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国交省、第4回「気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会」開催

 5月末に国土交通省が「第4回 気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会」を開きました。最近の気候変動を踏まえて、治水計画を見直していくための検討会です。具体的には、地球温暖化で洪水流量が大きくなるので、河川整備計画の治水目標流量を引き上げる必要があるということです。

 検討会の配布資料は国交省のホームページに掲載されています。
 http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/chisui_kentoukai/dai04kai/index.html 

 気候変動といってもどこまで科学的な予測ができるのか、わからないところがありますが、国土交通省は次のように河川整備計画の目標を見直していくことを考えています。

 「目標の見直し ○ 河川整備計画では、多くの一級河川で過去(主に戦後)に発生した最大の豪雨が発生しても被害の発生を防止することを目標にしているが、 気候変動の影響があっても目標とする治水安全度が確保できるよう、河川整備の目標を見直し、河川整備のメニュー充実と加速を図ることが必要。 」(資料6 気候変動を踏まえた治水計画のあり方 提言骨子(案)

 洪水目標流量の引き上げに対応する手段として治水ダムがもっと必要という話になる可能性があります。といっても、新たなダム計画を立ち上げるような時代ではありませんので、既設ダムを見直して、既設ダムの治水容量を増やすことが進められていくことが予想されます。 国土交通省の今後の動きを注視していく必要があります。

 国交省中国地方整備局は今年5月、岡山県を流れる旭川の河川整備計画の変更を発表しました。既設ダムの発電容量を治水容量へ転用するということです。水道や工業用水道の需要が減少してきていますので、今後は発電容量だけでなく、水道のためにダムに確保された利水容量の一部を治水容量に転用することも計画されていくように思います。

◆2019年6月1日 毎日新聞東京朝刊
https://mainichi.jp/articles/20190601/ddm/001/040/109000c
ー地球温暖化 豪雨増 「100年に1度」最大1.4倍 国交省、治水見直しー

 国土交通省の有識者検討会は31日、地球温暖化によって将来の豪雨時の降水量が全国平均で1・1倍になるとの試算を示し、これを国管理の河川の治水計画に反映すべきだとする提言骨子案をまとめた。これまで河川整備計画は、各地域で過去に起きた最大の豪雨を基に、河川の系統ごとに作られてきたが、気候変動の将来予測を取り入れる方法に転換する。

 昨年7月の西日本豪雨など、近年、大規模水害が頻発していることなどを受け、検討会は気候変動の影響があっても安全が確保できるように議論を進めていた。今夏にもまとまる提言を基に、国交省は河川整備計画を見直していく。

 政府は現在、地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」に基づき、産業革命前からの気温上昇を2度未満に抑えることを目標に温室効果ガス排出削減に取り組む。既に世界の平均気温は約1度上昇しており、大規模水害が頻発している。

 このため検討会は、2度上昇したと想定して「100年に1度」の頻度で起きる豪雨の降水量を試算し、全国平均で現在の1・1倍になると予測。温暖化対策を全く取らない場合は4度上昇するとの想定でも試算し、降水量は1・3倍、地域別では1・1~1・4倍になるなどとした。

 骨子案は、2度上昇の降水量予測に基づいて河川流量を算出し、河川整備計画を変更するよう求めた。また、4度上昇の試算も考慮し、堰(せき)などの施設設計をするよう提言している。

 河川整備計画を見直すと、堤防の設計やダム計画、排水設備などの変更が各地で必要になる。検討会委員の山田朋人・北海道大准教授(河川工学・水文(すいもん)学)は「今後は将来予測を含めた治水計画が必要だ」と話した。【斎藤有香】