八ッ場ダムの安全対策について、国会の議員連盟、国交省にヒアリング

 超党派の国会議員連盟「公共事業チェック議員の会」が八ッ場ダム事業における安全対策をテーマに衆議院議員会館会議室において、国交省の八ッ場ダム担当課(水管理・国土保全局治水課)に公開ヒアリングを行いましたので、報告します。
 
 このヒアリングは、当会の公開質問(3月15日)に国交省が回答(4月19日付)した内容を踏まえたものでした。

 八ッ場ダムの湛水域周辺には多くの地すべり地があります。水没住民の移転代替地がダム湖周辺に造成されたこともあり、八ッ場ダム事業ではダム湖周辺の安全確保が大きな課題とされます。2016年の八ッ場ダム基本計画の変更(第五回)では、ダム事業費の再増額要因として、地すべり対策に約96億円、代替地の安全対策に約44億円が必要であると、国交省は説明しました。
 今秋の試験湛水に備え、現地では対策工事が進められていますが、安全対策に疑問があることから、当会では3月15日に公開質問書を提出し、4月19日付で国交省八ッ場ダム工事事務所より回答を受け取りました。➡https://yamba-net.org/46680/

 以下の文字列をクリックすると、当会の公開質問と国交省の回答を対比した表が表示されます。
https://yamba-net.org/wp/wp-content/uploads/2019/05/689d173c2fc53d0783a6debb01a11d9a.pdf

 上記の対比表にあるように、国交省の回答は、「代替地の安全対策の疑問点」についての質問8項目のうち7項目、「地すべり対策の疑問点」についての質問7項目のうち6項目で回答がありませんでした。
 このため、ヒアリングでは「議員の会」事務局長の初鹿明博衆院議員(立憲民主党)、塩川鉄也衆院議員(日本共産党)や当会の会員らが、回答のなかった項目について、直接回答を求める形で進められました。

 しかし、今回のヒアリングでも、国交省の回答は具体性を欠くものでした。「代替地の安全対策の疑問点」の質問1、2、4、6、「地すべり対策の疑問点」の質問1、2、5、7において、「技術的な指針等に基づいて行っている」と述べましたが、「技術的な指針等」とは具体的に何を指すのか、説明しませんでした。八ッ場ダムを担当するという水管理・国土保全局治水課の中津熊真幸課長補佐は、「私の一存では答えられません。持ち帰って検討します。」と答える場面も何度もありました。

 「公共事業チェック議員の会」ではヒアリングで回答を求めたことを整理し、改めてヒアリング後に国交省に「公共事業チェック議員の会が5月16日のヒアリングで国土交通省に求めたこと」を提出し、回答を求めています。
 「公共事業チェック議員の会が5月16日のヒアリングで国土交通省に求めたこと」は以下をクリックすると表示されます。
https://yamba-net.org/wp/wp-content/uploads/2019/05/ad877600b1704188e417f916d3edf640.pdf

 関連記事を転載します。

◆2019年5月17日 上毛新聞
ー八ッ場周辺の安全性 国交省にヒアリング 超党派の国会議員らー

 超党派の国会議員でつくる公共事業チェック議員の会は16日、東京・永田町で八ッ場ダム(長野原町)に関するヒアリングを開き、水没予定地の代替地や貯水池周辺の安全対策を国土交通省の担当者にただした。

 地滑り対策に関する問題点などを指摘する公開質問書を提出した市民グループ「八ッ場あしたの会」のメンバーらが同席した。担当者は「持ち帰って確認する」
と述べた。

—転載終わり—

写真=ダム堤の右岸側にある川原湯地区の打越代替地。当初は鋼管杭などによる安全対策が行われることになっていたが、より安価なソイルセメントによる押さえ盛り土等に工法が変更された。2019年5月22日撮影。

写真=林地区勝沼。湖面橋・不動橋の左岸・上流側。押え盛り土工と排土工による地すべり対策が行われている。公開質問書に対する国交省の回答によれば、押さえ盛り土の幅は約520㍍(施工幅の最大値)、長さ約140㍍(法肩と法尻の水平距離)、土量約44万立方メートル。排土工の幅は約400㍍(施工幅の最大値)、長さ約180㍍、土量約32万立方メートル。2019年5月22日撮影。

写真=川原湯地区の水没予定地では、JR吾妻線の線路跡で発掘調査が行われている。