政府の経済政策に盛り込む災害対応策の概要(日本経済新聞)

 政府が12月上旬にまとめる経済対策などに盛り込む災害対応の概要について、日本経済新聞が報じています。
 「堤防の住宅地に面する側にブロックを敷き詰めるなどして決壊しづらいように補強する」、「洪水の抑制に効果が高いとされる川底の掘削に力を入れる」と書かれています。これらはいずれも、ダム建設よりはるかに安価で治水効果が高いことから、私たちが治水対策として必要と訴えてきたことです。
 この二つの施策に重点を置いた治水対策が進められることを期待しますが、詳細はわかりませんので、中身をよく調べる必要があります。

◆2019年11月25日 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52569310V21C19A1EE8000/
ー地方河川決壊しにくく 豪雨対策で堤防補強や遊水池ー

 政府が12月上旬にまとめる経済対策などに盛り込む災害対応の概要が固まった。一連の台風被害によって地方の河川で多数の堤防が決壊したことから、堤防の補強や川底の掘削、ダムのかさ上げといった治水対策に重点を置く。発電用ダムを運営する電力会社などにも洪水を抑えるための協力を求める。既存施設を最大限活用し、頻発する豪雨に対応する体制を整える。

 災害対応の中心は水害への備えだ。10月に日本に上陸した台風19号では全国140カ所で堤防が決壊し、浸水面積はここ10年で最大となった。

 被害が大きかった長野県の千曲川や福島、宮城両県の阿武隈川といった都心部に比べて対策が半ばの地方の河川を中心に、堤防の住宅地に面する側にブロックを敷き詰めるなどして決壊しづらいように補強する。

 大雨時に大量の水をためることができるように遊水池の整備を進める。既存ダムもかさ上げや放流管の新設によって洪水対策に使用できる容量を増やす。

 被害があった河川以外にも、氾濫が発生する危険性が高い箇所に重点的に対応する。

 今秋の台風では大規模河川だけでなく、支流の中小河川も各地で氾濫した。こうした河川では洪水の抑制に効果が高いとされる川底の掘削に力を入れる。たまった土砂を取り除くことで受け入れられる水量を増やす効果が期待できる。定期的な実施が必要で費用もかさむことから、総務省は2020年度予算で地方交付税を充てて財政支援する仕組みを設ける。

 発電や農業に使われる利水ダムの治水活用も進める。利水ダムの貯水容量は約70億立方メートルに達し、治水ダム(110億立方メートル)の6割の規模に及ぶ。ダムの新設には予算の制約があるほか、立地に適した場所が少ないという課題もある。そのため緊急時には放流が指示できるように電力会社などと事前に協議し、放流で損失が生じた際の補償制度の検討を進める。

 都市部での水害対策も課題だ。台風19号により、首都圏のタワーマンションでは電源設備の浸水による停電が長期間続くなどの混乱が生じた。このため、集合住宅や住宅団地で浸水被害を防止するためのガイドラインを策定する。浸水を防ぐ止水板の設置や水が入りにくい構造での市街地の再開発を促す。

 都市部では排水能力を超す大雨で下水の逆流などが起きる「内水氾濫」が発生した。そのため街中で雨水をためておく施設や排水設備を整備していく。

 災害時に支援物資を運んだり、避難経路になったりする交通インフラの補強にも取り組む。鉄道や道路橋の損傷を防ぐ。公園や道の駅を避難場所として活用するために支援物資の備蓄や機材の配備も進める。

 ソフト面での対策にも取り組む。台風19号が日本に上陸した時には、国土交通省の大雨情報サイトにアクセスが集中して障害が発生した。通信回線の容量拡大やシステムの改良を進めていく。水害が起きた場合、被害がどの程度かを地図上で示す洪水ハザードマップが未作成の河川についてのリスク情報も提供する。気象レーダーや地域気象観測システム(アメダス)による観測体制も強化する。