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球磨川治水、熊本県の意見聴取はじまる、市民団体は県知事に抗議文提出

 7月の球磨川水害を機に、球磨川支流に国が計画した川辺川ダム計画が蘇ろうとしています。
 熊本県は流域住民の意見を聴くとして「住民の皆様の御意見・御提案をお聴きする会」を10月15日から開始しましたが、この会は非公開の場で、熊本県に選ばれた人々だけが意見を述べるという極めて恣意的な形で行われているため、川辺川ダムを復活させるための儀式に過ぎないと見られているようです。

 熊本県の3つの市民団体は早速10月16日に、熊本県知事に対して以下の抗議文を提出したとのことです。
 https://yamba-net.org/wp/wp-content/uploads/2020/10/9d144d9c1591d52fd568eb14a965089d-1.pdf
 

◆2020年10月15日 熊本日日新聞
ー川辺川ダム 流域の民意は? 球磨川治水、意見聴取始まるー

 蒲島郁夫熊本県知事は15日、7月豪雨で氾濫した球磨川流域の治水対策について、被災地の住民や団体から意見を聴く会を人吉市で始めた。初回は農協や漁協など8団体10人が出席。川辺川ダム建設を求める意見が相次ぐ一方、ダム以外の案を望む声も上がった。

 球磨川治水を巡っては、国土交通省が、仮に川辺川ダムが建設されていれば、人吉市の浸水面積が「約6割減少した」との推定を公表。ダム建設を巡る議論が再燃している。

 意見聴取では、JAくまの福田勝徳組合長が「被災農家から今の場所には住みたくないという声を聞く。ダムを建設し、安心して生活できる環境を整備してほしい」と要望。県たばこ耕作組合の石川政臣組合長もダム建設に賛同し、「ダムによらない治水対策」としてこれまで検討してきた農地を使った遊水地案については「農家は到底受け入れられない」と批判した。

 一部参加者からは「ダムによらない治水対策」の一つである八代海などにトンネルで流す放水路案を勧める意見も上がった。球磨地方森林組合連絡協議会の大岩精一副会長は「ダムや遊水地は多くの人に迷惑を掛ける」と懸念を示した。

 一方、2001年にダム建設に伴う漁業補償案を否決した球磨川漁協の堀川泰注組合長は「漁協は直接関わるのでこの場で治水対策には触れない。組合員と協議して選択したい」とダム建設の賛否を明らかにしなかった。

 終了後、蒲島知事は「まだ初日なので結論付けることはできないが、以前より治水の必要性を訴える声が多い印象」と述べた。

 県は今回を皮切りに、11月中旬までに20回程度、開く予定。寄せられた意見は県の治水方針の判断材料にする。(内田裕之)

◆2020年10月15日 テレビ熊本
ー球磨川治水対策 知事による住民や団体からの意見聴取スタートー

 7月の豪雨で氾濫した球磨川の治水対策について蒲島知事が流域の住民や各団体から意見を聞く会が15日、始まりした。人吉市で開かれた初会合には農協や漁協など8つの農林水産団体が出席。「ダムありきで進めていただきたい」(JA球磨・福田勝徳組合長)「ダムを造っていただいて4割~5割の水位が低下すれば、安心していま一度そこで農業に取り組もうという気持ちになるのではないか」(JA球磨・尾方朝則参事)など川辺川ダムの建設を求める声が相次ぎました。そのほか「環境に配慮した穴あきダムの検討を」「ダムの建設と合わせてダム以外の治水対策も十分に講じてほしい」などの意見も出されました。球磨川漁協の代表は「治水対策は必要」としながらも、ダム建設の賛否については「球磨川漁協は過去、ダムの件で大変もめたことがある。役員がダム推進や反対を明言すると組合員の混乱につながるので…」(堀川泰注組合長)と明言を避けました。意見を聞く会は11月中旬までに20回ほど度開かれる予定。出された意見などを踏まえ、知事は年内に治水対策の方向性を示すとしています。

◆2020年10月15日 熊本県民テレビ
https://www.kkt.jp/nnn/news163014848.html
ー球磨川治水対策 住民の意見は?ー

 7月豪雨で氾濫した球磨川の治水対策。蒲島知事が方向性を決めるために設けた住民の意見を聞く会。初会合で多様な意見は出されたのでしょうか?

