川ダム言及せずー

  国土交通省近畿地方整備局は22日、淀川水系の河川改修について検証する有識者会議(委員長・中川博次京都大名誉教授)を開き、大津市の大戸川(だいどがわ)ダム建設を「凍結」としている河川整備計画に関する報告書案をまとめた。大戸川ダムには直接触れず、気候変動による豪雨の増加などを背景に「さらなる治水対策の検討」を求めるとした。

 報告書案では、計画に基づき天ケ瀬ダム(京都府宇治市)再開発など中上流部の河川改修が大幅に進んでいると評価し、今後も流域全体の安全度向上に向けて計画の着実な推進が必要とした。

 一方、温暖化の影響で宇治川、木津川、桂川の3川合流点での洪水の増加や長期間雨が降り続く事例などを踏まえ、「さらなる治水対策を検討すべき段階」とも明記した。具体策として、「瀬田川洗堰の全閉頻度の減少と放流制限時間の短縮に向けた対策」など5項目を挙げた。

 滋賀県の三日月大造知事が国に早期整備を求めた大戸川ダム本体の着工には、河川整備計画を見直す「凍結解除」の手続きが必要となる。委員会後の記者会見で中川委員長は「仮に大戸川ダムを造ったとすれば、天ケ瀬ダムの助けにはなる」との認識を示し、同整備局の中込淳河川部長は「計画改定の必要も含め、関係自治体などと議論していく」と述べた。

【 2019年04月22日 21時58分 】