天ケ瀬ダム再開発めぐる訴訟、負担金支出差し止めなど求めた住民の訴え棄却

 国土交通省の淀川水系流域委員会は2005年、淀川水系5ダムの中止を求めました。しかし、その後の国交省の反動化により、5ダムのうち、余野川ダム(2008年)、丹生ダム(2016年)は中止になったものの、天ヶ瀬ダム再開発、川上ダム、大戸川ダムは推進になりました。ただし、大戸川ダムは事業を具体化するためには淀川水系河川整備計画の変更が必要であり、事業費を負担しなければならない京都府と大阪府がこれに同意していません。

 川上ダムと天ヶ瀬ダム再開発は工事が進められていますが、川上ダムは三重県伊賀市で反対の活動が続けられています。天ヶ瀬ダム再開発についても反対の活動が行われています。京都府民が京都府を被告として公金支出の差止めを求めて京都地方裁判所に2015年に提訴し、司法の場で事業の是非が争われてきました。
 さる6月25日に判決がありましたが、下記の記事のとおり、ダム事業に関係する他の裁判と同様、原告側の敗訴でした。原告側は控訴する予定です。
右図=「淀川水系の天ヶ瀬ダム再開発事業の虚構」より

◆2020年6月25日 京都新聞
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/290754
ー天ケ瀬ダム再開発の府公金差し止め訴訟、市民団体の訴え棄却 支出に違法性なし判決ー

 宇治川上流にある天ケ瀬ダム(京都府宇治市)の再開発事業は不必要だとして、「京都・市民・オンブズパースン委員会」のメンバー5人が京都府知事に対し公金支出差し止めと府の負担金約43億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、京都地裁(増森珠美裁判長)は25日、原告の訴えを棄却した。

 判決によると、再開発事業はダム湖からダム下流にかけてトンネル式放流設備を建設して放流能力を増やす計画で、府は事業主体の国に負担金を支出している。増森裁判長は判決理由で、事業は適正で支出は違法でないとした。
 原告側は、再開発による治水効果は小さく、利水にも効果がないと主張。トンネル掘削による地盤崩壊の危険性や、放流量の増加に伴う下流域の環境悪化の可能性を指摘していた。

===記事転載終わり===

 この訴訟では、原告弁護団からの依頼により、嶋津暉之さん(元・東京都環境科学研究所)が2017年に意見書を提出しています。天ヶ瀬ダム再開発事業の問題点をまとめた意見書の概要は以下のページでご覧いただけます。

★「淀川水系の天ヶ瀬ダム再開発事業の虚構」
http://suigenren.jp/news/2017/11/14/9718/