■意見聴取始まる

蒲島郁夫知事
「治水の方向性に対する率直で忌憚のないご意見、ご提案をお伺いしたいと思って参った」

球磨川の治水対策に地元の声も反映させたいとして自ら人吉市を訪れた蒲島知事。「住民の意見を聞く会」の初会合には人吉球磨地域の農協や漁協など8つの農林水産団体が集まった。

■ダム議論再熱の中で…

7月豪雨をきっかけに注目が集まる球磨川の治水対策。
8月には蒲島知事が「川辺川ダムも選択肢のひとつ」と述べ、自らが白紙撤回したダムの再検討に言及するなどダムの議論が熱を帯び始める。

そのような中、検証委員会で国は「川辺川ダムがあった場合、人吉市の浸水面積が約6割減少できた」などの調査結果を報告。

ダムの治水効果を打ち出す一方であらゆる選択肢を排除せずに検討するとして知事が始めたのが住民の意見を聞く会だった。

■ダム建設を求める声相次ぐ

始まった初会合。
治水について様々な声を聞く場だが参加者から多くの意見が出たのは川辺川ダムについてだった。

球磨地域農業協同組合・尾方朝則参事
「治水という目的であればダムを造って頂いて4割5割の水位が低下すれば安心して農業に取り組もうという気持ちになれる」

球磨酪農業協同組合・村田輝幸代表理事組合長
「川辺川にダムの建設を考えるのであれば自然環境にも配慮した遊水型の穴あきダムを検討頂き、ダムを治水の柱として支流の防災対策にも万全を期して頂きたい」

相次ぐダム賛成の意見の一方で賛否を明言しない団体も…。

球磨川漁業協同組合・堀川泰注代表理事組合長
「今回も組合組織、役員が推進、反対と明言することで組合員が混乱されるので賛否は今日は避けたい。反対の方々は結構おられるようだが推進という方々はあまり声を出していない状況」

初会合を終え蒲島知事は…。

蒲島知事
「2008年に来た時に(地元住民と)色んな話をしたが、今回は治水の安全や生命財産の重要性がとても強調されていた」

蒲島知事は住民たちの意見を聞いたうえで今後は新たな協議の場を設置して年内には治水対策の方向性を示す方針。

◆2020年10月15日 NHK熊本放送局
https://www.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/20201015/5000010296.html
ー球磨川の治水で住民の意見聞く会ー

7月の記録的な豪雨で氾濫した球磨川の今後の治水対策について、熊本県の蒲島知事が方向性を検討する判断材料にするために直接住民から意見を聞く会合が、15日から人吉市で始まりました。

球磨川の治水対策をめぐって、熊本県は年内のできるだけ早い時期に方向性を示したいとしています。

15日は検討の判断材料にするため、蒲島知事がみずから参加して地元住民の意見を聞く会合が人吉市で始まり、球磨川漁協など人吉球磨地域の8つの農林水産団体の代表10人が出席しました。

はじめに、県の担当者が川辺川ダムが建設されていれば、人吉市周辺の浸水面積を6割減らせたなどとする国の検証結果を説明しました。

このあと各団体の代表が発言し、このうち農業団体の代表は「球磨川沿いの優良農地をつぶさなければならない遊水池などの整備は、現実的な対策ではなく、早急な治水対策のためにもダム建設を進めてほしい」と述べるなど、ダム建設を求める意見が相次ぎました。

一方で球磨川漁協の組合長からは、「川とは直接関わっていて、現時点で具体的な治水対策に触れることはしない」として、ダム建設の賛否については明言を避けました。

会合は、来月中旬にかけて人吉球磨地域を中心に20回ほど開催される予定で、蒲島知事は「白紙撤回を決断した当時に比べると、安全性を求める声が多かったように感じた。今後も意見を聞いていきたい」と話していました。

