八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

立野ダム総事業費243億円増の見込み

 熊本地震の被災地で国交省が強行している立野ダム事業の総事業費が、これまでの917億円から約243億円増の約1160億円に膨らむことが明らかになりました。
 熊本県では国が推進してきた川辺川ダム事業が休止されていますが、その代替であるかのように阿蘇の玄関口にある立野ダム事業が進められてきました。熊本県では立野ダムについても反対の声が強く、ダムによる環境破壊、危険性が多くの専門家から指摘されていますが、国交省は八ッ場ダムと同様、この立野ダム事業でも、跡見学園女子大の篠原ゼミと連携してインフラツーリズムを推進してきました。
 
◆2020年6月6日 熊本日日新聞
http://kawabegawa.jp/news/20200606TATENOJIGYOHI.pdf
ー立野ダム事業費243億円増 国交省 熊本地震など影響ー

 国土交通省立野ダム工事事務所は5日、白川上流に建設中の国営立野ダム(南阿蘇村、大津町)の総事業費がこれまでの917億円から約243億円増の約1160億円に膨らむことを明らかにした。
 熊本市東区の国交省熊本河川国道事務所で開かれた白川・緑川学識者懇談会(委員長・小林一郎熊本大工学部特任教授、9人)で説明した。
 立野ダム工事事務所によると、事業費増加の要因は▽公共工事の資材や労務単価の上昇、消費増税など114億円 ▽熊本地震で被害を受けた道路復旧など108億円 ▽基礎掘削施工法の変更など26億円。一方、関連工事の変更などで5億円を縮減した。

 同ダムは1983年に事業着手。2018年に本体着工し、事業費ベースの事業進捗は19年度末時点で62%。同事務所は、今年秋にもダム本体のコンクリート打設を始める計画も明らかにした。
 懇談会では、ダムサイト近くに生息するクマタカなどの環境調査費が2億円増となったことについて、委員から「費用に見合った調査結果を出すべきだ」などの指摘が相次いだが、ダム事業を継続する方針が了承された。

 同ダムは下流の熊本市などの洪水被害防止を目的とする治水専用ダム。堤の高さ約90㍍、長さ約200㍍で、総貯水容量約1千万立方㍍。22年度中の完成を目指している。

◆2020年6月5日 熊本放送
https://news.yahoo.co.jp/articles/107256ada8ecfc75f8f4c4221f94b93efc146875
ー立野ダム総事業費234億円増の見込みー

 白川の上流で建設が進む「立野ダム」の総事業費が、5年前の試算から234億円の増え約1160億円となる見通しであることが明らかになりました。
 一部増額分には、疑問の声があがっています。

 これは、国が5日開いた「白川・緑川学識者懇談会」で明らかになったものです。
 熊本河川国道事務所によりますと、立野ダムの総事業費が234億円増額した主な理由として、人件費や建設資材の高騰など「社会的要因」によるものや、熊本地震で被災したことによる、追加工事費などをあげています。
 出席した学識者は、増額の理由に一定の理解を示しましたが、一部、環境調査費が2億円増えていることについて「高すぎる」として、改めて説明を求めました。
 これに対し国は、持ち帰って精査するとしています。

 立野ダムは2022年度に完成する予定です。