静岡・山梨両県、富士川水系合同調査、半年経た結果発表、発生源は平行線

 駿河湾特産のサクラエビの不漁の一因と指摘される富士川の濁りについて、静岡、山梨両県が昨年5月から7月にかけて合同調査を行ったものの、半年間その結果が公表されずに来ました。ようやく、さる2月3日に、それぞれの県庁で記者会見が行われたことから、マスコミ各社がその結果を報道しています。富士川水系の濁りについては、駿河湾のサクラエビ不漁の原因と指摘されており、調査結果から雨畑川上流や雨畑ダム貯水池の濁りが駿河湾に流れ込んでいることが推測されるものの、雨畑ダムのある山梨県が濁りの原因を発表分に記載することに難色を示し、発表が遅れたようです。

◆2020年2月3日 テレビ静岡
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200203-00000010-sut-l22
ー富士川の濁り 雨畑ダムで基準値の60倍超え サクラエビ不漁との関連探る 静岡ー

 サクラエビの不漁との関係は?

静岡・山梨両県が富士川の濁りについての調査結果を公表です。

静岡・山梨両県は漁業者から富士川の濁りの調査を求める声をうけ、去年5月から7月に富士川や支流にある雨畑ダムなどを調査してきました。

調査の結果、富士川の本流では濁りの程度は落ち着いていたものの、雨畑ダムでは最大で富士川の環境基準の64倍の浮遊物が検出されたことがわかりました。

静岡県水産業局・中平英典局長 「一般論としては、濁りの程度がひどければそれはサクラエビに限らず川の生物、海の生物には良い影響は与えないと。そこをいかに改善していくのがこの調査の目的」

両県は今後、濁りの発生要因や駿河湾に与える影響などについて調べる方針です。

◆2020年2月3日 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55185840T00C20A2L61000/
ー富士川の濁り、原因は記載せず 静岡・山梨両県が調査結果ー

 駿河湾特産サクラエビの不漁の一因と指摘される富士川の濁りについて合同で調べていた静岡、山梨両県は3日、調査結果を発表した。富士川に合流する早川の中下流や早川支流の雨畑川で強い濁りを確認した。だが、焦点だった濁りの原因については発表文に記載せず、静岡県が別途「独自の補足」を付け加える異例の形式となった。

 両県は2019年5~7月、早川水系と山梨県内の富士川本流で濁りの度合いを示す浮遊物質量(SS)を調べた。その結果、環境基準の4倍を超えた観測地点があった調査日が、早川中下流で5日、雨畑川上流・雨畑ダム貯水池では8日あった。雨畑川由来の濁りが駿河湾へ流れ込んでいることが推測される。

ただ、濁りの原因を発表文に記載するかどうかで両県の調整が難航。最終的に記載しないことで合意したものの、静岡県の中平英典水産業局長は3日の記者会見で、発表文とは別に「雨畑川上流からの土砂流入が原因の可能性が高い」など3項目の見解を示した。

サクラエビの不漁と濁りの関連については両県とも「不明」とした。ただ中平局長は「一般論として水の濁りは海の生物に良い影響を与えない」と指摘。山梨県は「因果関係を証明するのは静岡県だが、できることは協力したい」としている。

今後、山梨県は濁りの原因の把握、静岡県は調査研究に努めるなどして「水環境の保全に連携して取り組んでいく」ことで一致した。

◆2020年2月3日 東京新聞経済面
https://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/202002/CK2020020402000138.html
ー駿河湾 サクラエビ 不漁原因?地元懸念 河川上流に濁りー

 静岡県は3日、駿河湾のサクラエビ不漁との関連が指摘される富士川水系の水質調査の結果、山梨県早川町の雨畑(あめはた)ダム上流の雨畑川で基準値を大幅に上回る濁りが確認されたと発表した。さらに上流部で起きた山崩れが原因の可能性があるという。不漁との因果関係は不明としている。

 県によると、調査は山梨県と合同で昨年5~7月、富士川や支流の雨畑川、早川で実施。雨畑川上流では、降水量の少なかった6月下旬や7月上旬でも、水1リットルに含まれる土砂などの浮遊物がそれぞれ180ミリグラム、480ミリグラムと、基準値の25ミリグラムを大幅に上回った。早川下流でも7月上旬に190ミリグラムが確認された。

 雨畑川は早川などと合流して駿河湾に注ぐ。同湾ではサクラエビの不漁が続き、地元漁協が汚泥との関係を懸念している。

◆2020年2月4日 静岡新聞
https://www.at-s.com/news/article/politics/shizuoka/733380.html
ー富士川水系濁り、継続調査 静岡、山梨両県 発生源は平行線ー

  静岡、山梨両県は3日、駿河湾産サクラエビの不漁を契機に合同実施した富士川水系の濁り調査の分析結果や今後の対応策を発表し、濁りの発生源の特定には至らなかったことを明らかにした。記者会見はそれぞれの県庁で行われた。両県は調査を継続する必要性では一致したが、濁りの不漁への影響には踏み込まず、一部の漁業者からは落胆の声が漏れた。

