国土交通省、ダム緊急放流訴訟で原告住民と全面的に争う姿勢

 2018年7月の西日本豪雨では、愛媛県を流れる肱川で国交省の野村ダム・鹿野川ダムの緊急放流により、ダム下流域が大氾濫となり、8人の流域住民が亡くなるなど凄まじい水害となりました。
 遺族や住民はダムを管理する国などに対して、8000万円あまりの損害賠償を求める裁判を起こしています。
右図=国土交通省資料「野村ダム・鹿野川ダムの操作に関わる情報提供等に関する検証等の場(とりまとめ)参考資料より

 この水害をきっかけとして、昨年10月の台風19号豪雨の後、国は緊急放流を回避するための事前放流のルール作りを進めています。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kisondam_kouzuichousetsu/
官邸サイト「既存ダムの洪水調節機能強化に向けた検討会議」

 裁判の第1回口頭弁論が松山地裁で開かれました。
 その速報をお伝えします。

◆2020年6月3日 NHK
https://www3.nhk.or.jp/matsuyama-news/20200603/8000006701.html
ーダム放流訴訟 国など争う姿勢ー

 おととしの西日本豪雨で、西予市と大洲市の2つのダムが放流したあと川が氾濫し、8人が死亡したことをめぐり、一部の遺族や浸水の被害者が国と2つの市に賠償を求めている裁判が始まり、国や市は訴えを退けるよう求めました。

 おととしの西日本豪雨では、西予市の野村ダムと大洲市の鹿野川ダムの容量がいっぱいになり、緊急放流が行われたあと下流の肱川が氾濫して避難勧告や避難指示が出ていた流域の8人が死亡しました。
 このうち、亡くなった夫婦の遺族と、浸水の被害者のあわせて8人がことし1月にダムを管理する国と、避難の対応にあたった西予市と大洲市に8000万円あまりの賠償を求める訴えを起こしました。

 裁判は、3日から松山地方裁判所で始まり、原告の1人がダムを管理している国について「大規模な洪水に対応できないダムの操作規則を作るのはおかしい。実際に行った放流データを明らかにしてほしい」と求めたほか、国や2つの市に対して「甘い見通しで対応していた」と意見を述べました。
 これに対して国と2つの市は、訴えを退けるよう求めました。
 
 ダムの緊急放流をめぐっては、新たに3人が訴えを起こしていて、裁判では、国のダムの操作に過失がなかったかや、西予市と大洲市が住民に情報を適切に伝えていたかなどが争われます。

◆2020年6月3日 時事通信
https://news.yahoo.co.jp/articles/a06dc64369d01c73c59bdf91af0c9188d364b1d8
ー遺族「命より規則大事か」 西日本豪雨訴訟で初弁論 松山地裁ー

 2018年の西日本豪雨の際、決壊防止のため行われたダムの緊急放流で被害を受けたとして、愛媛県の住民ら8人が、国などに約8000万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が3日、松山地裁(梅本幸作裁判長)であった。

 両親を亡くした原告の女性(50)が意見陳述し、ダムの事務所が操作規則に従ったと主張していることに触れ「人の命よりも規則の方が大事だと言うのか」と語った。

 これに対し、国と大洲市、西予市は請求棄却を求め、争う姿勢を示した。

 訴状などによると、国土交通省四国地方整備局は18年7月7日、鹿野川ダム(愛媛県大洲市)と野村ダム(同県西予市)で緊急放流を行い、肱川が氾濫。流域の住宅が浸水などの被害に遭い、8人が死亡した。

 原告はダムの操作が不適切だったと主張。大量の雨水が流入することを予測できたのに事前放流を怠ったと指摘している。大洲、西予両市に対しても事前の情報提供が不十分だったとしている。 

◆2020年6月3日 テレビ愛媛
https://news.yahoo.co.jp/articles/c6ba9edbf56b9e183195f2793442530c2cee68de
ー8人死亡…ダム操作訴訟初弁論 原告「ダム事務所の見通し甘かった」ー

 西日本豪雨の被害者の遺族らが国などに対して損害賠償を求めている裁判の初めての口頭弁論が3日、松山地裁で開かれました。遺族は「ダム事務所や行政の見通しが甘かった」と主張しました。

 両親を亡くした原告女性「ダム操作、避難指示が少しでも早く人命第一に考えてもらってたら、違ったこともある。それを明らかにしていきたい」

 おととしの西日本豪雨では、野村ダムと鹿野川ダムの緊急放流の後、下流の肱川がはん濫し8人が死亡し、遺族や住民はダムを管理する国と西予市や大洲市に対して、8000万円あまりの損害賠償を求める裁判を起こしています。

 初めての口頭弁論では、西予市野村町で両親が犠牲となった女性が意見陳述。「ダム事務所や西予市、大洲市が甘い見通しで対応した」として、ダムの操作規則や避難指示のあり方などを厳しく批判しました。

 訴えられている国や市は争う姿勢で、次の弁論は9月9日に開かれる予定です。

◆2020年6月3日 南海放送
https://news.yahoo.co.jp/articles/99e505721dc44ed1423c27f20414958658c5b096
ーダム緊急放流訴訟国全面的に争う姿勢ー

 西日本豪雨で、野村ダムと鹿野川ダムが行った緊急放流の後、浸水被害が発生したのは、ダムの操作に重大な過失があったからなどとして、遺族らが国と西予市、大洲市に8100万円余りの損害賠償を求めている裁判。3日、松山地裁で第1回口頭弁論が開かれ、国と2つの市は、全面的に争う姿勢を示した。

 訴えを起こしているのは、西日本豪雨の浸水被害により、西予市野村町で両親を亡くした遺族と大洲市の被災者のあわせて8人。

 2018年の西日本豪雨では、野村ダムと鹿野川ダムが緊急放流を行った後、ダムの下流にある肱川が氾濫して、大規模な浸水被害が起こり、西予市と大洲市であわせて8人が亡くなった。

 訴えによると、遺族らは2つのダムの管理事務所が事前放流を十分に行わず、安全基準のおよそ6倍の水を放流した操作には重大な過失があるとしている。また、西予市と大洲市は、住民に対する放流などの情報提供に過失があったとして、ダムを管理する国と2つの市にあわせて8100万円余りの損害賠償を求めている。

 3日松山地裁で開かれた第一回口頭弁論で国と西予市、大洲市は、いずれも請求の棄却を求め、全面的に争う姿勢を示した。

◆2020年6月4日 愛媛新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/28cc9e9889e97a5772b497a21a99c382539dc755
ー豪雨・ダム操作訴訟 原告「放流データ明示を」、国など棄却求める 松山地裁初弁論ー

2018年7月の西日本豪雨時の洪水で被害が拡大し犠牲者が出たのは、野村ダム(愛媛県西予市)、鹿野川ダム(大洲市)の放流判断と、西予、大洲両市の避難情報の提供に誤りがあったことなどが原因として、西予市で両親を亡くした遺族や大洲市の住民ら計8人が両ダムを管理する国と、両市に計約8118万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が3日、松山地裁であり、国などは請求棄却を求めた。