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”川辺川にゲート付き流水型ダム案”提示した国交省の球磨川流域治水協議会配布資料

 12月18日、国土交通省が「球磨川流域治水協議会」の第2回会合を開催し、従来の川辺川ダム計画の規模を変えずに球磨川支流の川辺川にゲート付きの流水型ダムを建設する案を提示しました。国土交通省九州地方整備局のホームページに会合の配布資料が掲載されています。

★球磨川流域治水協議会 第2回 令和2年12月18日開催
 http://www.qsr.mlit.go.jp/yatusiro/river/r0207_ryuikitisui_gouukensho/index.html

 この資料に関する当会の嶋津暉之さん(水問題研究家)のコメントをお伝えします。

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 球磨川の今後の治水対策は、ゲート付き流水型の川辺川ダムの建設がメインになっています。私は今後の治水対策として最も重要であるのは球磨川の本川および支川の河道掘削であると思いますが、河道掘削は小規模なものにとどめられています。

〇資料1 4ページ 対策の考え方及び目標 
◇対策の目標
・治水対策において目標とする流量は、再度災害防止の観点から令和2年7月洪水流量とする。(人吉:7,900m3/s、横石:12,600m3/s)

◇対策の考え方
・今次洪水は、球磨川において現行の治水計画の目標としている河川整備基本方針において定めた基本高水のピーク流量(人吉:7,000m3/s、横石:,900m3/s)を上回る洪水であったことから、球磨川におけるこれまで積み上げてきた治水対策の検討内容も踏まえ、「令和2年7月球磨川豪雨検証委員会」を開催し、今次洪水に対する検証を行った結果、各種治水対策を行っても全ての被害を防ぐことはできないことを確認した。

〇川辺川ダム
 資料2(1/2) 65ページ

 資料2(2/2) 86ページ

〇堆積土砂の掘削
 資料2(1/2) 12ページ
 堆積土砂の掘削について(国管理区間)
  堆積土砂量:約125万m3(推定)
  撤去中(契約中):約35万m3
  撤去済::約 3万m3

 資料2(1/2) 13ページ
 堆積土砂の掘削について(熊本県管理区間:権限代行分)
 堆積土砂量:約20万m3(推定)
 撤去中(契約中) :約15万m3
 撤去済:約 5万m3

〇河道掘削
 資料2(1/2) 17ページ
 河道掘削の考え方
 (中下流部):環境面、景観等に配慮した平水位(平常時の水面相当)以上の掘削
        名前がついた瀬・淵・岩等が消滅することがないように配慮した掘削

 (人吉地区):環境面、景観等に配慮した平水位(平常時の水面相当)以上の掘削
        人吉層の掘削を行わない