八ッ場ダムの竣工式延期とコロナ感染拡大に伴う公共工事の中止・延期

 八ッ場ダムの工期は2019年度です。ダム完成を祝う竣工式が3月に開催される予定でしたが、今朝の上毛新聞社会面によれば、式は延期になったとのことです。
 国土交通省は昨日28日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、国交省や各地方整備局などが発注した直轄工事を原則、一時中止したり工期を延長したりすると発表しました。期限は3月15日まで、とのことですが、八ッ場ダムの竣工式の延期もこの発表と関係しているのでしょうか。
 
 安倍首相は昨日28日、全国の小中高校の一斉休校を要請しました。この要請について、現場や子育て家庭への影響の大きさや感染症の専門家らによる感染防止効果への疑問がクローズアップされています。公共工事の中止・延期という政策についても、下請け業者への影響の深刻さや経済全体への打撃の大きさを指摘する意見があります。

◆国土交通省HPより 赤羽国土交通大臣会見 2020年2月28日
 http://www.mlit.go.jp/report/interview/daijin200228.html

「もう1点御報告がありまして、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた直轄工事及び業務の対応についてです。
国土交通省では直轄工事や業務において、受注者の意向を踏まえ、一時中止や工期の延長等の措置を行います。
工事や業務の一時中止の期間は、3月15日までの約2週間とし、この措置に伴う経費については、発注者が適切に計上することといたします。
詳細については事務方にお尋ねいただければ説明させていただきます。」

— 転載終わり–

 関連記事を転載します。

◆2020年2月29日 上毛新聞(新聞サイトの記事は紙面記事の前半部分が掲載されています。)
https://www.jomo-news.co.jp/news/gunma/society/196624
ー八ッ場ダムの竣工式延期へ 国方針ー

 3月29日に実施する方向で調整していた八ッ場ダム(長野原町)の竣工式について、新型コロナウイルスによる肺炎拡大の影響を踏まえ、国が延期する方針を決めたことが28日、地元関係者への取材で分かった。延期後の日程は示されていない。

 ダムは昨年10月に試験湛水が始まり、最低水位を維持している。関係者によると、安全性が確認され、流木の撤去作業などもおおむね完了したため、3月上旬ごろから本格運用に向けた湛水を開始する見通し。

 国土交通省八ッ場ダム工事事務所は「竣工式の日程は現時点で調整中。コロナウイルスの問題を含めて検討している」としている。

◆2020年2月28日 朝日新聞
https://digital.asahi.com/articles/ASN2X5QV5N2XULFA03D.html
ー国直轄工事を一時中止や工期延長 国交省、感染防止で初ー

  赤羽一嘉国土交通相は28日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、国交省や各地方整備局などが発注した直轄工事を原則、一時中止したり工期を延長したりすると発表した。期限は3月15日まで。感染防止を理由とした公共工事の中止は過去に例がないという。

 最終的には、工事を受注した建設業者や測量業者らの意向を確認して判断する。常時監視が必要な道路や河川などの維持管理の事業は対象外。

 中止期間にかかった現場事務所の維持費や建設機械のリース代などの経費は国が負担する。工事が年度内に終わらない場合は繰り越せるようにする。

◆2020年2月28日 読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20200228-OYT1T50206/
ー国交省発注の公共工事、一時中止や延期に…作業員の感染防止目的ー

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、赤羽国土交通相は28日の閣議後記者会見で、国交省や各地方整備局などが発注した公共工事について、3月15日まで一時中止や延期の措置をとると発表した。現場で働く作業員らの感染拡大を防ぐことが目的。感染症に伴う全国的な公共工事の中止措置はこれまで例がない。

 国交省によると、対象の工事は、道路舗装や河川の堤防整備など約1万件。残りの工期が短い場合や、作業員手配のキャンセルが難しいケースもあり、最終的な中止や延期の判断は工事を受注した建設会社や設計会社などの意向を踏まえる。延期や中止によって生じた経費については国側で負担する。

◆2020年2月28日 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20200228/k00/00m/040/232000c
ー国交省、公共工事の一時中止認める 対象は8000件以上 新型コロナ感染拡大でー

 赤羽一嘉国土交通相は28日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、国の公共工事について受注企業から要請があれば、最長で3月15日まで一時中止を認める方針を明らかにした。作業員同士の感染防止や、小中高校などの臨時休校により子供がいる作業員が就業できないことを想定した措置。道路や河川など国直轄工事8000件以上が対象になる。

 国交省によると、災害時に局所的に同様の措置を講じたことはあるが、全国一律に実施するのは異例。同省が受注企業に意向を調査した上で、要請があれば、一時中止や工期延長を認める。現場事務所の借り上げなどで経費が増加する可能性があるが、赤羽氏は「経費は発注者が適切に計上する」と述べ、国が負担する考えを示した。自治体にも国の措置を参考にするよう通知した。

 また国交省は、有効期間が2月28日から3月31日までの車検証について、全国一律に4月30日まで延長すると発表した。多数の申請者が全国の運輸支局の窓口に集中すると感染拡大リスクが増大すると判断した。災害による避難生活などを考慮して延長したことはあるが、災害以外で実施するのは初めて。【松本惇】

◆2020年2月28日 日経XTECH
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00142/00654/
ー建設現場で相次ぐ新型コロナ感染、国交省は工事中断も視野ー

 建設現場で新型コロナウイルスの感染が相次いでいる。熊本県内の同じ現場で働いていた土木作業員2人の感染が確認された他、千葉県内の現場の警備員1人が感染した。国土交通省は感染拡大を抑えるため、直轄工事を発注する地方整備局などに対策を通知した。

 熊本県内で感染が確認されたのは、いずれも熊本市在住の50代の男性2人。熊本市の大西一史市長が2020年2月25日に会見を開き、2人が共に県北東部の阿蘇地域の建設現場で作業していたことを明らかにした。(以下略)

◆2020年2月28日 BLOGOS
https://blogos.com/article/439272/
ー公共工事一時中止 ~ 日本経済を殺すのかー

 「新型コロナウイルスの感染拡大を受け、赤羽一嘉国土交通相は28日、閣議後の記者会見で、国直轄の公共工事について3月15日まで一時中止すると発表した。受注業者に意向を確認した上で工事や業務を止めるほか、工期も延長する。一時中止による経費は国側が負担するとした。赤羽氏は『今後2週間は感染拡大防止に手を打っていく』と述べた。」(28日付日経電子版 「国の公共工事を一時中止」)

マジか⁈ 何でも止めればいいというものではない。これは政府のリーダーシップを過度に演出するための愚策中の愚策。

 半月も工事を止めたら下請け企業などは資金的にもたない。その期間の経費は国が負担するというが、公共事業は裾野が広い事業なので、元請業者に経費を支払うだけでは日本経済は死んでしまう。元請から下請業者に資金が渡るまでのタイムラグの間にも倒産するところは出て来るからだ。とはいえ国から下請業者や資材会社に直接お金を払うというのも実務上難しい。

 小生がトンネル技術だった20代のころ、上の人から「1日工事を止めたら幾ら損失が出るのかわかっているのか」「1000万円の損失を埋め合わせるためには1億の受注が必要なんだぞ」と言われたことを思い出す。

 今日は一時日経平均株価が1000円以上下落したが、こんな愚策しか打ち出せない国の株価が売られるのは必然だといえる。(近藤駿介)