八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

設楽ダム地質調査を “「活断層」濃厚” 国交省に市民ら要望

 設楽ダム(愛知県)予定地の断層は「活断層」の可能性が濃厚であるとして、高木基金で設楽ダム予定地の地質を調査してきた市民グループなど複数の市民団体が国土交通省本省担当者と面談し、再調査を求めました。

 担当者は、5月に「公共事業チェック議員の会」が八ッ場ダムの地すべり等の安全対策について公開ヒアリングを実施した際に答弁した国土保全局治水課の課長補佐でした。(参考→「八ッ場ダムの安全対策について、国会の議員連盟、国交省にヒアリング」

 設楽ダムも八ッ場ダムも複雑な地質問題を抱えています。担当者と言いながら、具体的な回答は一切なく、追及をかわすのが目的の対応であることがよくわかります。しかし、市民団体の提示している問題は重大であり、国土交通省の対応はあまりに無責任と言わざるをえません。

 以下の記事は、設楽ダム予定地の活断層の問題に焦点を当てて詳しく報道していますが、面談に参加した市民グループによれば、活断層だけを取り上げたのではなく、予定地が大規模岩盤すべり、いわゆる深層崩壊を繰り返している場所であることを、もう一つ重要な問題として取り上げ、国交省の見解を求めたとのことです。

◆2019年8月28日 しんぶん赤旗
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-08-28/2019082814_02_1.html
ー設楽ダム地質調査を “「活断層」濃厚” 国交省に市民団体 本村議員参加ー

  設楽ダム(愛知県北設楽郡設楽町)予定地の断層は「活断層」の可能性が濃厚―。同ダム建設予定地の地質調査を行っている市民グループが27日、衆院第1議員会館で、国土交通省に同ダム建設予定地の地質地盤について再調査を求めました。日本共産党の本村伸子衆院議員が参加しました。

 市民グループは2015~17年度の地質調査報告書を入手し検討。同ダム建設は「大きなリスクを背負い込む」として3月、同省中部地方整備局長らに意見書を提出。その後、支障がないと書かれたサイト斜面を斜めに切る断層を「活断層」と判断。4月、設楽ダム工事事務所に説明しましたが、「何の応答」もなく、本省の対応を求めたもの。

 同省は「(第四紀断層の)第1次調査で活断層が見つからなかった。1次調査で見つからなければ2次調査は行わない」と述べました。

 市民側は「活断層」の証拠となる地点の岩盤、断層、地層などの写真を担当者に見せながら「何をもって活断層がないと判断したのか根拠を示してほしい」「1次調査の後に、怪しい活断層が出てきたときに見直す気はないのか」と迫りました。

 本村氏は「活断層でないと断言できないのなら本体工事発注前に活断層かどうか、国が調査して科学的根拠を示してほしい」と要望。同省は「話を持ち帰る」とだけ答えました。

 市民グループは設楽ダム予定地周辺の地質調査グループ、水源開発問題全国連絡会、設楽ダムの建設中止を求める会、設楽ダム第2次住民訴訟原告団の4団体。