 昨年5~7月に調査後、発表まで半年が経過したことに、静岡県水産業局の中平英典局長は「どう評価するかで長引いた」と釈明。由比港漁協の宮原淳一組合長は「上流と下流で危機意識の違いも感じている」と指摘し、今後の調査への期待を口にした。
 調査継続の合意事項として、山梨県は早川水系で濁りの粒の大きさの調査を行い、発生源を追跡。静岡県は早川から水力発電用の導水管を経て海に注ぐ濁水が放水路沖で水中に拡散する様子を調査するなど、不漁に与える影響を研究する。

 山梨県側は濁りがサクラエビに及ぼす影響に懐疑的姿勢だったが、会見で同県は「同じ流域なので必要な協力はしていく」(渡辺延春大気水質保全課長)と述べ、県境を越えた合同調査を依頼した本県に理解を示した。

 調査結果の評価で、濁りの発生源は平行線のままだった。中平局長は「雨畑ダム上流部からの土砂流入が原因の一つの可能性がある。(産業廃棄物の汚泥やコンクリ片など昨年相次いで発覚した)不法投棄も発生源になりうる」と指摘。渡辺課長は「雨畑ダムが濁りの原因の一つであるだろうが、それだけではない」「砂利プラントやリニア中央新幹線の工事は排水を検査している」などと述べ、地質の可能性も挙げ「科学的に説明できるかは難しい」とした。

 駿河湾に注ぐ導水管を管理する日本軽金属蒲原製造所の担当者は「調査が公正かつ円滑に実施されるよう協力してきた。今後もこの体制を継続する」とコメントした。

◆2020年2月4日 毎日新聞静岡版
https://mainichi.jp/articles/20200204/ddl/k22/010/136000c
ー富士川水系、駿河湾への影響研究 県と山梨県「濁りより改善を」ー

 県と山梨県は3日、2019年5~7月に計9回合同で実施した富士川水系の水質調査の結果を踏まえ、同水系の濁りが駿河湾に与える影響について研究を進めることで合意した。県庁で記者会見した中平英典・県水産業局長は「濁りをより改善する方向での合意。サクラエビ漁に対して前向きなインパクトが与えられると思う」と述べた。

 調査結果によると、山梨県内の早川上流と富士川は濁りの程度が比較的落ち着いていた▽早川中流―下流は濁りの程度の大きい状態の日が5回あった▽早川の支川の雨畑川上流と雨畑ダム貯水池は、濁りの程度の大きい状態の日が8回あった。

 調査結果を踏まえた主な合意事項は、山梨県は濁りの発生要因の把握に努める▽静岡県は富士川水系などの濁りが駿河湾に与える影響の調査、研究を進める▽両県は富士川水系の水環境保全に連携して取り組む。濁りの原因については合意事項に含まれていないが、中平局長は「原因の一つは、雨畑川上流部からの土砂流入の可能性が高い。土砂流入防止対策を国や山梨県に働きかける」と語った。

 サクラエビへの影響を中平局長は「この調査結果だけでは分からない。ただ、著しい濁りが続けばサクラエビに限らず海や川の生物に良い影響を与えない」と説明。調査結果の評価をどうするかで山梨県と調整が難航したことも明らかにした。【山田英之】

◆2020年2月4日 毎日新聞山梨県
https://mainichi.jp/articles/20200204/ddl/k19/020/093000c
ーサクラエビ不漁・県富士川水系調査 水質との関係「不明」ー

  県大気水質保全課は3日、サクラエビの不漁問題で、静岡県と実施してきた富士川水系の水質調査結果を公表した。早川上流域や県境付近の富士川本川では、水の濁りを示す浮遊物質量はほぼ環境基準値内だったが、早川中下流域や雨畑川上流域では高い数値が出た。不漁との関係について、同課の渡辺延春課長は記者会見で「不明。科学的で冷静な議論が必要」との見解を示した。

 両県は2019年5~7月に計9回、14地点で調査。今後も続け、山梨県は濁りが強い場所について原因の解明を目指す。【野呂賢治】

◆2020年2月3日 産経新聞経済面
https://www.sankei.com/economy/news/200203/ecn2002030009-n1.html
ーサクラエビ不漁の原因は不明 山梨、静岡両県に温度差もー

 静岡・駿河湾サクラエビの記録的不漁を受けて山梨、静岡両県が昨年行った富士川水系の水質調査について、両県は3日、川の濁りの原因やサクラエビ不漁との因果関係は不明で、引き続き調査すると発表した。ただ、濁りの原因については両県で温度差がある。

 サクラエビの不漁をめぐっては、土砂の堆積が進む雨畑ダム(山梨県早川町)から雨畑川、早川、富士川を経て駿河湾に流れ込む濁った水が餌のプランクトンの生育を阻害しているとの主張が静岡県側にある。

 このため同県が山梨県に共同調査を要請し、5~7月に計9日間実施した。調査結果を踏まえ、両県がこの日、それぞれメディアに同じ文書を発表して記者会見した。

 雨畑ダムから流れる早川では下流のほうが濁りが強い傾向があるため、山梨県大気水質保全課は「雨畑ダムだけが濁りの原因ではない。静岡県とは意見の対立はない」と説明。

 一方、静岡県水産業局は「濁りの大きな原因は雨畑ダムなどからの土砂の流入と考えられると文書に盛り込もうとしたが、山梨県と合意できなかった」とした。

 山梨県は「川の濁りとサクラエビ不漁の因果関係は不明」とした。静岡県は「濁りが大きければ生物に影響を与えるのは当然」との見解を示した。