石木ダム反対 座り込み900日

 長崎県が強行しようとしている石木ダムの予定地では、地元住民や支援者の座り込みが900日を迎えたということです。猛暑の中、少しでも工事を遅らせようと、抗議行動が続いています。座り込みは道路付替えの工事予定地で行われていますが、こうした関連工事が終わらないとダム本体の工事に取り掛かることはできません。

 以下の長崎文化放送の記事では、工事の進捗率61%と書かれていますが、ダム事業における進捗率は現時点における予算の消化率を表しているにすぎません。ダム事業は工期の延長と事業費の増額を繰り返しますので、「進捗率」は事業の実態から乖離しています。
 生活が脅かされる住民に対して、ダム事業者は粛々と仕事を進めるだけです。このような非道なことを行わなければ進められないダム事業が治水・利水両面で不要なものだとは、長崎新聞が住民の言葉として取り上げているように「むちゃくちゃな公共工事」というほかありません。

◆2020年8月26日 長崎文化放送
https://www.ncctv.co.jp/news/82459.html
ー石木ダム反対 座り込み900日ー

 県と佐世保市が東彼・川棚町で進める石木ダム建設事業。県道の付け替え工事現場で続く反対住民らの抗議行動はきょう26日で900日になります。
 反対住民の岩下すみ子さん(71)「相変わらずこんな状況なんですけど私たちも抗議活動を止めるわけいかないですからね。暑くても皆で頑張ってしています」
 座り込みは2016年7月からほぼ毎日続いています。きょうも午前8時前から住民ら25人が「座り込み900日達成」と書かれた横断幕やプラカードを持って石木ダム反対の強い意思を示しました。石木ダムの工事の進捗率は2019年度末時点で、約61%。県は今年度、ダム本体の工事に着手したいとしています。13世帯、約50人が暮らす水没予定地の川原地区は実りの秋を迎えようとしています。

◆2020年8月26日 長崎新聞
https://this.kiji.is/671185876857734241?c=62479058578587648
ー石木ダム 長崎県知事「私物撤去 強く要請」 付け替え道路工期延長へー

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、県が県道付け替え道路工事現場で座り込みを続ける反対住民らの私物撤去を求めている問題で、中村法道知事は25日、「年度内に完成させないといけない工事。引き続き撤去してもらうよう強く要請していく」と述べた。私物が置かれた区間の工期は今月末だったが、県は延長する方向で業者と契約変更の手続きを進めている。
 県によると、付け替え道路は全長約3.1キロのうち約1.1キロの区間で工事が進む。しかし、反対住民らが抗議の座り込みを続ける付近の約140メートルの区間は着工できていない。
 県は6月5日、「当該箇所の盛り土工事に入る」として、工事の支障となる住民らの休憩用ベンチやテーブルなどを撤去するよう求める看板を設置。反対住民らは、県が「期限」とした6月19日以降も撤去に応じず、しばらくは座り込みの時間を延長して警戒していた。現在は平日の午前中のみ実施している。
 座り込みを続ける区間は当初今年3月末までが工期だったが、完了できずに延長。今回で2度目の延長となる。県は今後も当面は、私物を自主的に移動するよう求めていく方針。住民の岩本宏之さん(75)は「県から私物撤去について説得はない。結局先延ばしにして、他の場所から工事していこうという魂胆だろう。猛暑の中、私たちが毎日座り込み、県職員も交代で現場に来るという状況が続く。むちゃくちゃな公共工事だ」と批判した。

◆2020年8月27日 朝日新聞長崎版
https://digital.asahi.com/articles/ASN8V72ZRN8VTOLB006.html?_requesturl=articles%2FASN8V72ZRN8VTOLB006.html&pn=4
ー石木ダム反対、座り込み900日 延べ2万7千人ー

 長崎県と佐世保市が川棚町で計画する石木ダムの建設現場で、反対派住民らによる抗議の座り込みが続いている。数度の工事中断を経て2016年7月に始まった現在の座り込みは26日、連続900日(土日や荒天の日などを除く)に達した。

 この日も午前8時から住民や支援者らが、背に「石木ダムはいらない」と朱書きした白いTシャツを着て遠巻きに見守る県職員と向き合う形で座り込んだ。「行政代執行を許さない」と書いた紙の横断幕を掲げた。

 最高気温が35度前後になった日も、日傘を差し、首に保冷剤を巻いて乗り切った。スイカなどを持ち寄りつかの間の涼を得る。水没予定地の岩下すみ子さん(71)は「先のことは分からないけど、明日また頑張ろうと思って続けています」と話した。

 1日の参加者を平均30人とすると、この間延べ約2万7千人が参加した計算になる。監視に投じられた県の職員も、その半分ほどの人数とみられる。住民の岩本宏之さん(76)は「住民の人生の時間を膨大に浪費させる一方で、多くの人材を監視要員として投入した県の責任を問いたい」と語った。

 県はダム本体工事に先立ち、水没する県道の代替道路約3キロの建設を進めていて、このうち約1・1キロ区間の年度内完成を目指している。座り込み現場の一帯(140メートル)を含む約500メートルが未舗装だ。

 県は6月、住民が現地に持ち込んでいるいすなどの撤去を求める看板を立てたが、住民は従わず膠着(こうちゃく)したままだ。今月25日の記者会見で中村法道知事は「年度内に完成させなければならない工事。撤去してもらうよう、引き続き強く要請していく」と述べた。(原口晋也、榎本瑞希)

◆2020年8月28日 長崎新聞
https://this.kiji.is/671905374852039777
ー石木ダム付け替え道路 長崎県、工期2カ月延長ー

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、県道付け替え道路工事現場で抗議の座り込みを続ける反対住民らが私物の撤去に応じず工事が進んでいない問題で、県は27日、工期を10月末まで2カ月延長したことを明らかにした。業者との契約を26日付で変更した。工事内容は変更しない。
 県によると、付け替え道路は全長約3.1キロのうち約1.1キロの区間で工事が進む。しかし、住民らが座り込みを続ける現場付近の約140メートルの区間は未着工。当該区間の工期が今月末に迫っていたため、県は契約延長の手続きを進めていた。
 県は6月、住民らが設置した休憩用ベンチなどの撤去を求める看板を立てたが、住民側は応じていない。撤去されなければ工事は進まない状況。県石木ダム建設事務所は「機会を捉えて撤去をお願いしてきた。今後も続けていく」としている。