◆2020年10月15日 人吉新聞
https://hitoyoshi-sharepla.com/entrance_news.php?news=3957
ー復旧復興 治水に意見 郡市農業団体から聴取ー

 蒲島郁夫県知事が令和2年7月豪雨被災地の住民や団体から「復旧・復興」「治水」について意見と提案を直
接聞く「住民の皆様の御意見・御提案をお聴きする会」が、きょう15日から始まった。
 11月に策定予定の復興・復旧プランに住民の意見を反映させるため、豪雨被害が大きかった八代、人吉、芦北、津奈木、相良、山江、球磨の7市町村の住民、各種団体、流域12市町村の首長と議長、熊本県議会を対象に来月中旬まで20回の開催を予定している。
 初日は、午前10時から県球磨地域振興局で郡市の農業団体を対象に開かれ、球磨地域農協、球磨畜産農協、球磨酪農農協、県たばこ耕作組合、人吉球磨地域土地改良区連絡協議会、球磨地方森林組合連絡協議会、人吉球磨木材協会、球磨川漁協の8団体の組合長ら11人が出席。
 蒲島知事は「球磨川流域の変わり果てた姿を目の当たりにし、地域の安全安心を守り抜くこと、球磨川の恵みを享受しながら将来にわたって持続可能な地域の再生を目指すのが私の使命。早急に治水の方向性を導き出し、一日も早い復旧・復興につなげていく必要がある」とあいさつ。
 担当者が7月豪雨の概要と被害状況、球磨川豪雨検証委員会などで出された各対策の治水効果などを説明した後、各団体が順に意見を述べた。
 「復旧・復興」では、被災した農地、土地改良施設、林道などの早期復旧を求める意見が出され、「球磨川沿いに優良農地がある。治水対策をしないと耕作放棄を危惧する」「農家も高齢化し、復旧が長引くと農業再開の意思が続くか不安」などの声も。

●「ダムによる治水を」
 「治水」では、遊水地案について「農家の理解は得られない」、森林の保水力では「緑のダムというが、あれだけの雨量を受け止めるのは不可能」とし、「ダムを進めていただきたい」「流水型の穴開きダムを治水の柱に」などとダムを求める声が多く上がった。
 また、「球磨村に球磨川の水が集中する。肥後トンネルのような排水トンネルはできないか」「よそに流すバ
イパスも一つの案では」「水田の畦や土手を20、30㌢上げることで多面的機能が治水に貢献できる」といった提案もあった。
 終了後、蒲島知事は「出された意見を持ち帰って今後の治水の方向性に反映させたい」、ダム建設の白紙撤回表明前と現在の民意の変化について、「当時は球磨川を守ってほしいという意見が多かった。今回は豪雨災害の経験が影響していると思う」などと話した。
 なお、あす16日は八代市と芦北町の3会場で団体や住民を対象に開かれる。

◆2020年10月16日 熊本日日新聞
ー川辺川ダム反対3団体 「開かれた場」要望 球磨川治水、熊本県の意見聴取にー

 球磨川流域の治水対策について、蒲島郁夫知事が15日に始めた流域の意見を聴く会の在り方について、川辺川ダムに反対する3市民団体は同日、「一般の住民の参加や傍聴が著しく制限されている」と抗議し、「開かれた場」を設けるよう求める要望書を県に提出した。「清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会」(人吉市)など3団体。
 3団体は、住民の声を聴く場が設けられたことを歓迎。同時に、参加の呼び掛けが各種団体や企業、自治会長らに限られ、「自由な立場で意見が言えた過去の住民説明会や住民討論集会と違う」として対応を求めた。
 3団体への聴取の予定もあるが、代表の一人の中島康氏(80)=熊本市=は「この形では『反対派からも意見を聴いたよ』という格好だけに終わってしまう」と訴えた。(太路秀紀)

