長崎県がホームページで、石木ダムの工期を2022年度から2025年度へ3年間延長することを審議する長崎県公共事業評価監視委員会を9月30日に開催と公表しました。
ただし、石木ダムのことは表には出ておらず、下記の「令和元年度 第2回公共事業評価監視委員会の開催について」を開くと、最後のページに右の石木ダムの事業位置図があるだけです。長崎県公式ホームページより転載します。
◆第2回長崎県公共事業評価監視委員会の開催について
https://www.pref.nagasaki.jp/press-contents/406313/
長崎県政策評価条例に基づき、再評価の対応方針(案)について諮問するため、以下のとおり長崎県公共事業評価監視委員会を開催します。
なお、会議は公開といたします。
1 開催日時 令和元年9月30日(月曜日)13時30分から
2 開催場所 サンプリエール 5階 エトワール(長崎市元船町2-4)
3 議題 再評価の対応方針(案)について
4 傍聴定員 36名
5 取材について
会議は公開としておりますので、取材は可能です。
会議結果は、後日、議事録等を作成し公表します。
令和元年度 第2回公共事業評価監視委員会の開催について[PDFファイル/445KB]
長崎県公共事業評価監視委員会
長崎県が実施する公共事業評価のうち、再評価・事後評価について、知事の諮問に応じて調査審議を行う学識経験者等から構成される委員会です。
再評価・事後評価に基づき作成した対応方針(案)について審議を行い、不適切な点又は改善すべき点があると認めた場合には、知事に対して意見書を提出します。
—転載終わり—
委員会は一般に対しても公開されますが、傍聴定員は36名で、希望者が定員を超えた場合は抽選が行われるとのことです。
佐世保市の過大な水需要予測を前提とした石木ダム事業の欺瞞性を明らかにしてきた嶋津暉之さん(水源開発問題全国連絡会共同代表、当会運営委員)は、今回の事業評価監視委員会について次のように語っています。
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石木ダムに関しては前回は2015年度に公共事業評価監視委員会が開かれ、意見書で、「県は反対地権者の疑問点について説明を継続し、円満な解決が図られるよう最大限努力することを求めたい。」と述べています。
今回、強制収用の可能性を示唆する長崎県当局に対して、待ったをかけるとともに、石木ダム事業の虚構についてまともに審議することを期待します。
今回の工期延長では、佐世保市水道の水需要予測のやり直しが必要になります。現在の水需要予測は、2012年度の市の再評価で行ったもので、2022年度のダム完成を前提としてつくられています。
佐世保市は下のグラフのとおり、水需要の実績が明らかに減少傾向にあるにもかかわらず、水需要が急上昇するという無茶苦茶な架空予測を行っています。
2025年度への工期延長に伴う水需要予測のやり直しにおいて、市の予測の非科学性を追及していく必要があります。
★「佐世保市水道の水需給のグラフ」は、以下の文字列をクリックすると拡大版が表示されます。
https://yamba-net.org/wp/wp-content/uploads/2019/09/2eef17336c414557c4f1fbc601821c6e.pdf
◆参考 長崎県ホームページ「公共事業評価監視委員会」より
「平成27年度長崎県公共事業評価監視委貝会意見書(2015年10月14日)」
https://www.pref.nagasaki.jp/shared/uploads/2015/10/1444793414.pdf
諮問があった再評価対象21事業及び事後評価対象9事業については、いずれも対応方針(原案)どおり認める。
ただし、「川棚川河川総合開発事業(石木ダム)」について、県は反対地権者の疑問点について説明を継続し、円満な解決が図られるよう最大限努力することを求めたい。
【参考】
1.審議過程における主な意見
○川棚川河川総合開発事業(石木ダム)
・気候変動による近年の雨量の状況を見ると、県が示す1/100の確率規模の雨量は近々に発生しうる雨量であり、安全・安心の観点から当事業の必要性は高い。
・冶水による安全性に加えて、利水による住民の生活や地域経済にお・ける影響、環境保全などにより総合的に判断することが重要である。それぞれの技術的な面や事業の効果などについて多様な意見を交える場を設け、合意に至って欲しい。
—転載終わり—
〈参考ページ〉「石木ダム完成、3年延期で長崎県調整」