八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

日本一の八ッ場バンジーは今年10月まで(日経新聞の記事)

 試験湛水が始まるまでは、日本一の高さを誇るという八ッ場ダム水没予定地のバンジージャンプを日経新聞も取り上げました。
 「営業は10月まで」ということは、試験湛水が始まるのは11月からということでしょうか? 公表された八ッ場ダムの工程表では、試験湛水は10月からとされていました。5月16日には超党派の国会議員連盟「公共事業チェック議員の会」が八ッ場ダムの安全性についてヒアリングを行いましたが、その場でも試験湛水の開始時期についての質問に対して、国交省の八ッ場ダム担当者は明確な回答を避けました。
写真右=八ッ場大橋に設けられたバンジージャンプ台。

 八ッ場ダム程度の規模(総貯水容量1億750万立方メートル)では、通常、試験湛水の期間を一年は確保します。ダム完成予定は来年3月末ですから、11月からだと試験湛水は僅か5ヶ月間のみとなってしまいます。しかも雨の少ない冬季です。
 八ッ場ダムの完成は2000年度→2010年度→2015年度→2019年度とこれまで3度延長されてきました。4度目の延長もすでに織り込み済みなのでしょうか?

 これまでのバンジージャンプの記事は、こちらのページにまとめてあります。
 
◆2019年5月17日 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44945870X10C19A5L60000/
ー八ツ場大橋にバンジー、ダム完成控え「今だけ」高さ日本一ー

 群馬県長野原町は2020年春の八ツ場ダム完成後の観光八ツ場バンジーは町が国内7カ所でバンジージャンプ振興につなげようと、ダム湖予定地に架かる八ツ場大橋でバンジージャンプの営業を始めた。貯水が始まる秋まで、高さ日本一のジャンプ台となる。ダム完成後は周辺にレジャー施設なども整備する計画で、観光地として全国に発信していく。

 4月、八ツ場大橋でバンジージャンプの開業式典が開かれた。「ファーストジャンプ」として橋の中央にあるジャンプ台に立ったのは長野原町の萩原睦男町長。大勢の人が見守る中、スーツ姿で台から飛び降りた。

 八ツ場バンジーは町が国内7カ所でバンジージャンプを手掛けるスタンダードムーブ(群馬県みなかみ町)と業務提携し運営する。ダム湖の底からの高さは106メートル。高さ100メートルのジャンプ台がある茨城県常陸太田市の竜神大吊(つり)橋を超える日本一の高さだ。

 15歳以上で、体重40~105キログラムの人が対象。料金は2万円で、ジャンプの瞬間を写真撮影してもらうこともできる。営業は10月まで。ダム湖に水がたまると湖面からの高さは約50メートルになるため、日本一の高さを味わえるのは「今だけ」だ。

 長野原町は近年、少子高齢化による人口減少に悩まされている。1950年代に8000人を超えていた町の人口は、現在は約5600人まで減った。流入人口の増加に向け、ダムを中心とした観光振興にかかる期待は大きい。

 ジャンプ台は八ツ場ダムの完成後、本格営業を開始する。町は20年春、JR川原湯温泉駅近くに地域振興施設を建設する予定。日帰り温泉が入るほか、キャンプやバーベキュー用の備品を用意し、駅利用者が手ぶらで楽しめるようにする。20年4月からJRグループの大型観光企画「デスティネーションキャンペーン」を控える中、観光客の受け入れ体制の整備も進める考えだ。

—転載終わり—

写真下=JR川原湯温泉の脇で始まった地域振興施設の工事。地域振興施設の中には、バンジージャンプの受付も設けられる予定という。2019年5月15日撮影

写真下=地域振興施設がつくられる土地は、国交省が水没住民の生活再建のために盛り土造成した代替地。もともとは宅地造成等規制法に基づき、「代替地の安全対策」を実施することになっていたが、宅地として分譲を希望する住民がいなくなり、宅地造成等規制法による安全対策の対象外となったと国交省は説明。線路の谷側はまだ空き地だが、地域振興施設の用地の他、ダム管理の緊急用に使われるという。5/15撮影。