◆2020年10月17日 西日本新聞
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/655180/
ー「安心できる古里再建を」蒲島知事に復旧・復興への切実な意見や要望ー

  7月豪雨からの復旧・復興と球磨川の治水策に民意を反映させようと、蒲島郁夫知事は16日、熊本県八代市と芦北町で住民や各分野の団体から意見聴取した。「安心して暮らせる古里に」「子どもたちの未来のために」。それぞれの立場から復旧・復興への切実な意見や要望が出された。

 八代市の会場には16団体が参加。特に被害が大きかった坂本地区の再建に向けた提案が相次いだ。八代地域農協の濱田哲治専務は「坂本地区の住民は憔悴(しょうすい)しきった状況。安心して生活し、農業を再開するには『ダムありき』ではないが、しっかりした治水対策が必要」と強調した。

 「願いは一日も早い学校再開」。坂本地区にある八竜小の渡辺泰生校長は児童の通学路の復旧を求め、坂本中の園田英雄校長は「卒業式はぜひ坂本中の校舎で行いたい。子どもたちは坂本の宝。目を配り、心を配っていきたい」と述べた。

 議論が再燃している川辺川ダムに関しては賛否が交錯した。八代青年会議所の松木一史副理事長は「豪雨では急に水位が上がった。ダムがあれば逃げる時間を稼げる」と治水効果に理解を示した。一方、八代漁協の瀧川和徳組合長は「漁協としては海への影響が大きいダムには反対。ヘドロが増え、魚がいなくなる」と訴えた。

 芦北町の会場では団体、住民それぞれから意見聴取。あしきた農協の千々岩巧組合長は「急斜面が崩れて、デコポンのハウスの中に土砂が入りこんできた。若い農業者からは、もう急傾斜では仕事はしたくないという声もある」と訴え、芦北町商工会の藤井公明会長は「佐敷川が氾濫した。遊水池を整備してほしい」と望んだ。

 住民からは、生活道路の復旧や土砂災害の防止、中小河川の対策など身近な復旧、防災を求める声が相次いだ。箙瀬(えびらせ)地区の山田和治区長は、豪雨で集落が孤立した経験から「とにかく幹線道路の整備を」と要望。上町地区の森下邦夫区長は「災害は今後も起こる。被害を最小限にとどめる対策と、被災者への最大限の支援が必要」と話した。(古川努、村田直隆)

◆2020年10月17日 日本テレビ
https://www.news24.jp/nnn/news86823406.html
ー川辺川ダム建設は地域を二分ー

 球磨川の治水対策について芦北町でも住民の意見を聞く会が開かれ「地域を二分する」と川辺川ダム建設を懸念する声が挙がった。
 蒲島知事は球磨川の治水対策をめぐり議論が続く川辺川ダムについて流域住民の意見を踏まえて判断することにしている。
 16日、芦北町では幹線道路や道の駅などの早期復旧を望む声のほか川辺川ダムに対する意見もあった。

参加住民
「仮にダム建設の方向に向かうとすれば沿岸住民を二分して再び対立がうまれるのではないかと懸念している」
 蒲島知事は来月中旬にかけて住民の意見を聞いた上で年内には治水対策の方向性を示す方針。

◆2020年10月17日 読売新聞熊本版
https://www.yomiuri.co.jp/local/kumamoto/news/20201016-OYTNT50059/
ー球磨川治水 知事が聴取 芦北住民、ダム言及少なくー

 7月の豪雨からの復興や球磨川の治水対策について、蒲島知事による意見聴取会が16日、八代市と芦北町の3会場で開かれた。芦北町では、初めて被災した住民らが対象となったが、中止になった川辺川ダムなど球磨川の治水に言及した出席者は少なかった。

