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日本気象協会が「ダムの事前放流判断支援サービス」開始

 日本気象協会が6月1日に、ダムの効率的な事前放流を支援する「ダムの事前放流判断支援サービス」の提供を開始することが報じられています。
 しかし、ダム湖に流入する雨量(集水域に降る雨量)を定量的に予測することは現実には困難だと思われます。ある程度の予測はできても、定量的には降った後でないと正確な雨量はわからないというのが現実です。

◆2020年3月11日 リスク対策.com
https://www.risktaisaku.com/articles/-/25864
ー最大15日先の予測情報を活用する「ダムの事前放流判断支援サービス」ー

 一般財団法人日本気象協会は6月1日、ダムの効率的な事前放流を支援する「ダムの事前放流判断支援サービス」の提供を開始する。同協会が独自開発した『JWAアンサンブル予測』や、具体的に示される「事前放流すべき時間帯や放流量のデータ」の活用を特徴としたもの。ダム運用管理担当者を対象に、要望に応じてサービス内容をカスタマイズして提供する。

 同サービスで活用する『JWA アンサンブル予測』は、世界各国の気象機関が出す数値予測をもとに、独自の補正処理やAI技術を利用した時空間ダウンスケーリングによって得られる1時間雨量・5キロメートルメッシュの高精度な降雨予測データ。最大15日先までの予測情報であるため、雨が降り始めるまで十分な準備期間を確保し、余裕を持って事前放流の計画を立てられる。

 「事前放流すべき時間帯や放流量のデータ」は、過去の洪水事例に基づいた流出特性とダムの諸要素(諸元)に基づき、ダム管理者が事前放流の目標水位や放流量を設定。ダムの能力を超える大雨が予測された場合に、「予測雨量」「基準雨量」「目標水位」「事前放流完了時刻」「事前放流量」の各情報について具体的な表示を行う。

 そのうち「予測雨量」については、利用者の要望に応じ、アンサンブル平均もしくはアンサンブル上位/中位/下位の3ランクで提供する。複数の予測結果を平均化処理して作成するため、予測更新ごとの変動が小さく、ダムの運用管理に適した情報となる。

 そのほか、同サービスでは、予測雨量を「流出モデル」に入力して得られるダム流入量の時系列データをリアルタイムに予測計算することで、より高度な事前放流手法を可能にするオプション機能も提供する。