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八ツ場ダム周辺 地域振興へ新組織 長野原町などが設立(上毛新聞)

 今年3月に完成が予定されている八ッ場ダムを抱える長野原町が、ダム完成後の地域振興を目的とした組織を設立したとのことです。ネットニュースにも掲載されていますが、紙面記事を全文転載します。

◆2020年2月5日 上毛新聞
https://www.jomo-news.co.jp/news/gunma/politics/191274
ー八ツ場ダム周辺 地域振興へ新組織 長野原町などが設立ー

 八ツ場ダムの完成を本年度末に控える群馬県長野原町などは4日、町の一体感を醸成し、地域振興や観光誘客に取り組む新組織「つなぐカンパニーながのはら(つなカン)」を設立した。エリア別に発信してきた観光地情報を一元化したポータルサイトを新設し、ダム周辺に整備される振興施設をアピール。まちづくりを協議する委員会などを立ち上げ、町内の住民同士の交流促進や住民による企画型事業の実現も後押しする。

 ダム周辺では、生活再建事業の一環としてアウトドアレジャー施設や屋内運動場、農産物加工施設といった地域振興施設が建設され、地元出資会社が運営する見込み。つなカンは、町内全域の観光情報を発信する新たなポータルサイト「ながのはら♪ ら♪ ら」を開設。これらの振興施設を町内外にアピールし、誘客につなげる。

 サイトは、これまで町内三つの観光協会(長野原観光協会、川原湯温泉協会、北軽井沢観光協会)がそれぞれに発信してきた観光情報を一元化し、観光客の町内での周遊を促す。加えて「みんなで育てていくサイト」と位置づけ、住民や観光客らからの会員制交流サイト(SNS)などの投稿も反映できるようにする。

 つなカンには、ダムの周辺観光や北軽井沢の活性化策、ダムガイドなどの人材育成支援などを協議する委員会も設置。当面は五つほどの委員会を設ける。

 地域振興の取り組みに町民の参加を促すため、町民から寄せられた企画案に補助金を支給し、実現を後押しする支援策も導入する。
 こうした事業展開に加え、地域振興施設として建設された滞在型市民農園「クラインガルテン」やダム周辺の湖畔公園などの維持管理も担う。ダム堤体などを使うインフラツーリズムの担い手となるツアー運営業者や団体などと、ダムを管理する国とのパイプ役を担う構想もある。

 新施設設立を巡り、町は昨年7月から住民参加のワークショップを開催、秋に準備委員会を立ち上げた。この日は、設立社員総会と理事会が町役場で開かれ、代表理事には萩原睦男町長が就任し、町内の観光関係者ら13人が役員に就いた。

 萩原町長は「地域振興施設などが完成しておらず不安もあると思う。人や地域をつなげて振興策を考えたい。まちづくりを自分のこととして考える人材を育てる場にもしたい」と話した。

 4月1日に登記し、一般社団法人に移行。町内外から会員を募っていく。2月11、28日、3月2日には、住民向けの説明会を開く。