 住民を対象にした聴取会には、芦北町と津奈木町の区長や消防団員ら26人が出席。甚大な被害があった球磨川沿いの地区の区長らは「既に7世帯が外に転居した」などと窮状を説明したり、「被災した道路を発展につながる形で復旧してほしい」と訴えたりした。球磨川から離れた地区の出席者からは「再び対立が生まれるのではないか」などとダムに否定的な意見も出された。

◆5市村でも順次

 県は16日、7月の豪雨からの復興や、氾濫した球磨川の治水対策について蒲島知事が住民らの声を聞く意見聴取会について、球磨村や人吉市など5市村での日程を発表した。対象は各自治体の被災した住民で、参加には事前の申し込みが必要。問い合わせは球磨川流域復興局(096・333・2608)へ。

 日時は次の通り。

 【22日】午前10時、八代市坂本地域福祉センター▽午後1時半、球磨村役場▽同3時半、同村の神瀬地区多目的集会施設【23日】午前10時、相良村総合体育館▽午後1時半、山江村農村環境改善センター▽午後3時半、球磨村総合運動公園さくらドーム横コンテナハウス【24日】午前10時、人吉市中原コミュニティセンター▽午後1時と午後3時、人吉市カルチャーパレス

◆2020年10月17日 熊本日日新聞
https://kumanichi.com/feature/kawabegawa/1645587/
ー川辺川ダム、賛否割れる 八代・芦北で意見聴取 球磨川治水対策ー

 蒲島郁夫熊本県知事は16日、7月豪雨で氾濫した球磨川の治水対策について被災地の住民・団体の意見を聴く会を八代市と芦北町の計3カ所で開いた。川辺川ダム建設を巡り、出席者の賛否が分かれた。
 会は2日目。八代市の県南広域本部には同市の農林漁業、商工業や医療・福祉など16団体が出席した。
 八代平野北部土地改良区の入江健二専務理事は「川辺川ダムなら最速・最短で治水対策が進む。ぜひ造ってもらいたい」と明言。一方で八代漁協の瀧川和徳組合長は「砂の供給が減るなど八代海への影響は必至だ。ダムによらない治水を追求してほしい」と反対した。半数以上の団体はダムの賛否に触れなかった。
 芦北町の町民総合センターでは、同町と津奈木町の農林団体や商工会、観光協会などの代表14人から意見を聴いた。芦北町商工会の藤井公明会長ら2人は「ダムの建設で水位が下がるデータがあるのなら、建設に賛成」などと話した。
 町地域資源活用総合交流促進施設では、両町の住民を代表して区長ら26人が出席。2人から「ダム建設なら住民が対立する」「自然破壊につながるダムではなく、自然を守る水害対策を」と反対の声が上がった。ダムによる治水を求める意見は出なかった。
 芦北2会場では、7月豪雨で氾濫し、芦北町中心部で浸水被害を出した県管理の佐敷川について、堤防強化や堆積した土砂の撤去を求める意見も相次いだ。(益田大也、山本文子)

ー「住民側資料も検証を」 川辺川ダム反対3団体が熊本県に抗議文送付ー

 熊本県が15日に7月豪雨の被災地で始めた球磨川流域の治水対策に関する意見聴取会について、川辺川ダム建設に反対する3市民団体が16日、「国や県側の資料のみでなく住民側の資料も使って議論すべきだ」とする抗議文を県に送付した。
 3団体は「清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会」(人吉市)など。
 15日に人吉市であった聴取会で県は、国土交通省がまとめた「川辺川ダムがあれば浸水面積が6割減少」とする資料を説明した。
 これに対し、「数値や計算手法が不明。科学的な検証とは言えない」と指摘。客観的、科学的で中立・公正に会を運営するには「住民側の資料も配るべきだ」とした。開催の仕方についても「事前告知なしの平日昼間開催では、豪雨被災者や流域住民は参加できない」と抗議した。団体代表の一人、中島康氏(80)は「科学的根拠に疑問を示し、別の検証結果を出した専門家も複数いる。ダムの賛否にとらわれず多様な意見を聞くべきだ」と訴えた。(堀江利雅)