八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

「八ッ場湖(みず)の駅丸岩」の完成、10月半ば以降

 今朝の地元紙の一面に「八ッ場湖(みず)の駅丸岩」の完成が10月半ば以降にずれ込むことを伝える記事が掲載されました。
 「八ッ場湖(みず)の駅丸岩」は、八ッ場ダム事業によってダム湖畔に整備されてきた地域振興施設の一つで、建設地は湖面橋・丸岩大橋の右岸側(横壁地区)のたもとです。
 「八ッ場湖(みず)の駅丸岩」は完成後は水陸両用バスの発着所になるとのことですが、7月~10月初旬の洪水に備えて水位を下げる時期には、撤去されずに残された水没地の下田橋と上湯原橋が「八ッ場湖(みず)の駅丸岩」の周辺にあるため、水陸両用バスの運行の支障になりそうです。
写真右=建設中の「八ッ場湖(みず)の駅丸岩」。

 紙面記事より全文転載します。
 八ッ場ダム事業は膨大な関連事業が大きな特徴となっています。これらの関連事業のうち、地域振興を目的とした19事業がダムが完成した昨年度中に完了しませんでした。
 ネット記事では省略されている紙面記事の後半には、19事業のうちこれまでに3事業が完了し、残る16事業は今年度中に完了の見通しであると書かれています。
 また、「八ッ場湖(みず)の駅丸岩」を管理する地元住民が完成の遅れについて、「観光シーズンを逃し、売れる農産物もない。予定通り完成してほしかった」と残念がっているとの言葉が紹介されています。

◆2020年9月22日 上毛新聞
https://www.jomo-news.co.jp/news/gunma/society/241909
ー八ツ場観光拠点「湖の駅丸岩」が完成遅れ 昨年の台風19号や今年の長雨でー

 今春完成した群馬県長野原町の八ツ場ダム周辺で、水没地区の生活再建事業として工事が進められている地域振興施設の完成が遅れている。水陸両用バスの発着場所となる横壁地区の「八ツ場湖の駅丸岩」は、昨年10月の台風19号で被災した吾妻郡内の復旧工事や今年7月の長雨などの要因が重なり、9月の完成予定が10月中旬以降にずれ込む見通しだ。県によると、同施設を含め工事中の16事業は年度内に全て完了するという。

 「八ツ場湖の駅丸岩」は旧町役場庁舎の外観をモデルにした木造2階建て、延べ床面積655平方メートル。農産物や土産物販売、食堂コーナーも設ける。建物は完成したが駐車場などの工事が続いており、町などによると、災害復旧工事に人手を割かれた上、長梅雨で外構工事ができないことが響いた。

 工期は本来、ダムと同様に前年度までだったが、東京五輪関連の建設に伴う資材調達の遅れなどで本年度に繰り越した。このため水陸両用バスは現在、暫定的に道の駅「八ツ場ふるさと館」を発着地点にしている。

 指定管理者に決まっている地区住民でつくる丸岩(萩原広太社長)は「観光シーズンを逃し、売れる農産物もない。予定通り完成してほしかった」と残念がる。

 県八ッ場ダム水源地域対策事務所によると、繰り越したダム周辺の工事は19事業あったが、川原湯地区のキャンプ場などがある「川原湯温泉あそびの基地NOA(ノア)を含め3事業を終えた。

 今後は川原畑地区の軽食や土産物を販売する「やんば茶屋」が10月、川原湯地区で建設中の「大柏木トンネル」が12月に完成する予定。同事業所は「残り16事業は本年度で終わらせる」としている。