昨年10月の台風19号(令和元年東日本台風)は、八ッ場ダム上流の吾妻川上流に大量の雨を降らせ、吾妻川沿いの国道や橋が崩落するなど、甚大な災害を引き起こしました。
吾妻川沿いの国道144号は群馬県の管理ですが、群馬県吾妻郡と長野県上田方面をつなぐ地域の幹線道路であることから、国土交通省が復旧工事を進めてきました。
写真=吾妻川に架かる鳴岩橋の復旧工事現場(嬬恋村大笹)。右側が盛り土に整備した緊急迂回路。左側が5月8日に開通する仮橋迂回路。
崩落した国道の鳴岩橋は、昨年12月に盛り土の上に緊急迂回路がつくられましたが、大雨時には通行止めになるため、仮橋迂回路がつくられ、5月8日に開通と発表されました。
下記の国交省の記者発表資料には、鳴岩橋の上流の「長井川原地区における災害復旧工事の進捗状況について」の資料なども含まれています。
鳴岩橋の上流では、吾妻川と崖に挟まれた国道が崩落している区間(水管橋~毒水)があり、県境の鳥居峠へ行くには、嬬恋村・大笹の関所跡より手前でパノラマラインに迂回する必要があります。
★国土交通省関東地方整備局ホームページより
「嬬恋村(吾妻川・国道144号)復旧連絡調整会議(第3回)の開催結果について」
https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000774069.pdf
◆2020年4月26日 上毛新聞
ー嬬恋・鳴岩橋 仮橋迂回路8日に開通 国道144号、台風で崩落ー
昨年10月の台風19号の大雨で崩落した嬬恋村の国道144号鳴岩橋の復旧工事で、国土交通省関東地方整備局などは25日までに、通年で通行できる仮橋を使った迂回路を5月8日午前10時に開通すると発表した。
仮橋迂回路は全長280㍍、このうち仮橋が240㍍。現在は昨年12月に盛土に整備した緊急迂回路で大雨時に通行止めになるため、梅雨前の開通を目指して準備を進めていた。通行にかかる時間や距離は現在の迂回路とほぼ変わらない。現在の迂回路は仮橋の利用開始後に取り壊される。
同局と県、同村でつくる復旧連絡調整会議が工事の進捗状況を確認して開通を決めた。崩落した鳴岩橋の復旧工事の完了時期は現時点では未定。並行して鳴岩橋周辺の吾妻川の流れを安定させるための仮河道整備も進める。
—転載終わり—
写真下=吾妻川に崩落した鳴岩橋。2020年4月15日撮影。
写真右=国土交通省の記者発表によれば、鳴岩橋の緊急迂回路は、台風で流れついた巨石を砕き、ネット状の袋材に詰めたものを盛り土とし、その上に整備された。5月8日に開通する仮橋周辺では、群馬県がこのネット上の袋材を再利用して仮河道の整備を進めるという。
写真下=鳴岩橋の上流側では、吾妻川沿いの国道の一部区間(「水管橋~毒水」区間)が崩落し、吾妻川には土砂で工事用道路がつくられ、撮影地点からは川の流れが見えなくなっていた。