国交省・水災害対策検討小委員会の答申、「流域治水」への転換促す

 さる6月26日、国土交通省が社会資本整備審議会河川分科会「気候変動を踏まえた水災害対策検討小委員会」(第5回)~気候変動を踏まえた「流域治水」対策のあり方について~のWEB会議を開催したことをこちらのページでお伝えしました。

答申概要のサムネイル 小委員会は7月9日、今後の水害対策についての答申を赤羽一嘉国土交通大臣に提出しました。

 国土交通省のホームページに答申書が公表されています。

 ★【概要】答申 右の画像をクリックすると開きます。
 【本文】答申 以下のURLをクリックすると開きます。https://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/shaseishin/kasenbunkakai/shouiinkai/kikouhendou_suigai/pdf/03_honbun.pdf

 答申書では、嘉田由紀子参院議員が滋賀県知事時代に進めた「流域治水」が謳われています。しかし、「流域治水」への方向性は示しているものの、滋賀県流域治水推進条例のような具体性がなく、現場感覚が欠けているように思われます。問題は「流域治水」をどう具体化して、実際に有効なものにしていくかです。治水行政は本当に変わっていくのでしょうか。

国土交通省報道発表資料より 「気候変動を踏まえた水災害対策のあり方」をとりまとめ 
 ~社会資本整備審議会の答申を公表~

 社会資本整備審議会 河川分科会 気候変動を踏まえた水災害対策検討小委員会において、気候変動による降雨量の増加等が懸念されることを踏まえた水災害対策等に関する検討が行われました。
今般、答申として、「気候変動を踏まえた水災害対策のあり方~あらゆる関係者が流域全体で行う持続可能な「流域治水」への転換~」がとりまとめられました。

(以下略)
【出典】国土交通省答申書

 関連記事を転載します。

◆2020年7月10日 環境ビジネスオンライン
https://www.kankyo-business.jp/news/025553.php

 国土交通省は7月9日、気候変動を踏まえた今後の水災害対策の方向性と新たな水災害対策の具体策についてとりまとめた、社会資本整備審議会の答申を公表した。

 この答申では、近年の水災害による甚大な被害を受けて、これまでの「水防災意識社会」を再構築する取組みをさらに一歩進め、あらゆる関係者が協働して、流域全体で行う持続可能な治水対策(流域治水)への転換を提案。これにより、防災・減災が主流となる社会を目指す。

ポイントは「計画・基準類の見直し」と「『流域治水』への転換」
 同答申では、激甚な被害をもたらした近年の水災害、気候変動の状況、人口減少や少子高齢化が進む社会の動向、AI技術やビッグデータの活用など技術革新の状況を整理した上で、これからの対策の方向性や具体策を示した。これからの対策の主なポイントとして、「気候変動を踏まえた、計画・基準類の見直し」と「『流域治水』への転換」をあげる。

 計画・基準類の見直しでは、過去の降雨や潮位の実績に基づいて作成されてきた計画を、気候変動による降雨量の増加、潮位の上昇などを考慮した計画に見直すこととした。気候変動による影響を踏まえた河川整備基本方針や河川整備計画の見直しについて、速やかに着手することを求めている。

 「流域治水」への転換では、河川、下水道、砂防、海岸等の管理者が主体となって行う治水対策に加え、集水域と河川区域のみならず、氾濫域も含めて一つの流域として捉え、流域の関係者全員が協働して、(1)氾濫をできるだけ防ぐ対策、(2)被害対象を減少させるための対策、(3)被害の軽減、早期復旧・復興のための対策、を総合的かつ多層的に取り組むこととした。

 この3つの対策において、速やかに実施すべき施策も示した。たとえば、氾濫をできるだけ防ぐ対策では、越流・越波した場合でも決壊しにくい「粘り強い堤防」を目指した堤防の強化の実施や、利水ダムを含む既存ダムの洪水調節機能の強化などをあげる。

 このほか、「流域治水」を推進するための仕組みとして、土地利用等における危険性の高い行為の禁止など規制的な手法と誘導的手法(様々なインセンティブ)を組み合わせて、流域治水への参画を促進する仕組みや、異分野・異業種が横断的に連携し新技術を導入する仕組みなどが必要だとした。

 社会資本整備審議会では、国土交通省から諮問を受け、河川分科会に小委員会を設置し、気候変動による降雨量の増加等が懸念されることを踏まえた水災害対策等について検討を行い、今回の答申をとりまとめた。答申のタイトルは、「気候変動を踏まえた水災害対策のあり方~あらゆる関係者が流域全体で行う持続可能な『流域治水』への転換~」。